「感動体験」で外食を変えるの表紙

「感動体験」で外食を変える

丸亀製麺を成功させたトリドールの挑戦


本書の要点

  • 1985年、著者は兵庫県加古川市に小さな焼き鳥屋を出店した。「いずれは3軒持ちたい」という思いから、店名を「トリドール3番館」にした。

  • 香川県の小さな製麺所でうどんを食べたことが、「丸亀製麺」誕生のきっかけとなった。

  • 人を惹きつけるのは、食の「感動体験」だ。

  • 店のチェーン化には「標準化」の罠がある。しかし、一番の強みを手放さなければ人気を損なうことはない。

  • コストカットや効率化より「繁盛店をつくること」が大切だ。それが結果的に持続的な出店につながる。

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夢を現実にしてきた道のり

初号店なのに「トリドール3番館」

「どうしたらお客様が来てくれんねん……」。トリドールグループとして1900店以上を展開する今も、著者は創業したてのころの夢をみる。1985年8月24日、著者は兵庫県加古川市にカウンター10席だけの小さな炭火焼き鳥居酒屋を出店した。店名は「トリドール3番館」。まだ1軒目なのに、「いずれは3軒持ちたい」という思いから命名した。開店したはいいが、お客様が来ない。開店後しばらくは1日に数名来ればいい方で、まったく来ない日も珍しくなかった。どうしたらお客様が来てくれるか。ただそれだけを考えて、やきもきする日が続いた。そんなある日、閉店後にお客様が深夜営業のラーメン屋に連れて行ってくれた。そのラーメン屋はとても繁盛していた。周辺には深夜営業の店がなかったため、ラーメン屋に人が集中していたのだ。著者はこれを商機とし、翌日から営業時間を午前2時まで延ばした。すると口コミが広がっていき、店は繁盛するようになった。そして3年後、ついに2号店を出した。そして創業から7年目、目標だった3軒目を出店。「トリドール3番館」がついに実現したのだ。

わけもわからず上場を目指す

焼き鳥とりどーる

それから郊外にファミレス風の焼き鳥店を出したところ、ファミリー層に人気となった。するとコピー店も出てきて「もっと出店してシェアを取らないと」と焦りが募ったが、何店舗も出せるほどの資金はなかった。当時はITバブルで、IT社長たちが次々と上場していた。著者はそのニュースを見て「上場すればこんなに大金が入るのか」と驚き、資金調達のために上場を目指すことにした。

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要約公開日 2024.12.04
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