変化を抱擁せよ

人が増えても速くならない

未読
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人が増えても速くならない
出版社
技術評論社

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定価
1,540円(税込)
出版日
2023年06月23日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

エンジニアとやりとりをしていて、「なぜこんなことが起こるのか」と不思議に思ったことはないだろうか。たとえば「今いる人ではこの開発速度が限界」と言われたら、経営側としては人を増やしたくなるだろう。ところが、エンジニアの視点から見たら、これは悪手だ。人数が増えることで、かえって開発速度が下がってしまうことは少なくない。人が増えれば生産性が上がる仕事はたしかにあるが、エンジニアの仕事はそうではないのである。

プログラミングによるソフトウェアの作成は、その外側から容易には理解できない仕事だ。ソフトウェアを処理するのはコンピュータであるから、そちらの都合に合わせてコードを書かなくてはならない。しかし、ソフトウェアを人間に使ってもらうときには、人間がコンピュータの動作を意識せずとも使えるように配慮しなければならない。エンジニアはコンピュータと人間の橋渡しをするために、さまざまな技術を駆使している。すなわち、エンジニアの仕事には、自分の仕事を「見えなくする」ことが組み込まれているのだ。これがエンジニアの仕事が理解しにくい理由のひとつだといえる。

エンジニアのマネジメントをしたり、エンジニアとスムーズにやり取りしたりするためには、エンジニアがなにを見てどのように感じているのか、その「世界」を理解することである。本書はエンジニアと経営者両方の経験を持つ著者が、エンジニアに特有の人材マネジメントの本質について鋭く分析している。ソフトウェアなくしてビジネスを進めることができない現代において、必須の知識と言えるだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

倉貫義人(くらぬき よしひと)
株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。
小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。
しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。
ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。
会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。
2018年から「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムに社外取締役として参画、2022年のグロース市場への上場に貢献を果たす。
著書に『管理ゼロで成果はあがる』(技術評論社)、『ザッソウ』(日本能率協会)、『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)がある。
プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。
「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットー。

ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
Twitter:@kuranuki
Facebook:https://www.facebook.com/kuranuki

本書の要点

  • 要点
    1
    エンジニアには特有の人材マネジメントのポイントがあるが、それを知らないとよかれと思ってやったことが、間違った施策につながってしまう場合がある。エンジニア以外の人たちもソフトウェア開発の本質を知っておくことがおすすめだ。
  • 要点
    2
    家づくりにたとえるなら、エンジニアの役割は大工ではなく設計士だ。5人の設計士がいたら5倍の速度で家が建つわけではないように、エンジニアを増やしても簡単に生産性は上がらない。

要約

変化に適応し続けるために

エンジニア特有の人材マネジメント

現在のビジネスに、ソフトウェアは欠かせない存在になった。そんななか、事業が順調に成長しているのに、現場が疲弊してきて開発速度を緩めざるをえないという事態が起こることは珍しくない。その原因は、ソフトウェアが変化に適応できないことにある。

著者はエンジニアとして12年働いてから、ソフトウェアを受託開発する会社を12年運営し、現在は株式会社クラシコムの社外取締役も務めている。自身にエンジニア経験があるからこそ、エンジニア特有の人材マネジメントのポイントを熟知している。

ソフトウェアそのものに触れたことのない人が、その特徴を知る機会は少ない。そのため、経営者やマネージャーがよかれと思ってやったことが、まちがった施策につながることはよくある。エンジニア以外の人たちがソフトウェア開発の本質を知り、エンジニアとの認識のギャップを埋めることができれば、ソフトウェアを必要とする人と開発をする人の双方が幸せになるはずだ。

【必読ポイント!】 完成しても終わりではない

システムは使い始めてから改善が始まる
gorodenkoff/gettyimages

良いシステムが完成したと思っても、いざ使い始めてみると改善したいところが出てくるものだ。画面の一部をちょっと変えてほしいといった相談をエンジニアにしてみると、想像以上に時間がかかるという回答になることが多い。開発段階から改善点を想定しておければ理想的だが、なかなかできることではない。どうすればよかったのだろうか。

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要約公開日 2023.09.14
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