店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる

倉本長治の商人学
未読
店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる
店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる
倉本長治の商人学
未読
店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる
出版社
プレジデント社

出版社ページへ

定価
1,980円(税込)
出版日
2023年09月18日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

あなたは倉本長治氏をご存じだろうか。倉本氏は、1899年に生まれ、月刊誌「商業界」主幹を務めた人物だ。「店は客のためにある」という主張のもと、全国各地に赴き、商人の心得を精力的に発信し続けた。その功績から「日本商業の父」とも呼ばれている。

倉本氏を信奉する経営者は多く、ファーストリテイリングの柳井正氏もその1人だ。柳井氏は倉本氏の「店は客のためにあり 店員とともに栄える」という言葉に感銘を受け、執務室の壁に掲げているという。同氏は本書の解説で、これまで倉本氏の言葉に何度も励まされてきたと語っている。

本書は、「商業界」で編集長を務める笹井清範氏が著者となり、倉本氏の考えのエッセンスを紹介してくれる一冊だ。商売の本質とは何か、「本当の商人」になるにはどのような心構えが必要なのか、どのような態度で人材育成に取り組むべきか――。その教えには、商売の目的は目先の利益ではなく、商売に関わるすべての人々の暮らしを守り、社会と文化の発展に役立つことであるというメッセージが詰まっている。当たり前のようにも聞こえるが、これを蔑ろにしている経営者は多いのではないだろうか。

本書のメインターゲットは経営者だ。だが今や、幹部社員はもちろん、一般社員にも経営者マインドが求められる時代である。そんな時代にあって、すべてのビジネスパーソンが読むべき、心に沁みる一冊だ。

ライター画像
安齋慎平

著者

笹井清範(ささい きよのり)
商い未来研究所代表
商業経営専門誌「商業界」で現場取材を重ね、2007年より編集長。中小独立店から大手チェーンストア、小売業から飲食・サービス業、卸売業、農業、製造業まで幅広い企業規模・業種を取材。その数は25年間で4000社を超え、そこに共通する“繁盛の法則”の体系化をライフワークとする。2018年より、多くの商業者を育成・輩出してきた「商業界ゼミナール」を運営。講演家としても、多くの聴衆の支持を集める。2020年、暮らしを心豊かにする事業に関わる人たちへの支援を目的に、「商い未来研究所」設立。急速に進む人口減少・成熟化社会にあっても成長できる商人の育成を事業理念に、研修やコンサルティング、講演や執筆に取り組む。取材者として養ったインタビュー技術によって、本人が認識していない強みや課題を顕在化させる“訊く力”に定評がある。商人応援ブログ「本日開店」では、取材から学んだ“商いの心と技”を発信。座右の銘は「朝に礼拝、昼に精励、夕に感謝」。著書に『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則』(同文舘出版)。

本書の要点

  • 要点
    1
    商売の目的とは「人の幸せ」を育むことである。その目的を達成すれば、利益は自然とついてくる。
  • 要点
    2
    店員は店主の分身だ。良い店主がいなければ良い店員は育たない。
  • 要点
    3
    買物は商人に対する信頼と期待の表明だ。消費者には、買物を通じて、お客様はもちろん、従業員、取引先、地域社会の利益を守り、未来を見据えて行動できる「良い商人」を選ぶ権利がある。長い人生をかけて、「良い商人」への道のりを歩みはじめよう。

要約

基準は「損得」より「善悪」

商売の目的とは「人の幸せを育むこと」

私たちは食べなければ生きていけない。商売も同様である。損得や儲けを考えずして、商いを続けていくのは不可能だ。

だが、人は食べるためだけに生きているわけではない。それと同様、商売も儲けてこそ続けられるが、儲けること自体が目的ではないはずだ。

戦前から経営指導者として、また出版人として商業の発展と商人の育成に尽力した倉本長治によると、商売の目的は「人の幸せを育むこと」であり、店が繁盛するのはその目的が達成された結果である。利益もまた、人としてあるべき道を選べているかどうか、その達成度合いを測る尺度にすぎない。

一人のお客様に対し、心から誠実に対応しよう。注視すべき基準は、損得よりも善悪だ。その結果、関わる人すべてが幸せになる。

本当の商売の3つの要件

本当の商売は3つの要件から成り立っている。自分の仕事が「愛」に基づいているかどうか、行いの隅々まで「真実」に徹しているかどうか、お客様、従業員、取引先、そして自分にも相応の「利潤」をもたらしているかどうか、だ。この3つの要件を満たし、正当な報酬を誇り高く手にする――これこそ倉本長治が提唱する「本当の商売」である。

「あえて売らない」という選択
miniseries/gettyimages

売らないほうがそのお客様のためになる、そんな商品もある。

商品が売れれば目先の利益は上がる。しかしお客様はその商品を買ったことに納得できないままだろう。そうした店はいずれ選ばれなくなってしまう。

お客様のためにあえて売らない。あなたには、そういう商売ができるはずだ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3543/4199文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.12.31
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
[新装版]心を高める、経営を伸ばす
[新装版]心を高める、経営を伸ばす
稲盛和夫
未読
Thinking Baseball
Thinking Baseball
森林貴彦
未読
ドイツの女性はヒールを履かない
ドイツの女性はヒールを履かない
サンドラ・ヘフェリン
未読
不安なモンロー、捨てられないウォーホル
不安なモンロー、捨てられないウォーホル
クラウディア・カルブ葉山亜由美(訳)
未読
両利きの経営(増補改訂版)
両利きの経営(増補改訂版)
渡部典子(訳)チャールズ・A・オライリーマイケル・L・タッシュマン冨山和彦(解説)入山章栄(監訳・解説)
未読
革命的に稼げるインスタ運用法
革命的に稼げるインスタ運用法
カイシャイン
未読
餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
林總
未読
美しく「バズる」技術
美しく「バズる」技術
青木創士
未読
法人導入をお考えのお客様