本書の要点

  • 組織の基本的な形態として、「パーソナル型」「プログラム型」「プロフェッショナル型」「プロジェクト型」の4つが存在し、それぞれの組織形態で統合、効率、熟達、協働の力が大きな役割を果たす。

  • 4つの組織形態すべてで触媒的な役割を果たしている3つの力は、上からの分離、文化の注入、対立の浸食である。これらの力に着目した3種類の組織形態が、それぞれ「事業部型組織」「コミュニティシップ型組織」「政治アリーナ型組織」だ。

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組織づくりの3つの要素

マネジメント──クラフトに、アート、そして少量のサイエンス

意思決定、戦略形成、マネジメントなど、組織で重要なことの多くは、「アート」「クラフト」「サイエンス」という3要素の関係で説明できる。アートは洞察力とビジョンと直感に基づくものであり、アイディアが土台となる。クラフト(技)は実務的かつ現実的で、経験が土台になる。そしてサイエンスは、事実と分析を重んじ、エビデンスを土台とする。この3つの要素が意思決定、戦略形成、マネジメントでどんな役割を果たしているのだろうか。要約ではマネジメントで果たす役割について取り上げる。マネジメントは「実践」の行為であり、おおむね経験を通じて学習されるものだ。そのため、アート、クラフト、サイエンスの中で、クラフトの性格が最も強い。ただし、優れたマネジャーはかなりアートも活用している場合がある。ある程度は分析という意味のサイエンスも必要だが、サイエンスに偏重した数値計測への過剰な依存は、災厄の源になっている。

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要約公開日 2024.08.23
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