自律神経の名医が教える集中力スイッチの表紙

自律神経の名医が教える集中力スイッチ


本書の要点

  • 集中力は自律神経と強く結びついている。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、両者のバランスをとることで集中力を上げることができる。

  • 仕事や勉強では、長時間ゆるやかに続く「持続集中力」が必要になる。そのためには自身の状態を「安定」させることが大切だ。

  • 自律神経の調整に「睡眠」は欠かせない。睡眠の質を上げるには、就寝1~2時間前に照明を落として光を断つ「光断ち」が効果的だ。睡眠時間は6~7時間は確保したい。

  • 「咀嚼」は脳に刺激を与えて自律神経を整え、集中力を高める作用がある。食べるときにはよく噛み、食事以外の時間ではガムを噛むといい。

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「集中力」とは何か

集中力は鍛えることができる

「集中する方法」を教わったことのある人は、おそらくほとんどいないだろう。親や先生から「集中しなさい」といわれて机に向かい、課題に意識を向けるうちに自然とその感覚を身につけていったはずだ。人は自然に走るようになるが、速く走れるようになるには練習が必要だ。それと同じで、集中するための練習を重ねれば、集中力は確実に上がっていくのである。集中するための「体作り」において、自律神経は要となる存在だ。自律神経はいったん乱れるとさまざまな不調を引き起こして、集中したくてもできない体になってしまう。自律神経は大まかに「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられる。交感神経が優位になりすぎるとイライラし、副交感神経が優位になりすぎるとやる気が減退してしまう。だが、両者のバランスをとることができれば、集中力が上がって高いパフォーマンスを発揮できるのだ。

2種類の集中力

ridvan_celik/gettyimages

集中力には2種類ある。1つは、アスリートなどが限られた時間内に発揮する「短期集中力」、もう1つは私たちが仕事や勉強で必要とする、ゆるやかで長く途切れない「持続集中力」だ。たとえば、8時間ずっと息抜きなしに集中して作業することは不可能だ。なかには長時間にわたる研究など高い集中力が継続的に求められることもあるが、日々の仕事をこなすには、そこまでの集中力は必要ない。私たちが普段必要とするのは、今日のタスクを終わらせる程度の「安定した集中力」だ。安定した集中力を保つには、まず自身の状態を「安定」させることが大切だ。体調や天気の状態に左右されることはあるが、可能な限り自身の状態を安定させることができれば、「持続集中力」を手に入れられるだろう。

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要約公開日 2024.06.04
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