「なんだか疲れが溜まってきたな……」と感じて、休日に家でゴロゴロしたり温泉に浸かったりしたのに、それでも疲れが取れない、という経験はないだろうか。その原因は「脳の疲れが取れていない」からかもしれない。いくら身体を休めても、脳がしっかり休まっていないと脳に疲労が蓄積し、身体全体や仕事のパフォーマンスに悪影響を与えてしまう。
最新の脳科学では、「ぼんやり」と過ごして脳を休めることで、クリエイティブなひらめきが生まれることがわかってきた。ボーッとして脳を休めている間に、一度集約された情報や記憶が整理されるのだ。
重要なのは、集中とリラックスのバランスだ。机に向かって一生懸命考えているだけではアイデアは出てこない。集中したあとで脳がリラックスしアイドリングしているときにこそ、ひらめきが生まれるのだ。
歌手の松任谷由実さんや作曲家の秋元康さんなど、一流のクリエイターは総じて「脳の休ませ方」がうまい。毎日多忙なはずなのに、まるで「夏休みの宿題が終わった小学生」のような余裕のある雰囲気をまとっている。
実は、脳を休ませることと創造性には密接した関係がある。彼らはすべての時間を創作に捧げているのではなく、現場から離れてボーッとする時間を意識的に設けている。脳を休ませてエネルギーを回復する隙間時間をつくることで、後世に残るような名曲を生み出しているのだ。
一方、ただがむしゃらに働いているビジネスパーソンは脳の休め方を知らない。こういった働きぶりは短時間の集中はできても、長い時間、高密度の仕事をすることはできない。つまり、なかなか仕事のクオリティを上げられないということだ。
がむしゃらだけでは結果が出ない。それを知っている一流のクリエイターは、あえて脳を休ませる時間をつくるのだ。
3,400冊以上の要約が楽しめる