人はなぜミスをするのか。ミスをなくすには、まずはミスの種類や原因などの基本的な知識をおさえておいたほうがよい。
よくあるミスは、「ケアレスミス」「段取りミス」「コミュニケーションミス」の3つだ。
頭ではわかっていても、なぜか違う行動や動作をして失敗してしまう「ケアレスミス」は、1人で行う定型業務や単純作業で起こりやすい。些細なミスであっても、お客様や取引先に迷惑をかけることになり、代償が大きくなることもある。ケアレスミスが起こりやすいのは、急いでいるときや他の仕事と並行して作業をしているときだ。
「段取り八分」と言われるように、仕事を首尾良く進めるためには、手順や順序を考えてから仕事にとりかかることが大切だ。段取りを考えずに目の前の仕事を手当たり次第に片付けようとすると、納期や締め切りに間に合わなかったり、約束に遅刻したり、定時内に仕事が終わらなかったりといった「段取りミス」が起きやすい。短時間で成果を上げるなら、事前の段取りが不可欠だ。
複数の人と仕事をするときに起きやすいのが、人と人とのつなぎ目でうまくバトンを渡せず失敗する「コミュニケーションミス」だ。自分は伝えたつもりでも相手には伝わっていなかったり、何気なく発した言葉が失礼であると取られたりすることがある。
ミスをしないためには、風邪と同じように予防が重要だ。段取りを整え、スケジュールを管理し、周りの人との報連相を行い、生活習慣を整えること。基本的なことばかりであるが、ミスをしない人はこうした基本をおろそかにしない。本書は、仕事のミスをなくす方法を紹介していく。技が習慣になるほどに自分のものにできたら、あなたも〈ミスしない人〉になれるはずだ。
今日中にやるべき仕事があったのにうっかり忘れてしまうといったミスを避けるには、頼まれた仕事や、その日の仕事を、朝デスクに出しておくのがおすすめだ。下から上に積み上げると、下にある書類を見落としやすいため、ファイルボックスなどに入れて立てかけておくとよい。これなら自然と視界に入り、やるべき作業を忘れない。退社する前にはやり残しがないか指差し確認をして、書類やファイルを定位置に片付けてから帰るようにしよう。
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