現在のビジネスに、ソフトウェアは欠かせない存在になった。そんななか、事業が順調に成長しているのに、現場が疲弊してきて開発速度を緩めざるをえないという事態が起こることは珍しくない。その原因は、ソフトウェアが変化に適応できないことにある。
著者はエンジニアとして12年働いてから、ソフトウェアを受託開発する会社を12年運営し、現在は株式会社クラシコムの社外取締役も務めている。自身にエンジニア経験があるからこそ、エンジニア特有の人材マネジメントのポイントを熟知している。
ソフトウェアそのものに触れたことのない人が、その特徴を知る機会は少ない。そのため、経営者やマネージャーがよかれと思ってやったことが、まちがった施策につながることはよくある。エンジニア以外の人たちがソフトウェア開発の本質を知り、エンジニアとの認識のギャップを埋めることができれば、ソフトウェアを必要とする人と開発をする人の双方が幸せになるはずだ。
良いシステムが完成したと思っても、いざ使い始めてみると改善したいところが出てくるものだ。画面の一部をちょっと変えてほしいといった相談をエンジニアにしてみると、想像以上に時間がかかるという回答になることが多い。開発段階から改善点を想定しておければ理想的だが、なかなかできることではない。どうすればよかったのだろうか。
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