ロケット・ササキ
ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正

未 読
ロケット・ササキ
ジャンル
著者
大西康之
出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2016年05月18日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
著者
大西康之
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定価
1,650円(税込)
出版日
2016年05月18日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.5
応用性
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おすすめポイント

「戦闘機のスピードではササキには追いつけない。ロケット・ササキだ」。共同開発をしていたノースアメリカン・ロックウェルの技術者たちは、議論の最中に発想があちらこちらに飛び、突然とんでもないことを言い出す佐々木の発想の豊かさに驚き、そう表現したという。

佐々木正はSHARPの元副社長であり、SHARPの繁栄に大きく寄与した人物の一人である。それと同時に、人と人を結びつける「カタリスト」として、20世紀の技術発展に非常に重要な役割を果たした人物でもあった。スティーブ・ジョブズや孫正義といった、IT業界の大物が佐々木のことを頼りにしていたのも、佐々木の持つ人徳や未来を見通す力を買ってのことだろう。佐々木は社内外問わず、「これは」と思った人物に対して協力することを惜しまなかった。だからこそ、佐々木は常に人に囲まれていた。

実際、トランジスタの発明者たちや江崎玲於奈といったノーベル物理学賞受賞者をはじめ、本書には佐々木を取り巻くようにして、数多くの特筆すべき技術者が登場する。彼らなくして日本の技術発展について語ることはできない。その意味で、本書が佐々木の半生を振り返りつつ、日本の電子立国として成熟していく様子を群像劇として描き出しているのは、なかば必然的だといえるだろう。

一人でできることなどたかが知れている、大切なのは仲間と力を合わせる「共創」だ――それが佐々木の貫き通した信念であった。日本にかつてあったイノベーションの現場、その熱気をぜひ本書を手に取ることで感じ取っていただきたい。

ライター画像
石渡翔

著者

大西 康之(おおにし やすゆき)
ジャーナリスト。1965年生まれ。88年早稲田大学法学部卒業、日本経済新聞社入社。産業部記者、欧州総局(ロンドン駐在)、編集委員、「日経ビジネス」編集委員などを経て、2016年に独立。企業や業界の深層を、人物を中心に描き出す手腕に定評がある。
『稲盛和夫 最後の戦い』(日本経済新聞出版社)、『ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦』(同)など著者多数。『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』(日本BP社)は第13回新潮ドキュメント賞最終候補となった。

本書の要点

  • 要点
    1
    佐々木は台湾時代の体験から、「異質なもの同士が協力しあえば、必ず新たな価値が生み出される」ということを学んだ。
  • 要点
    2
    当時まだ日本で知られていなかったトランジスタの導入を推し進め、いち早く量産化を成功させた。
  • 要点
    3
    早川電気(現SHARP)に就職した佐々木が新事業として目をつけたのが電卓だった。ありとあらゆる人脈を用い、電卓の小型化と低価格化、高性能化を実現させた。

要約

佐々木正という人間

「共創」という信念
IndyEdge/iStock/Thinkstock

1915年、佐々木正は、家族とともに台湾に渡った。その頃の台湾は日本にとっての「フロンティア」であり、入植した人々は人生の再出発を図る気概にあふれていた。佐々木は父親から武士道精神を叩きこまれながら、台湾という様々な文化が集まる環境の中、成長を遂げていった。

高校3年の夏、台北帝国大学で植物の研究をしている教授のもとへ実習に行った佐々木は、「接ぎ木」という研究テーマを与えられた。熱帯で育った木同士、もしくは北方で育った木同士の接ぎ木は容易だが、熱帯で育った木と北方で育った木を接ぐことは難しい。佐々木は早速この課題に取りかかるべく、日本からリンゴの苗を取り寄せ、台湾南部で調達したマンゴーの苗に接ぎ木をしてみたものの、リンゴに接ぎ木したマンゴーはすぐに枯れてしまった。しかし、樹液が流れる管の太さの違いが原因とわかると、二つの管がぴったり合うように計算して接いだ。結果、熱帯のマンゴーと北方のリンゴは見事に繋がり、リンゴのような形をしたマンゴー「リンゴマンゴー」の実を結んだ。

「そうか、異質なものでも工夫をすれば接ぐことができる」「そして異質なものが融合すれば、必ず新たな価値が生まれる」――佐々木の「共創」という信念が芽生えた瞬間であった。

フロンティア・スピリット:アフリカで布を売るには
devonanne/iStock/Thinkstock

20歳になった佐々木は、日本本土に戻り京都大学の工学部に進学、京都で下宿生活を始めた。父の勧めにより電気工学を選んだ佐々木は、当時の主流であった「強電」ではなく「弱電」を専門分野に選んだ。インターネットやITはおろか、エレクトロニクス産業もまともになかった当時、電子の動きを研究する「弱電」は日本ではマイナーな研究分野だったが、この選択が結果的に、電子工学で世界の最先端だったドイツのドレスデン工科大学への留学に結びついた。

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