本書の要点

  • どんなに身体を休めても、脳がしっかり休まっていないと身体全体や仕事のパフォーマンスに悪影響が生じる。

  • ひらめきを生むには「ぼんやりと過ごす」ことが重要だ。ボーッとすることで脳が休まり、蓄積された記憶や情報が整理される。

  • 脳を休めるためには、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」機能を働かせる必要がある。そのためには質の高い睡眠が欠かせない。

  • 脳を休ませる方法には、スマホを見ない時間を作る、退勤したら着替える、一人の時間をつくる、などがある。

1 / 4

【必読ポイント!】 脳を休めれば創造性が上がる

「ぼんやり」がひらめきを生む

「なんだか疲れが溜まってきたな……」と感じて、休日に家でゴロゴロしたり温泉に浸かったりしたのに、それでも疲れが取れない、という経験はないだろうか。その原因は「脳の疲れが取れていない」からかもしれない。いくら身体を休めても、脳がしっかり休まっていないと脳に疲労が蓄積し、身体全体や仕事のパフォーマンスに悪影響を与えてしまう。

最新の脳科学では、「ぼんやり」と過ごして脳を休めることで、クリエイティブなひらめきが生まれることがわかってきた。ボーッとして脳を休めている間に、一度集約された情報や記憶が整理されるのだ。

重要なのは、集中とリラックスのバランスだ。机に向かって一生懸命考えているだけではアイデアは出てこない。集中したあとで脳がリラックスしアイドリングしているときにこそ、ひらめきが生まれるのだ。

一流のクリエイターは脳を休めている

maruco/gettyimages

歌手の松任谷由実さんや作曲家の秋元康さんなど、一流のクリエイターは総じて「脳の休ませ方」がうまい。毎日多忙なはずなのに、まるで「夏休みの宿題が終わった小学生」のような余裕のある雰囲気をまとっている。

実は、脳を休ませることと創造性には密接した関係がある。彼らはすべての時間を創作に捧げているのではなく、現場から離れてボーッとする時間を意識的に設けている。脳を休ませてエネルギーを回復する隙間時間をつくることで、後世に残るような名曲を生み出しているのだ。

一方、ただがむしゃらに働いているビジネスパーソンは脳の休め方を知らない。こういった働きぶりは短時間の集中はできても、長い時間、高密度の仕事をすることはできない。つまり、なかなか仕事のクオリティを上げられないということだ。

がむしゃらだけでは結果が出ない。それを知っている一流のクリエイターは、あえて脳を休ませる時間をつくるのだ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3512/4302文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2024.07.29
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方
人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方
枡野俊明
職場を腐らせる人たち
職場を腐らせる人たち
片田珠美
なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣
なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣
藤本梨恵子
何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書
何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書
中島輝
となりの億万長者が17時になったらやっていること
となりの億万長者が17時になったらやっていること
嶋村吉洋
疲労とはなにか
疲労とはなにか
近藤一博
賢い人のとにかく伝わる説明100式
賢い人のとにかく伝わる説明100式
深谷百合子
あっという間に人は死ぬから
あっという間に人は死ぬから
佐藤舞(サトマイ)

同じカテゴリーの要約

壁打ちは最強の思考術である
壁打ちは最強の思考術である
伊藤羊一
しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?
しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?
橘玲樺山美夏
とりあえずやってみる技術
とりあえずやってみる技術
堀田秀吾
無料
肩書がなくても選ばれる人になる
肩書がなくても選ばれる人になる
有川真由美
子どもが本当に思っていること
子どもが本当に思っていること
精神科医さわ
忘我思考
忘我思考
伊藤東凌
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
堀田秀吾
ハーバードの心理学講義
ハーバードの心理学講義
ブライアン・R・リトル児島修(訳)
なぜあの人は同じミスを何度もするのか
なぜあの人は同じミスを何度もするのか
榎本博明
1つの習慣
1つの習慣
横山直宏