明日のプランニング

伝わらない時代の「伝わる」方法
未読
日本語
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伝わらない時代の「伝わる」方法
未読
日本語
明日のプランニング
出版社
講談社
定価
924円(税込)
出版日
2015年05月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「最近なんだか伝わっている手応えも実感もない」。「苦労してバズらせても、すぐ忘れ去られてしまう」。広告や宣伝、販促などの「伝える仕事」に携わる人たちの悩みは尽きない。

2010年の1年間に、世界には約1ゼタバイトの情報が流れたという。1ゼタバイトは「世界中の砂浜の砂の数」だ。つまり、世界中の砂浜の砂の数と同じ量の情報が流れたのである。著者はこんな現代を「情報『砂の一粒』時代(砂一時代)」と命名した。しかし、こうした悲観すべき状況においても「伝えたい砂粒を相手に届ける方法がある」と著者は光を投げかける。それは、「伝えたい相手の笑顔を具体的にイメージする」ことだという。その具体的方法を解説した本書は、伝える相手が一人一人感情を持った生活者であるという原点に、読者を立ち戻らせてくれる。

一方、著者はネットで宣伝すれば大多数に伝わるという「ネット万能論」を疑問視している。現に、ネットを毎日は利用しない層が日本に約5670万人もいる。よって、ネットを日常的に使う層(砂一時代の生活者)と、そうでない層を切り分けたプランニングがますます重要になってくる。そして、大量の情報を受け取ることにうんざりしている前者に対しては、「友人知人」という信頼のおける最強メディアを活用し、興味・共感を喚起することが必要だ。

砂一時代の生活者に対する効果的なアプローチ方法は何なのか。その答えが本書にある。「伝える」仕事に携わる方にとって、本書はとっておきの処方箋になってくれるのではないだろうか。

ライター画像
松尾美里

著者

佐藤 尚之(サトウ・ナオユキ)
1961年東京都生まれ。株式会社電通にてCMプランナーやウェブプランナー、コミュニケーション・デザイナーなどを経て、2011年に独立。現在はコミュニケーション・ディレクター(株式会社ツナグ代表)。1995年より個人サイト「www.さとなお.com」(http://www.satonao.com/)を運営。『明日の広告』『明日のコミュニケーション』(ともにアスキー新書)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    伝える仕事のゴールは、「伝えたい相手を笑顔にすること」である。生活者にとって、情報がたった「砂の一粒」でしかない現在、情報を届けることは奇跡に近く、届いてもすぐに忘れ去られてしまう。
  • 要点
    2
    大量の情報に触れている生活者に情報を届けるには、最強のメディアである「友人知人を介す」ことが重要だ。友人知人からの本音の言葉は、相手の心を動かし、態度変容まで引き起こすことができる。そのためには、ファンを大事にし、ファンから情報を広げてもらうことが必要である。

要約

情報「砂の一粒」時代がやってきた

あなたは情報洪水を舐めている

「伝える仕事」に携わる人にとって、絶望的な時代が到来した。雑誌「WIRED」によると、2010年の1年間で、世界中の砂浜の砂の数と同じ1ゼタバイトの情報が流れたという。つまり、送り手が伝えたい情報は、生活者にとってたった「砂の一粒」の重みでしかないのだ。これを「情報『砂の一粒』時代(砂一時代)」と著者は名づけた。

これまで広告は、少しでも目立ってターゲットに見てもらおうという一心でつくられてきた。しかし、このような状況下で広告を見てもらうのはもはや奇跡的なのである。

たとえ生活者に見てもらえても、一時的にSNSでバズったとしても、すぐに記憶の彼方に消えてしまう。今の生活者は、次々と流れてくる新しい情報を処理するため、過去の情報をすぐに削除するか、上書きしてしまうからだ。例えば、ソチ・オリンピックの浅田真央選手のスケーティングに感動した人は多いはずだが、日本中を熱狂させた「強烈なコンテンツ」でさえ、忘れられているはずだ。これが今後のプランニングのスタート地点なのである。

2010年、SNSの普及により、友人知人の近況や意見、興味という「仲間ごと」が急増し、人々の耳目を占拠し始めた。さらには、商品やサービスが溢れかえっている超成熟市場や、メディアやツールの激増、そして生活者の日常に世界中から届く面白いコンテンツがライバルとなる「エンタメ過剰」が、情報が生活者に伝わらない状況に拍車をかけている。

砂一時代以前の生活者を忘れるな!

広告や宣伝、販促などの「伝える仕事」のゴールは、情報を必要とする生活者に伝えて、相手を喜ばすこと、笑顔にすることである。そのスタート地点は、「伝えたい相手を知ること」だ。

注意すべき点は、ネットを日常的に使っていない層が意外とたくさんいるということである。2014年の時点で、ネットを毎日は利用していない人が約5670万人、検索を日常的に利用していない人が約6000~7000万人、そしてソーシャルメディアを利用していない人が約7000万人いると推定される。つまり、国民の約半分がネット上の爆発的な情報量の増加を経験していない、「砂一時代以前の生活者」なのである。よって、いくらネット施策を行っても、彼らに伝わっている手応えがないのは当然だ。一方、彼らはマスメディアにはよく触れている。

プランニングにおいては、情報が多すぎて「伝える」ことが絶望的な「砂一時代の生活者」と、テレビCMなどの情報をまだ受け取ってくれる「砂一時代以前の生活者」を切り分けて、それぞれに最適な方法を提案することが重要である。

【必読ポイント!】 砂一時代の生活者に伝えるために

友人知人という最強メディア
ChristianChan/iStock/Thinkstock

では、砂一時代の生活者に情報を届け、彼らを笑顔にするにはどうしたらいいのか。その唯一の解は、最強のメディアである「友人知人を介す」ことだ。その理由は次のようなものである。

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