ダイバーシティ・女性活躍はなぜ進まない?の表紙

ダイバーシティ・女性活躍はなぜ進まない?

組織の成長を阻む性別ガチャ克服法


本書の要点

  • 旧態依然とした価値観による「性別ガチャ」が、日本の組織をむしばんでいる。

  • 女性活躍推進の必要性を理解するためには、各時代の政府方針と労働背景を知ることが大事になる。

  • 著者は、「女性活躍は逆差別ではないか?」といった「現場によくある10の質問」に、具体的なノウハウを添えて答えている。質問に含まれる「モヤモヤ・疑念」をスッキリさせることが重要となる。

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【必読ポイント!】 「性別ガチャ」の正体

「性別ガチャ」が日本の組織をむしばむ

日本の組織、社会、家庭におけるジェンダー不平等の状態を、著者は「性別ガチャ」と表現する。生まれたときの性別だけで分けられたのち、男性ならば仕事をして稼ぐ人、女性ならば家族の面倒を見る人というように、一方的な役割を期待される状況を指す。「固定的性別役割分担」に、「自分の意志や選択を無視される」という意味合いが込められている。現在の学生は小中学校でジェンダー平等を教育されていて、ジェンダーレスな美意識も浸透している。ところが、会社に入ると幹部層は男性ばかりだ。難易度の高い仕事は女性にあまり任されない。出産を経ると、育児家事を主に担当するのは女性とされ、リーダー育成の枠から外されていく。こうした旧態依然とした価値観による「性別ガチャ」に、多くの学生は驚くはずだ。さらには、「男だから残業は当然」「男が育休なんて意味がない」といった考え方は批判の対象となるだろう。

企業内での「性別ガチャ」

国家・企業・家庭それぞれの単位で「性別ガチャ」が存在している。中でも企業単位の課題は、「役員比率」と「正社員比率」で男女に偏りがある点だ。日本以外のG7諸国の女性役員比率は、2022年時点で39%である。これに対し日本は10%にも満たない。

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要約公開日 2024.08.21
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