無印良品が、世界でも勝てる理由
世界に“グローバル・マーケット"は、ない

未 読
無印良品が、世界でも勝てる理由
ジャンル
著者
松井忠三
出版社
KADOKAWA
定価
1,400円 (税抜)
出版日
2015年11月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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無印良品が、世界でも勝てる理由
無印良品が、世界でも勝てる理由
世界に“グローバル・マーケット"は、ない
著者
松井忠三
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ジャンル
出版社
KADOKAWA
定価
1,400円 (税抜)
出版日
2015年11月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

“グローバル”という言葉を聞いて、自社には関係が薄いと感じる人は少ないだろう。国内では多くの業界で市場が縮小傾向にあるため、世界で成功しない企業は拡大がますます難しくなっている。そのような中で本書では、無印良品が海外展開をとおして学んだ重要なポイントが、企業コンセプト、商品開発や人材育成などの切り口からまとめられている。

現在25の国と地域に進出し、301店舗を出店している無印良品も、最初から海外進出が好調だったわけではない。それぞれの国ならではの失敗があり、すぐ黒字になる店舗もあれば赤字が続き閉めざるを得ない店舗もあった。そもそも、海外事業は11年間赤字続きだったのだ。それでも、同じ失敗を繰り返さないように“勝ちパターン”を見つけ、海外展開を急がずに1店舗ずつ確実に黒字にして、投資した分のお金を回収したところで次の店を展開し、拡大していった。

多くの企業がテレビのCMで商品を大々的に宣伝する一方、我々が無印良品の広告を目にする事は少ない。それにも関わらず、“無印良品”というブランドは多くの人に知られている。その背景には、店舗や商品を通じて企業コンセプトである『「これがいい」ではなく「これでいい」』という概念を伝える、たゆまぬ企業努力が存在する。日本や国外など地域を問わずに、“諦めないこと”、“徹底すること”、そのような姿勢が成功につながっている。本書を通して、王道を貫くその姿勢が伝わり、更にMUJIファンが増えることだろう。

著者

松井 忠三
1949年、静岡県生まれ。株式会社良品計画前会長。株式会社松井オフィス社長。73年、東京教育大学(現:筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現:西友)入社。92年良品計画へ。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、2001年社長に就任。赤字状態の組織を「風土」から改革し、業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。07年には過去最高売上高(当時)となる1620億円を達成した。08年より会長、15年に退任。著書に『無印良品は、仕組みが9割』『無印良品の、人の育て方』『図解 無印良品は、仕組みが9割』(以上、KADOKAWA)の他、『覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる』(サンマーク出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    企業の海外進出はリスクも高いうえ、失敗も続くが、失敗をそのままにせず「勝ちパターン」を積み上げていくべきである。展開先の国の理解を深め、諦めずに続けることが重要である。
  • 要点
    2
    企業の“オリジナリティ”を持たなければ、他社との差別化を図れない。企業のコンセプトを明確化し、社員へ徹底すること、お客さまにも理解してもらうことで“ファン”を増やすことができる。
  • 要点
    3
    日本で仕事ができる人は、海外でも仕事ができる。海外赴任において最も大切なのは、語学力ではなく実行力や徹底力、現場・現実への対応力という基本的なビジネスパーソンの素養である。

要約

成功するまで、やり抜く――「早く」進出する、そして「確実に」進出する

一号店が赤字になったら

何事も最初が肝心である。初対面の第一印象でイメージが作られるのと同様に、海外進出もその国の第1号店は重要だ。ニューヨークの第1号店も初日こそ行列ができるほどの反響で好スタートを切ったが、2008年9月にリーマンショックが起きた直後は売り上げが3割も落ち、赤字に転落した。普通は傷が浅いうちに撤退するか新店舗で赤字を補おうとするが、黒字に転換するまで乗り切ろうと考えた。

売り場をきちんとし、店内のディスプレイやウェブでコンセプトを知ってもらう工夫をすると同時に、経費を見直しムダを省き、2011年に黒字に転換した。ビジネスではじっと我慢しなければならない時期は必ずでてくるため、3年以内に赤字を解消できたらその地域から撤退しなくてもいいだろう。

「アーリーエントリー」という大原則
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

海外事業は、他の企業が手を付けていない時期に真っ先に進出する「アーリーエントリー」が原則である。その国が急激に経済成長をしている段階で進出するほうが、成長率は高くなる。進出する段階ではMUJIの商品が割高でも、国民の生活水準が上がれば顧客層に厚みが増していく。そのため、早い段階で出店し、地域に浸透させておかなくてはならない。

地域に早く浸透することにより、ライバル企業が出てくる前に自社のポジションをしっかり固められるうえに、日本流のサービスや製品の質の高さをいち早く体験してもらうことで、驚きを与えることも可能だ。

【必読ポイント!】「日本の良さ」をも武器にできるか――「コンセプト」はやっぱり大事

世界が求めている「日本のサービス」とは

日本に来た外国人は皆、日本のサービスの質に驚く。日本人には当然のことが、外国人にとっては初めての経験になる。そのような「日本の良さ」を輸出することも、ビジネスチャンスの一つになる。

勤勉で真面目で正直なのは日本人の長所である。協調性が高く、チームワークが良い。外国人と同じように強く自己主張をする必要は無く、分からないことや納得できないことを曖昧にせず、分かるまで説明を求めて納得するまで話し合う。このような協調性や誠実さといった日本人の良さで勝負すればいい。

「これ『で』いい」――こんなコンセプトを大事に

会社のコンセプトとは、直訳すると全体を貫く基本的な「概念」であり、その組織の核となる考え方である。無印良品には7500以上の商品があるが、どの商品も「シンプル」であり「無印らしさ」がある。「無印らしさ」とは言葉で説明するのは難しいが、一人ひとりの社員がなんとなく感じているものが、ゆるやかにつながっている。

この「らしさ」の根底にあるのが、コンセプトだ。

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