「社長」を狙うか、「社畜」で終わるか。
思い通りの働き方を実現する経営者思考

未 読
「社長」を狙うか、「社畜」で終わるか。
ジャンル
著者
吉越浩一郎
出版社
日本実業出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2013年11月14日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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思い通りの働き方を実現する経営者思考
著者
吉越浩一郎
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出版社
日本実業出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2013年11月14日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
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おすすめポイント

タイトルを見た瞬間、「なんと挑発的なタイトルだ!」と書店で驚いたものだが、いざ本書を読んでみると著者である吉越氏の主張は極めてシンプルでメッセージ性の強い、納得のいくものであった。その主張とは、「ビジネスパーソンは例外なく、社長を目指せ」という、その一点に尽きる。「社長なんて夢物語だ」と思うくらい超大企業で勤めている人も、「自分は社長の器じゃない」と思っている人も、みな社長を目指せというのが吉越氏の主張である。だがその一方で、本当に全員が社長になるべきだと説いているわけではない。大切なのは、社長を目指して仕事に取り組むことで、自然とビジネスパーソンとして求められる能力が養われる、という点である。

私は、ガンホー・オンライン・エンタテイメント会長である孫泰蔵氏の講演会において以下のような話を聞いたことがある。

「壁際で子どもに何度かジャンプさせて、一番高い到達点に線を引く。次にその線より高いところに目標ラインを引き、その線を目指せと言えば、ほとんどの子どもはその線を超えることができる。人間は目標を高く設定すればそれを達成するために、あらゆる思考をめぐらせるようプログラムされている。だから常に高い目標を持て。必ず達成できる。」

本書において吉越氏が語っている「社長を目指せ」という言葉は、孫氏が語る「高い目標を持て」と本質的に同義のように私は感じる。高い目標を設定すれば、それを突破するべく自ずと能力は高まるし、なによりも生きていて楽しい。本書のメッセージの本質もここにあるように思える。

著者

吉越 浩一郎
1947年千葉県生まれ。ドイツハイデルベルク大学留学後、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。極東ドイツ農作物振興会、メリタ・ジャパン、メリタカフェを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。1987年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長、1992年に同社の代表取締役社長に就任。在任中に19期連続増収増益を達成。2004年に「平成の名経営者100人」(日本経済新聞社)の1人に選出される。著書に『仕事ができる社員、できない社員』(三笠書房)、『「残業ゼロ」の仕事力』(日本能率協会)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    出世を求めることは動物としての本能である。著者はオンリーワンを目指すのではなく、ナンバーワンを追い求め成長することを若者に期待している。
  • 要点
    2
    社長になるなんて夢物語だと思っている人や社長というポジションに魅力を感じない人でも、会社で働いているビジネスパーソンである限り、目標は社長に置いて働いたほうが絶対にいい。社長を目指すことで働き方が変わり、「リーダーシップ」「マネジメント力」「問題解決力」などの9つの能力を飛躍的に高めることが可能だからである。

要約

サラリーマンは「社長」を目指すとうまくいく

「本能」が弱っていないか?
Digital Vision./Photodisc/Thinkstock

「2012年度 新入社員意識調査アンケート」によれば、「出世しなくても好きな仕事を楽しみたい」人の割合が63%となっている。つまり、最近の若者の5人に3人は、将来は社長になってやるという野心や夢を持たぬまま、社会人の第一歩を踏み出しているのだ。

吉越氏はこのレポートについて、開いた口が塞がらないと自身の驚きを表現するとともに、動物としてごく自然な本能が日本の若者から失われていることを憂いている。吉越氏によれば、出世が頭にあれば仕事に取り組むモチベーションも高まり、その結果として出世欲の強い社員が多い会社ほど生産性は高まり、成長のスピードも速まる、という。

本書は「草食系」などというヌルい若者の増殖に歯止めをかける方法が提示されている一冊だ。その方法とは、社長を目指すことである。

とにかく、社長を目指せ
Comstock/Stockbyte/Thinkstock

この本の序章は刺激的な表現が多く、読んでいて実におもしろい。これでもか、というほどに説教されているのが、逆に心地よいくらいだ。ここまで歯に衣着せぬ発言をする人は多くないだろう。例えば、

・会社の中では上に行けばいくほど仕事の自由度や裁量が広がり、労働の醍醐味が増す。自分は出世しなくていいのだと、組織の端のほうで上から与えられた仕事をただこなすだけの毎日に甘んじ、そこから抜け出そうともしない人は、本当に気の毒だ。私の身近にそういう人がいたら、「おい!目を覚ませ!」と横っ面の1つ2つ張って気合を入れてやりたいと思うくらいだ。

・社会とは理不尽なところなのだ。そんな社会で競争に参加しようというなら、どうやったら勝てるか考え、自分で努力するよりほかない。そういうこともせず、会社や社会になんとかしてもらおうというのは、いささか虫がよすぎるというものだ。

・最初から競争に参加しないという手もなくはない。いわゆる「置かれた場所で咲く」という考え方だ。そういう生き方を否定するつもりはまったくない。その代わり、その場所にある条件をすべて受け入れ、そのためにどんな惨めな結果であっても、それを受け入れる覚悟だけはしておかなければいけない。だが、果たして人はそんな「置かれた場所で咲く」ような向上心のない生き方に耐えられるものなのだろうか。ナンバーワンではなくオンリーワンといういい方も耳にするが、私に言わせれば、そんなものは負け犬の遠吠えにしか聞こえない。

といったような文言が並んでいる。著者はあえてこうした厳しい表現を用いることで、若者を奮い立たせようとしているのだろう。

「いつでも社長になれる働き方」がベスト

吉越氏によれば、「社長になるなんて夢物語だ」、「自分はマネージャータイプで、社長の器ではない」、「そもそも社長というポジションに魅力を感じない」、という人においても、会社で働いているビジネスパーソンである限り、目標は社長に置いて働いたほうが絶対にいい、という。

なぜそうするべきか。

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