睡眠不足に悩んでいる人は多い。ほとんどの人は睡眠の改善が「目的」になっているが、著者は、睡眠は自身のパフォーマンスを最大化するための「手段」であるべきだと考える。実際、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、大谷翔平など、世界でトップを極めている人たちは例外なく睡眠を利用してパフォーマンスを高めている。
本書では、ビジネスパーソンの「強力な武器」となる睡眠法を7つ、それぞれを実践する著名人の名を冠して紹介している。
(1)ザッカーバーグの「短眠戦略」
睡眠時間を1日5時間前後に短縮し、活動時間を増やす。心身ともに興奮状態となり、高い集中力を維持して多くの仕事をこなせる。
(2)エリザベス女王の「快眠戦略」
質・量ともに最適な睡眠をとり、心身の状態を整える。心の底からわき上がるような幸福感が得られ、周囲との人間関係が改善される。
(3)大谷翔平の「長眠戦略」
10時間程度の長い睡眠をとり、日中もたっぷり昼寝をする。起きている間に自分を徹底的に追い込むことで爆発的な成長を目指す。
(4)黒柳徹子の「二分割睡眠戦略」
睡眠を2回に分け、深夜に自分だけの時間をつくる。一度眠ることですっきりした状態で活動できる。
(5)クリスティアーノ・ロナウドの「多分割睡眠戦略」
長い睡眠をとらず、短時間の睡眠を細切れにとる。動物と同じ眠り方で、自然に近いスタイルだ。まとまった睡眠をとれなくてもストレスを感じずに済む。
(6)マドンナの「フレックス睡眠戦略」
時間にこだわらず、自分に合った時間帯に睡眠をとる。何時から何時まで寝るかを能動的に決めることで1日を効率的に活用できる。
(7)ラリー・ペイジの「チーム睡眠戦略」
組織のリーダーが、自分一人ではなく部下の睡眠も改善し、組織全体のパフォーマンスを最大化する。チームとしてのパフォーマンス向上を目指す。
本要約では7つの睡眠戦略の中から、「短眠戦略」「長眠戦略」「フレックス睡眠戦略」の3つについて詳しく述べる。
睡眠は大きく「レム睡眠」「深いノンレム睡眠」「浅いノンレム睡眠」の3種類に分けられる。レム睡眠の間、筋肉は弛緩している一方、脳は活発に動いている。最新の研究では、レム睡眠はメンタルの安定に深く関わっていることがわかってきた。
深いノンレム睡眠の間は成長ホルモンが活発に分泌され、身体と脳が回復する。浅いノンレム睡眠は、睡眠全体の半分以上を占めるにもかかわらず、その効果は長い間不明であった。しかし最新の研究で、浅いノンレム睡眠の間に特殊な脳波が出て、記憶の定着や運動神経の発達が促されていることが判明した。
3つの睡眠はいずれも重要な役割を担っている。どれもおろそかにせず、使い分けることが大切だ。
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