テーブルの上に、1つ100円のリンゴとミカンが1個ずつある。君ともう1人のプレイヤーは、それぞれ百円玉を1つ持っている。もし君が2つとも欲しいなら、どうしたらいいか。
これは、「限られたお金で欲しいものを手にするにはどうすればいいか」という「資源制約」の問題である。「あちら(リンゴ)を手に入れたら、こちら(ミカン)が手に入らない」という状況を「トレードオフ」と呼ぶ。
人生というゲームで最初に学ぶべきことは「どんなゲームにも条件とルールがあり、勝手に変えることはできない」ということだ。そのため、「ミカンを50円にする」とか「百円玉を2個にする」といったルール変更は不可である。
ゲームには、「奪う」「はたらく」「借りる」「あきらめる」「交渉する」といった5つの攻略法がある。「奪う」がもっとも魅力的だが、市場取引ではルール違反になってしまう。
「はたらく」については、「晩ごはんの後片づけをしたら100円をもらう」という提案ができそうだが、晩ごはんのあとまで待たないとならないのが難点だ。そのときにはお腹いっぱいで、もういらなくなっているかもしれない。
では、パパやママに「100円貸して」と頼んでみたらどうか。「はたらく」と「借りる」を組み合わせて、「100円を借りてリンゴとミカンを買う。晩ごはんの後片づけをして100円もらって、それを返す」というやり方も考えられる。
また、自分も相手も少しずつあきらめて、両者が得するように「交渉」することもできる。交渉において大事なのは「公平」であることだ。どちらかに得がかたよってはいけない。そのため、この場合はリンゴとミカンを半分にして、公平に分配することが正解だ。
お金に関するトレードオフの問題は「増やすこと」で解決できるが、時間はそうはいかない。時間はお金よりも貴重な資源なのである。では「時間が足りない」という問題を、どう解決すればいいだろうか?
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