感情を出したほうが好かれる

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感情を出したほうが好かれる
出版社
出版日
2011年02月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

これまで、「よかれ」と思って周囲に気を使って尽くし、我慢してきた人にとって、本書の内容は衝撃的かもしれない。

本書の著者は、人生相談のレジェンドとも呼ばれる、心理学者の加藤諦三氏である。数多くの著書を持ち、ベストセラーやロングセラーも多い。本書『感情を出したほうが好かれる』も2011年に発行されて以来、10年以上のロングセラーとなった一冊だ。

本書で加藤氏は、我慢して相手に尽くすことは逃げであり、決していい結果にはならないと指摘する。特に、日本では我慢は美徳ともいわれ、自分の心身を消耗してでも、周囲に尽くそうとする人が多い。しかし、そうやって「苦労をすればいいことがある」というのは思い込みだ。そうやって自己犠牲を払いながら築いた人間関係のなかでは、いつまでも犠牲を求められるようになる。そうして自分を犠牲にすることを続けていては、幸せになれるはずがない。これまで周囲に気を使い、他の人のためにと頑張ってきた人は、本書の主張を受け入れがたく感じるかもしれない。だが、もしあなたが「自分ばかり」と思ったことがあったら、そうして自分を犠牲にすることの背後に、人から好かれたいという気持ちが隠れていないかを考えてみてもらいたい。もし思い当たる節があったら、本書はあなたの味方である。真面目に暮らしているのに、なぜかうまくいかない、努力してもむくわれないと思っている人に、ぜひ手に取っていただきたい一冊だ。

ライター画像
中山寒稀

著者

加藤諦三(かとう たいぞう)
心理学者。1938年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。
早稲田大学名誉教授。1973年以来2021年までハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員。ラジオの「テレフォン人生相談」パーソナリティーを半世紀担当。
主な著書に、『「心の重荷」の降ろしかた』『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』『自分を嫌うな』『無理しないほうが愛される』(三笠書房)、『自信』『無理しない練習』『「自分の心」をしっかり守る方法』(三笠書房《知的生きかた文庫》)など。ベストセラー、ロングセラーは多数。海外へ翻訳されている著作は約80冊に及ぶ。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分を出していない人は、「自分を出したら嫌われる」と思いこんでいる。しかし、ありのままの自分を出しているほうがむしろ好かれる。
  • 要点
    2
    大人が見捨てられる不安を持つのは、相手に原因があるわけではない。その人が自信をなくして、自分を出せないことが原因だ。相手に迎合するのではなく、自分の判断で行動し、その結果に責任を負わなければならない。
  • 要点
    3
    自己犠牲をやめないのは、その人にとって犠牲的役割に意味があるからだ。犠牲的役割を演じることはやめたほうが、周囲に心の温かい人が集まってくる。

要約

なぜ自分らしく生きられないのか

無理をしないと、他人から受け入れられないのか?

人から気に入られるために相手を喜ばせようとする人は、自分の感情を偽っている。

つまらないのに「おもしろい」と言い、理不尽な頼まれごとに心の中では怒りながらも「わかりました」と明るく返す。

好かれたい、愛されたい、嫌われたくないと思うがゆえに無理をする。無理をしているから、期待通りに好かれてもスッキリしない。

自分の気持ちに無理を続けていると、相手に憎しみを抱くようになる。その感情を意識していても、無意識に追いやっていても、その人といると不快感が出てくるようになる。

相手に好かれよう、気に入られようと自分を犠牲にしても、相手から都合のいい存在としてしか見られない。気に入られようとする姿勢はずるさにつながるから、尊敬を得られないのだ。

「ありのままの自分」のほうが好かれる
Bevan Goldswain/gettyimages

自分を出すということは、リラックスし、無理をしないということだ。自分を出すというと、個性を出すとか、わがままを通すことを想像する人がいるが、そうではない。自分を出すとは、相手に好かれるために特別なことをせず、安心して行動できる状態のことだ。

自分の格好を意識しないで、椅子に腰掛けて話しているときは、相手と心がふれあっている。それが大切なのだ。それが「こころ」なのである。

自分を出していない人は、「自分を出したら嫌われる」と思っている。それはまったく逆だ。自分を隠しているときには不安で緊張しているから、そのストレスが周りを拒否している雰囲気をつくる。

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要約公開日 2024.11.22
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