「努力を続けるには強い意志が必要だ」とよくいわれるが、それは本当なのだろうか?
オーストラリアで行われたある研究では、18歳の対象者に様々な項目を提示し、それがその人にとって「健康的な行動をすることの妨げになっている」程度を尋ねた(1)。項目の一例としては「健康的な食事をするために必要な食材が家にないこと」や「自分がどのくらい運動すべきなのかがわからないこと」、「健康的な食事をするように自身に言い聞かせるのが難しいこと」、「運動を続けようという意識を持つのが難しいこと」などが挙げられる。後者2つは「意志の弱さ」と言い換えられるだろう。
この調査によると、「運動を続けるように自分に言い聞かせるのが難しい」という項目に「YES」と回答した人は、日ごろから運動習慣のある男性では約20%、ない男性では約50%となっていた。同様に、運動習慣のある女性の約30%、ない女性の約60%が、「運動を続けるように自分に言い聞かせることの難しさ」が障害になっていると回答している。また、「体を動かす習慣がなかなか続かない」に「YES」と回答した人の割合も、日ごろから運動習慣のある人とない人の間で大きな差があった。
この研究によって、健康的な行動を取れていない人は、自分の意志力に問題を感じていることがわかる。また、努力を続けられない人ほど「努力には意志の力が必要だ」と考えているともいえる。
では、どんな仕組みがあれば、意志に頼らずに努力を続けられるだろうか? 次からは「努力が勝手に続く」4つの仕組みを紹介する。
1つ目の仕組みは、フィードバックを得ることだ。
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