スタンフォードの未来を創造する授業

未 読
スタンフォードの未来を創造する授業
ジャンル
著者
清川忠康
出版社
総合法令出版
定価
1,430円(税込)
出版日
2013年01月23日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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スタンフォードの未来を創造する授業
スタンフォードの未来を創造する授業
著者
清川忠康
未 読
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出版社
総合法令出版
定価
1,430円(税込)
出版日
2013年01月23日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
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レビュー

スタンフォードのMBA留学とはどのようなものなのであろうか。近年、「スタンフォード」と名の付く書籍が相次いで刊行されているが、そもそも少数しかいない日本人のスタンフォード・ビジネススクール卒業生が、その全貌を語る書籍を読む機会は貴重なものと言えよう。

スタンフォードと言えば、映画「ソーシャル・ネットワーク」で見た西海岸のイメージが私の頭の中に蘇る。非常にすがすがしい気候の中、自由に働いているあの姿だ。本書を読んでも、やはりスタンフォードの文化は自由であり、そして学生たちはみな「世界を変える」ことに一生懸命であるようだ。そこに集まる学生は自分自身のアジェンダ(人生を賭けて取り組みたいこと)を持っていて、ビジネススクールの2年間は常に刺激的なものだという。

本書は全5章構成で、2~4章にスタンフォードの文化、カリキュラムの中身が紹介されており、非常に読み応えのある内容となっている。卒業生でかつ現在起業家である著者がスタンフォードのカリキュラムを語るというのは観点として面白く、起業家の目線からスタンフォードで何が学べるのかが詳細に語られている。

「世界を変える」というアジェンダを持った学生が世界から集まるというスタンフォード大学は、起業を志す人にとって憧れの地であるに違いない。将来起業したいと考えている人やスタンフォード大学への留学を志している人にとって、本書はスタンフォードの校風に触れる良書であるといえる。

著者

清川 忠康
オーマイグラス株式会社 代表取締役CEO
1982年大阪生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。大学在学中に米国に語学留学。
慶応義塾大学卒業後、インディアナ大学大学院に留学し、会計学とファイナンスを学ぶ。
帰国後、UBS証券投資銀行本部を経て、(株)経営共創基盤に参画。
同社では、流通・小売、広告・メディア、ヘルスケア等の幅広い業種に対して事業再生や成長支援等をはじめとする様々なテーマのプロジェクトに従事。
2009年、三度目の米国留学としてスタンフォード大学ビジネススクールに入学。
在学中は、米中のスタートアップ企業の経営にも関わる。2年次在学中に現在の会社を創業し、代表取締役に就任。
2011年6月にスタンフォード大学を卒業してMBA(経営学修士号)を取得した後、帰国。
現在、メガネに特化したECサイト「Oh My Glasses」を運営し、世界有数のメガネ生産地である福井県鯖江市の中小企業と提携。
従来通販は難しいとされてきたメガネのECを成功させて各種メディアから注目されている。

本書の要点

  • 要点
    1
    スタンフォードに入学すると、学校の理念でもある「世界を変えよう」という言葉から一生逃げられない。金融機関やコンサルティング会社といったキャリアは全くプレミアムにはならず起業することが最大の価値であるとされる。
  • 要点
    2
    スタンフォードに集まってくる学生たちは、みんながそれぞれ「アジェンダ」(自分の人生を賭けて成し遂げたい課題)を持っており、「世界を変える」という価値観を叩き込まれる。
  • 要点
    3
    デザインスクールの「ローンチパッド」という講義は、実際に事業を起こすことが目的となっている。「完璧である必要はなく、早くリリースし早く失敗する」といった、イノベーションを起こすプロセスを学ぶことができる。

要約

スタンフォード留学まで

イノベーションの必要性を感じスタンフォード大学へ

本書の第1章では、著者である清川氏がスタンフォードに留学するまで、どのような人生を歩んできたかが描かれている。

清川氏は1982年、大阪生まれ。プロゴルファーをめざしていたが、突然の怪我をきっかけに方針を転換。ビジネスの世界で生きていく決心をした清川氏は、かつてから父に繰り返し言われていた「アメリカには絶対に行ってこい」という言葉を胸に、大学を休学してサンフランシスコに語学留学した。そのとき、オフタイムに訪れたスタンフォード大学の見学が、「アメリカのビジネススクールに行きたい」という思いを強固なものにしたのだ。

帰国後最後の大学1年間は英語の勉強に費やして、卒業後はインディアナ大学大学院に留学、会計学とファイナンスを集中的に勉強した。卒業後はその経験を活かす形で、大手投資銀行であるUBS証券東京支店に入った。UBS証券ではM&Aや資金調達を担当し、朝9時から朝4時まで働いていたそうだ。

その後、より実業に近い業務に携わるべく、企業再生を手掛ける経営共創基盤に転職した。企業再生案件の現場で清川氏は、一時的に傷を治すよりも社会全体のイノベーションがこれからの日本経済には必要なのではないかと感じ、スタンフォード大学の受験を決意。2009年8月についに留学を果たした。

【必読ポイント!】 スタンフォード留学の2年間

スタンフォード式があふれる授業選択のやり方
iStock/Thinkstock

第2章では、スタンフォード大学の特色的な文化についての紹介がなされている。本書で最も分量が割かれている個所でもあり、ハイライトではそのいくつかのエッセンスを紹介したい。

スタンフォード・ビジネススクールの入学式では、「今ここに集まったということは、この学校の理念でもある『世界を変えよう』という言葉から一生逃げられない」という言葉をかけられ、世界を変えるという使命を学校から突きつけられる。

それを実現するための大学の授業選択は実に特徴的で、専攻というものがない。必修科目は最低限で、あとは自由選択である。異質なものが集まってこそイノベーションは生まれる、という学校の精神を土台にカリキュラムは出来上がっているのだ。

さらに特徴的なのが、スタンフォード・ビジネススクールでは外部に成績を開示しないという規範である。卒業後、就職する際に成績が必要となると、自分が得意な授業だけしか選択しなくなってしまう。だがこれはスタンフォードの精神からすると本質的ではない。得意だから選択するのではなく、学びたいから選択するのがスタンフォードの文化である。

起業することが最大の価値
Blend Images/Thinkstock

スタンフォードの入学式では、このような質問が投げかけられるという。

「この中で将来起業家になりたい人は、どれくらいいますか?」

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