英語は10000時間でモノになる

ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法
未読
英語は10000時間でモノになる
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英語は10000時間でモノになる
出版社
技術評論社

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出版日
2023年05月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本で教育を受けた人なら、ほとんどの人が子どもの頃から英語に触れてきたはずだ。しかし、英語で情報収集をしたり、仕事で使ったりするほどまでの英語力をつけられた人はそう多くはないだろう。だが、英語を身につけたいという夢はなかなか諦められるものではない。

本書の著者、橋本大也氏も「いつか英語で本を読めるようになるぞ!」と一念発起して奮闘するも、何度も挫折を繰り返してきた一人だ。橋本氏は45歳で「これが人生最後」と自己流の英語学習に挑んだ。そして、はじめて大きな効果を実感し、夢だった「英語で本を読む力」を獲得し、日常的に英語の本を読むまでになった。

著者の考える、英語をモノにするのに必要な時間は「10000時間」。いくら何でも長すぎる、それだけやったら上達するのは当たり前だと思う人もいるかもしれない。だからこそ、これほどやってできない人はそうそういないとも言える。つまり、英語を本当にモノにできるかどうかは、自分の10000時間をかける覚悟ができるかどうかにかかっている。

10000時間は苦しみながら机に向かうだけでは到達できる数字ではない。著者の場合は、読書やオーディオブックなど、楽しみながら触れられるものを日本語から置き換えている。あなただったら、英語で何がしたいだろうか。日常の何を英語に置き換えられるだろうか。日本語でやっていたことを英語に置き換えれば、自然に英語に触れる時間は増えていく。

大人になってから自力で英語を身につけた著者の体験談は、即効性のある学習法ではないからこそ信頼感があり、決意しさえすれば自分にもできるのではないかと思わせてくれる。英語ができる自分になりたい人には要チェックの一冊だ。

著者

橋本大也(はしもと だいや)
デジタルハリウッド大学教授兼メディアライブラリー館長。多摩大学大学院客員教授。早稲田情報技術研究所取締役。翻訳者。英検1級。
ビッグデータと人工知能の技術ベンチャー企業データセクション株式会社の創業者。同社を上場させた後、顧問に就任し、教育とITの領域でイノベーションを追求している。
著書に『情報考学Web時代の羅針盤 213冊』(主婦と生活社)、『データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人』(SBクリエイティブ)、『情報力』(翔泳社)、共著に『ブックビジネス2.0-ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社)、『電子書籍と出版──デジタル/ネットワーク化するメディア』(ポット出版)などがある。
洋書を紹介するブログを運営しており、『WIRED』日本版などのメディアに書評を寄稿している。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本人の大人は、10000時間使えば納得の英語力を手に入れることができる。その極意は「英語を勉強する時間を足し上げるのではなく、日本語を使う時間を引いていくこと」だ。
  • 要点
    2
    本を読むことは英語を学ぶ最良の方法である。特に小説を読むことは「感覚英語」のブラッシュアップに効果的だ。
  • 要点
    3
    リスニング力を鍛えるには、まずはリスニングの教材を繰り返し聞くことから始めて、オーディオブックやYouTubeなどの「本物の英語」へと移っていこう。
  • 要点
    4
    発音で重要なのが音素とイントネーションである。日本人は全ての音を強く発音したがるが、重要でない語はもごもご発音するのが正解だ。

要約

【必読ポイント!】 生活から日本語を追い出す

大量の英語に触れ、感覚英語を磨く
itakayuki/gettyimages

英語学習で身につく英語には知識英語と感覚英語の2種類があると著者は考えている。知識英語とは、学校の授業で習う類のもので、頭の中に作り上げた文法回路を用いて英文を理解するようなものを指す。一方、感覚英語とは、直感的にわかってしまう英語のことだ。I’m sorryなど、使い慣れていて英文法を使って読解作業をしないでもわかるようなものがこれにあたる。

日本人の英語上級者にはこの知識英語上級者と感覚英語上級者の2種類がいる。著者のおすすめは、感覚英語上級者を目指すことである。知識英語上級者は、辞書を使えばどんな本でも読める。だが、速度が遅いという致命的な欠陥がある。手早く情報を精査できなければ仕事で使える武器とは言えない。

感覚英語上級者は多少わからない個所があろうと、辞書なしで最後まで本を読み通すことができる。書かれていることを楽しむことができるし、要約するのも得意だ。

感覚英語に強くなるために重要なのは「完全理解を諦める」ことだ。わからない部分があっても、すぐに辞書を使わないこと。常にわからないことがある状態に慣れて、とにかく英語との接触回数を増やすことが大事だ。そうしているうちに、じわじわと感覚的に使える表現が増えていく。

接触回数を増やす最良の方法は「本を読むこと」だ。特に登場人物に感情移入して読む小説は、文法の感覚化を自然に進めることができる。

第二言語として英語を使用し続ける覚悟をする

著者の経験から言えば、英語は「10000時間」使えばネイティブの大学生程度の英語力を獲得できる。ネイティブの18歳は生まれてから10万時間以上英語を使っている。日本人の大人は語学以外の知識と経験の積み上げがあるので、10000時間を使えば合わせ技で納得の英語力が手に入る。

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要約公開日 2023.09.21
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