チームレジリエンス

困難と不確実性に強いチームのつくり方
未読
チームレジリエンス
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困難と不確実性に強いチームのつくり方
未読
チームレジリエンス
出版社
日本能率協会マネジメントセンター

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出版日
2024年06月10日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

チームは常に「困難」にさらされている――。そう言われても、のんびりした人は「そうでもないよ」と思うかもしれない。

ここで、本書の「はじめに」に例示されている「困難」の一部を挙げてみよう。人手不足に業績不安、取引先の無茶な要求、理不尽なクレーム、SNSの炎上、ギスギスした人間関係、エースの離脱。これらにまったく無関係でいられるチームはほとんどないはずだ。たいていのチームは、次々に「困難」に襲われて常にストレスフルな状態にあり、通常業務をこなすだけで精一杯、「チームのあるべき姿とはどのようなものか」「どうすればより大きな成果が出せるか」などに思いを馳せる余裕はまったくないはずだ。

本書は、職場のレジリエンスを研究する池田めぐみ氏と人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究する安斎勇樹氏が、「チームレジリエンス」を発揮する方法を教えてくれる一冊だ。よりわかりやすく言うと、チームに降りかかる「困難」に対処し、「困難」から学び、次なる「困難」の被害を最小化する具体的な方法が示されている。この3つのステップを実践できれば、あなたのチームは、どんな状況下でも安定的に成果を上げられるだろう。

予測不可能な時代が到来したと言われて久しいが、そんな時代にすべきことを具体的に指南してくれる本は意外と少ないものだ。本書をチーム全員の必読書とし、日々実践に勤しめば、時代がどう変わっても、売上不振やメンバーの離職などといった問題とは無縁のチームが出来上がるだろう。

著者

池田めぐみ(いけだ めぐみ)
筑波大学 ビジネスサイエンス系 助教
株式会社MIMIGURIリサーチャー
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。東京大学大学院情報学環 特任研究員、東京大学 社会科学研究所附属 社会調査・データアーカイブ研究センター 助教を経て2024年4月より現職。主な研究テーマは、職場のレジリエンス、若手従業員の育成。分担執筆として関わった書籍に『活躍する若手社員をどう育てるか』(慶應義塾大学出版会)、『ジョブ・クラフティング:仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ』(白桃書房) など。

安斎勇樹(あんざい ゆうき)
株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO
東京大学大学院 情報学環 客員研究員
1985年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論について探究している。主な著書に『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(共著・学芸出版社)、『問いかけの作法:チームの魅力と才能を引き出す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『パラドックス思考』(共著・ダイヤモンド社)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    チームレジリエンスとは、チームが「困難」から回復したり、成長したりするための能力やプロセスのことだ。
  • 要点
    2
    レジリエンスの高いチームは、困難に直面した時、「課題を定めて対処する」「困難から学ぶ」「被害を最小化する」の3つのステップを踏む。
  • 要点
    3
    困難を早期発見するポイントは、“流行り病”から学ぶことと、チーム内部の困難のサインを察知することだ。困難のサインをいち早く察知するには「スケジュールの遅れ」に注目するとよい。

要約

チームレジリエンスとは何か

レジリエンスを発揮する3つのステップ

現代のチームには、予想もつかないさまざまな「困難」(=個人やチームの存在価値・信念・目標達成を脅かすストレス要因)が待ち受けている。「困難」によって生じるリスクを最小に抑えつつ「困難」を確実に乗り越える方法として、著者らは「チームレジリエンス」を提示する。チームレジリエンスとは、チームが「困難」から回復したり、成長したりするための能力やプロセスのことだ。

では、チームが困難に直面した際、どうすればチームレジリエンスを発揮できるだろうか。レジリエンスの高いチームは、次の3つのステップを踏むといわれている。

ステップ1:課題を定めて対処する

ステップ2:困難から学ぶ

ステップ3:被害を最小化する

それぞれのステップについて解説しよう。

【必読ポイント!】 ステップ1:課題を定めて対処する

困難に対処できない3つの要因
Sensay/gettyimages

そもそもなぜ、チームで困難を乗り越えるのは難しいのか。その根底には、3つの大きな要因がある。

1つ目の要因は、困難を解決可能な課題に落とし込めていないことだ。困難をいち早く解決しようとするあまり、課題設定をしないまま動いてしまうと、かえってよくない事態を招くことがある。

2つ目の要因は、プロジェクトとして取り組めていないことだ。取り組むべき課題が明確になったとしても、対応期限や役割分担などを決めてプロジェクト化しない限り、いつまで経っても解決できない。

3つ目の要因は、チーム内でストレスが高まっていることだ。高いパフォーマンスを発揮するには、ストレスケアが欠かせない。

要約では3つの要因のうち、「困難を解決可能な課題に落とし込めていない」の対処法を解説する。

困難を解決可能な課題に落とし込む5つの取り組み
http://www.fotogestoeber.de/gettyimages

レジリエンスの高いチームは、5つの取り組みによって困難を整理し、解決できる状態に落とし込む。

1つ目は、「問題」と「課題」を切り分けることだ。チームに害をなす「問題」が、チームが力を合わせて立ち向かうべき「課題」であるとは限らない。まずは目の前の困難が「問題」なのか「課題」なのかを見極めよう。

2つ目は、チームの目標を「成果目標」「プロセス目標」「ビジョン」の3階層で整理することだ。「成果目標」は、チームが特定の期間において生み出したい成果を定義したもの、「プロセス目標」は成果目標を達成するまでのプロセスにおいて辿りたい過程、「ビジョン」は「プロセス目標」「成果目標」達成の先の長期的な展望のことだ。適切な「課題」を設定するためには、チームの「3つの目標」を整理して、自分たちの目指す先を言語化するとよい。

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要約公開日 2024.06.28
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