仕事の思想の表紙

仕事の思想

なぜ我々は働くのか


本書の要点

  • 「なぜ我々は働くのか」という「仕事の思想」は、働く上での錨となる。確固たる思想があればこそ、厳しい現実にも立ち向かっていける。

  • 仕事をする上で最高の報酬は「人間としての成長」だ。仕事に本気で取り組むうち、仕事の報酬は、給料→能力→仕事→成長と移り変わっていく。

  • 仕事の最高の報酬である「成長」を手に入れるためには、「夢」を語り、「目標」を定めることが不可欠だ。大きな夢を堂々と語り、自分を追い込んで、難しい課題にあえて挑戦してほしい。

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思想

なぜ、仕事に思想が必要なのか

私たちは、仕事で困難に直面したり苦労したりすると、もっと楽な仕事はないだろうかと考えてしまうものだ。その考えにとらわれているとき、仕事は「パンを得るための手段」にすぎない。どうせパンを得るための手段なら、楽なほうがいいと考えてしまうのだ。

しかし、「食べていくために働く」という「仕事の思想」が、私たちから「仕事の喜び」を奪ってはいないだろうか。生活のために働くという感覚は、人生を味気ないものにしてしまう。

また、巷には、仕事について「サバイバル」「生き残る」という言葉を使って語る本や雑誌特集も多くみられる。現代のビジネスパーソンは「どうやったらサバイバルできるか」「どうすれば生き残れるか」ばかりが気になるようだ。

だが、私たちが一生懸命に仕事をするのは決して「食べていくため」でも「生き残るため」でもない。もっと素晴らしい目的があるはずだ。

働く目的を見出し、よりよく働くためには、深みある「仕事の思想」が必要だ。「仕事の思想」は、仕事をする上での「錨」となる。錨があればこそ、どんな荒波に揉まれようと、決して流されることなく立ち向かえるのだ。

現代日本の「仕事の思想」

maroke/gettyimages

心理学者のエイブラハム・マズローが考案した「欲求の五段階説」によると、人間は欲求の段階を一つずつ実現しながら上がっていく。まずは「生存の欲求」、次に「安全の欲求」だ。生存と安全が保障されてはじめて、「帰属の欲求」「尊敬の欲求」「自己実現の欲求」へと向かっていける。

残念ながら、「生活の糧を得るために働く」「生き残るために働く」現代日本は、いまだに「生存の欲求」「安全の欲求」の段階にとどまっていると言えるだろう。

では、我々はなぜ働くのか。本書ではこの問いの答えを模索しながら、深みある「仕事の思想」を探し求めていく。

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要約公開日 2023.09.07
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