ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
まず、ちゃんと聴く。の表紙

まず、ちゃんと聴く。

コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比


本書の要点

  • 「聞く」と「聴く」にはさまざまな違いがある。「共感」を例にとると、「聞く」では、自分と同じ意見・考え方には共感ができるのに対し、「聴く」では、「あなたはそう思うのですね」と、自分とは異なる意見・考え方であっても共感的に関われる。

  • 「聴く」とは、すべての言動の背景に「肯定的意図」があると信じて相手に関わるというあり方である。

  • 聴く技術は「あり方×やり方」、聴く力は「聴く技術×コンディション」で構成される。

  • 「聴く」と「伝える」の両立には、常に悩みが伴う。「相手」「自分」「関係性」をよく観察し、聴くと伝えるを選択していこう。

1 / 5

「まず」「ちゃんと」「聴く」とはどういうことか

「聞く」と「聴く」の違い

本書のタイトル『まず、ちゃんと聴く。』には、「まず」「ちゃんと」「聴く」という3つの単語が含まれている。本書では、「聴く」について、「自分の解釈を入れることなく、意識的に耳を傾ける行為」と定義する。

一般的に「聴く」とは、「意識的に耳を傾ける行為」と定義されることが多い。著者は一般的な「聴く」を「自分の解釈が入るか、入らないか」でさらに分けると、より実用的な定義になると説く。

また、自身の解釈を入れる「聞く」と、入れない「聴く」にはさまざまな違いがある。

例えば「視点」が異なる。「聞く」では、同意・反対、または従う・従わないといった反応が主になる。一方「聴く」は、あくまで相手に寄り添う反応だ。評価や分析などから離れて、相手の話を受け取る。そのため、自分とは異なる意見を持つ相手にも共感的に関われるのが特徴だ。

「ちゃんと聴く」とはどういう態度か

MStudioImages/gettyimages

次に「ちゃんと」とはどういう状態なのか。学校で先生が「人の話はちゃんと聞きましょう」というときには、「黙って」「我慢して」「従う」という3つの要素が含まれている。

これに対し、著者は「相手の言動の背景には、肯定的意図があると信じている状態で聴く」態度が、「ちゃんと聴く」態度であると定義する。ここで登場した「肯定的意図」がキーワードである。

もっと見る
この続きを見るには...
残り4265/4841文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2024.02.01
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣
緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣
丸山久美子
ていねいな文章大全
ていねいな文章大全
石黒圭
幸せなチームが結果を出す
幸せなチームが結果を出す
前野マドカ及川美紀
頭のいい人は「質問」で差をつける
頭のいい人は「質問」で差をつける
樋口裕一
問うとはどういうことか
問うとはどういうことか
梶谷真司
聴きポジのススメ
聴きポジのススメ
堀井美香
任せるコツ
任せるコツ
山本渉
降伏論
降伏論
高森勇旗

同じカテゴリーの要約

頭の中がどんどん言葉になる瞬間言語化トレーニング
頭の中がどんどん言葉になる瞬間言語化トレーニング
荒木俊哉
キーエンス 最強の働き方
キーエンス 最強の働き方
齋田真司
なぜ働く?誰と働く?いつまで働く?
なぜ働く?誰と働く?いつまで働く?
有山徹
無料
正しい答えを導く質問力
正しい答えを導く質問力
山口拓朗
伝わるコツ
伝わるコツ
山本渉
できるリーダーが意思決定の前に考えること
できるリーダーが意思決定の前に考えること
内田和成
頭のいい人が話す前に考えていること
頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
吉田浩岩井俊憲 (監修)
AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
越川慎司
伝え上手になりたい
伝え上手になりたい
小川奈緒