戦略思考の広報マネジメント

業績向上につながる“8つの広報力”の磨き方
未読
日本語
戦略思考の広報マネジメント
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業績向上につながる“8つの広報力”の磨き方
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戦略思考の広報マネジメント
出版社
定価
1,980円(税込)
出版日
2015年04月06日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

ソーシャルメディアの登場による情報流通構造の大幅な変化に、あなたの会社の広報部門はついていけているだろうか。

日本企業における広報部は、企業の宣伝機能の一部として限定的に捉えられているのではないか。取り組むべき課題は多いのではないか。そうした問題意識に基づき、本書の編者である企業広報戦略研究所は、国内初の広報力調査を行った。結果、日本企業の広報における弱みのいくつかが、明確に見てとれたという。その実態を受け、本書では、スターバックス コーヒー ジャパンや三井化学などの広報先進企業の取り組みを紹介しつつ、より良い広報活動へのヒントを導き出す。また、テレビ東京WBSプロデューサーの名倉氏をはじめとする、マスメディア、デジタルメディア、ステークホルダーの立場を代表する諸氏も登場し、企業情報を発信する側の視点について語っている。こうした見方を知っておくことは、広報活動の実際的な助けとなるだろう。

本書を読むと、戦略と連動していない広報がいかに危険であり大きな損失につながるものか、逆に戦略と連動した広報はいかに連鎖的に良い効果を生むのかが身にしみて理解できる。「広報は経営である」とまで本書に書かれているが、それは必ずしも誇張ではない。ギクリとした広報担当者、経営者の皆さまは、ぜひ本書に目を通していただきたい。企業の未来の繁栄につながる広報のあり方を、本書から学びとれるはずだ。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

企業広報戦略研究所
(Corporate communication Strategic studies Institute: 略称C.S.I)
株式会社電通パブリックリレーションズ内に設立された研究組織。企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略や体制などについて調査・分析・研究を行なっている。

清水正道
日本広報学会理事長。日本能率協会広報部長・主任研究員を経て淑徳大学教授に就任。2013年現職兼任。

本書の要点

  • 要点
    1
    広報は、企業と社会の良好なつながりをつくることで、より良い経営環境を構築することを目指すものである。
  • 要点
    2
    企業広報戦略研究所の広報力調査によると、日本企業は総じて「情報発信力」は高い傾向にあるが、特に広報戦略を構築する「戦略構築力」、相手に合わせてメッセージを伝える「情報創造力」、ステークホルダーと信頼関係を深める「関係構築力」、リスクを予測・予防し緊急時に対応する「危機管理力」の4つが弱い。
  • 要点
    3
    自社の広報活動の弱みを知り、人材や予算に応じて、どの広報力を強化するか優先順位をつけて取り組むことが重要である。

要約

なぜ広報に戦略が必要なのか

広報はすべての企業活動の土台
Rawpixel Ltd/iStock/Thinkstock

「広報」は「パブリックリレーションズ」の日本語訳で、企業が社会と良好なつながりをつくることだ。この場合の「社会」はステークホルダーで構成されている。ステークホルダーとは、一般に、株主、従業員、取引先、顧客、地域社会のことである。利害の異なる彼らと関係を構築することで、新規事業の立ち上げは容易になり、予想していなかったトラブルを迅速に収束させることが可能になる。このように、広報とは企業活動の土台の役割を果たすのである。

つまり、広報が目指すべきゴールは「より良い経営環境を構築すること」である。そして、そのためには経営戦略を補助する、明確で中長期的な広報戦略が必要となる。自社の記事に一喜一憂するような、その場その場の広報活動では、意味がない。

理想的な広報活動では、誰が大切なステークホルダーなのかを見定め、自社の経営戦略から導き出される事業戦略や市場戦略をその人たちに正しく理解してもらい、賛同してもらうというコミュニケーションを行なうことになる。また一方で、社会の変化を察知し、自社がどのように見られているかを分析し、経営にフィードバックするという活動も広報の役割である。

さらに、広報戦略を持った上で、自社の広報力を分析し、強化すべき点について地道に取り組むことが、役割を果たすことにもつながっていく。

戦略的広報活動に必要な力

8つの広報力
Apatsara/iStock/Thinkstock

企業広報戦略研究所では、2014年、日本国内の上場企業を対象とし、アンケート項目に回答してもらうことで企業の広報力調査を実施した。調査対象企業を16の業種に分けた上で、広報活動に必要な8つの視点から各社の広報力を評価した。

8つの広報力を簡単に紹介しよう。

(1)情報収集力:自社の評判などの広報環境を把握する

(2)情報分析力:課題を洞察して組織内で共有する

(3)戦略構築力:戦略を構築して組織的に実行する

(4)情報創造力:メディア特性に合わせて相手に伝わるメッセージを開発する

(5)情報発信力:さまざまな情報発信手法をタイムリーに駆使する

(6)関係構築力:ステークホルダーとの信頼関係を恒常的に深める

(7)危機管理力:リスクの予測・予防や緊急事態に対応する

(8)広報組織力:経営活動と広報活動を一体化する

広報活動のフェーズという観点からは、(1)~(4)が外部に働きかける前の準備フェーズ、(5)(6)が伝えたい相手にメッセージを伝えるアウトリーチフェーズ、(7)(8)がそれを下支えする構造といった位置づけである。

日本企業は、全体として、「情報発信力」が高い傾向にある。しかし、ほかの広報力は「情報発信力」とは大きな開きがあるようだ。

業種別にみると、全体的に高い広報力を持つ「電力・ガス」「金融・証券・保険」「食料品」業界では、「情報発信力」以外の「情報収集力」や「危機管理力」のスコアも高い。近年、この業種は災害や事故、トラブルへの社会的な対応が求められてきたことが、結果として広報力向上につながったのではないかと考えられる。

日本企業が特に弱い4つの広報力
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

「情報発信力」以外の広報力で、日本企業が特に弱いのが「戦略構築力」、「情報創造力」、「関係構築力」、「危機管理力」の4つだ。

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