世界を動かすエリートはなぜ、この「フレームワーク」を使うのか?

未 読
世界を動かすエリートはなぜ、この「フレームワーク」を使うのか?
ジャンル
著者
原田武夫
出版社
かんき出版 出版社ページへ
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2015年05月18日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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著者
原田武夫
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定価
1,500円 (税抜)
出版日
2015年05月18日
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4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
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レビュー

テロやデフォルトの多発、感染症の大流行など激動の現代においてもなお、日本の企業現場では管理型人財が幅を利かし、創発型人財は隅に追いやられている。現状を打破するイノベーションを起こすには「気づき」が必要である。しかし、この「気づき」はどうすれば生まれるのか。

その1つの解が、本書で紹介される「類推法」という発想のフレームワークである。歴史をさかのぼると、類推法は、演繹法・帰納法と並んで西洋においては伝統的な「論理法」であり、アリストテレスの「アパゴーゲー」、パースの「アブダクション」に連なる第三の論理思考と呼ぶべき代物である。日本人にはあまりなじみのない「類推法」こそ、実際には世界を動かすエリートたちがあらゆる場面で活用しているのである。

本書では、「類推法」の研究に注力し、その成果をもとに人財研修を行う著者ならではの視点で、「類推法の歴史」「デザイン思考との違い」「高度成長期に発達していた日本発の思考法」「類推法でイノベーションを起こす8つのプロセス」「類推法を身につけるための方法」などが、図解を交えながら紹介されている。

気づきは決して電光石火のように生じない。未来に向けた問題意識を持ち、情報収集する中で「シンクロニシティ(何かこれは意味があると感じさせる出会い)」を味方につけ、イノベーションの種となる気づきが降ってくるのだという。画期的な発想を生み出すための体系的な方法を身につけ、ビジネスシーンで活かしたいと考える人にぜひ読んでいただきたい。

松尾美里

著者

原田 武夫
1971年香川県生まれ。株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役(CEO)。(現・公益財団法人)末延財団奨学生として東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務省に外務公務員1種職員として入省。12年間奉職し、アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に自主退職し現在に至る。「すべての日本人に情報リテラシーを!」という想いの下、情報リテラシー教育を多方面に展開。マーケットとそれを取り巻く国内外情勢の調査・分析や、次世代人材育成等を行う。B20メンバー(2015年~)。
主な著書に『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』(かんき出版)、『騙すアメリカ 騙される日本』、『北朝鮮vs.アメリカ』(以上、ちくま新書)、『計画破産国家 アメリカの罠』(講談社)、『狙われた日華の金塊――ドル崩壊という罠』、『世通貨戦争後の支配者たち』(以上、小学館)、『脱アメリカ時代のプリンシプル』(ユナイテッド・ブックス)など。2011年10月に『アメリカ秘密公電漏洩事件――ウィキリークスという対日最終戦争』を上梓。その他、日独で著書・翻訳書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    類推法とは、既存のフレームワークにとらわれず、観察不可能な未来のイメージに思考を跳躍させる発想法のことである。イノベーションにつながる「気づき」は、不確実なものに向き合い、周到な準備をして、類推法を働かせることによってのみ得られる。
  • 要点
    2
    類推法を用いて、周囲の人を巻き込むイノベーションを現実化させるには、振り返り→因果関係→シンクロニシティ→気づき→バックキャスティング→目標設定→リーダーシップ→イノベーションという8つのプロセスを経る必要がある。

要約

「気づき」をもたらす思考のフレームワークとは

日本企業に不可欠なイノベーション

テロやデフォルトの多発、感染症の大流行など、多くのリスクに取り囲まれたヴォラティリティ(変動性)が高い時代を生き抜くためには、イノベーションが何よりも重要である。イノベーションとは、技術であれ仕事のやり方であれ、まったく新しい付加価値をもたらすフレームワーク(枠組み)を生み出すことを意味する。しかし、日本の研究開発の現場では、日本以外でつくられたフレームワークに従い、その細部を詰めるための技術開発に日本の技術者や科学者が携わっているにすぎない。

この状態を打破し、真のイノベーションを前進させるには、類推法という発想法をマスターすることが先決である。

類推法誕生の歴史
©iStock.com/Massonstock

イノベーションの実現の前提となるのは「気づき」である。どうすれば気づきを得られるのかという課題を考えたのは、古代ギリシアで活躍した哲学者アリストテレスだ。彼は、論理学において演繹法と帰納法を打ち出すという功績を残した。演繹法とは、前提となる正しい一般論を、個別の事象に適用して、正しい主張・答えを引き出す方法である。一方、帰納法とは、多くの個別の事象や主張を集めて、より一般的に通用する共通のメッセージを導き出す方法だ。

しかし、いずれの方法も、提示されたフレームワーク内で主張の正しさを詰めていくことしかできず、それを越えた世界について「気づき」を得ることはできないのだ。

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