リブセンス<生きる意味>
25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事

未 読
リブセンス<生きる意味>
ジャンル
著者
上阪徹
出版社
日経BP
定価
1,540円(税込)
出版日
2012年09月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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リブセンス<生きる意味>
リブセンス<生きる意味>
25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事
著者
上阪徹
未 読
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ジャンル
出版社
日経BP
定価
1,540円(税込)
出版日
2012年09月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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おすすめポイント

起業家とは特殊な類まれな特性を持った人でなければいけないのか。本書の帯に「こんなにまっとうに育った起業家が増えれば、起業家のイメージも変わる」というサイバーエージェント社長であり、起業家として著名な藤田晋氏のコメントが掲載されている。長期にわたる留学経験を持たず、両親も偉大な事業家、という訳ではなく、国内の付属高校、国内の大学というごく一般的な環境で育ちながらも、村上氏は史上最年少上場を果たす。本書は冒頭の問いに対して明確なNoを力強く語った一冊であると言えよう。

リブセンスにおいても起業した後に大変な時期がしばらく続いており、順風満帆という船出ではなかった。だからといって、起業することが特別に大変なことなのだろうか。確かに起業は大変と言えるだろう。しかし誰しも社会人になれば、新人として大きな苦労を味わう、苛烈な競争環境が待ち受けている。それと起業による苦労とを単純に比較できるものではない。ITインフラの低価格化とともに、時代は確実に、起業しやすい世の中に変わってきているのだから。

リブセンスという企業は、アルバイト情報サイトという一見目新しさのない事業が中核事業である。それが大成功をおさめた。是非読者には、村上氏がなぜその事業領域で成功を果たし、独自のビジネスモデルを考えるに至ったのか、疑似体験をしていただきたい。そして、これから就職に向き合う学生や起業を考えるビジネスパーソンこそ、本書をお読みいただき、起業というものが実は身近な選択肢なのだという事実に気付いていただきたいと願う。

ライター画像
大賀康史

著者

1966年兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、95年よりフリーランスのライターとして活躍。経営、経済、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。広範囲に及ぶ取材相手は、軽く3,000人を超える。
著書に『会話は「聞く」からはじめなさい』(日本実業出版社)、『文章は「書く前」に8割決まる』(サンマーク出版)、『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)、『「カタリバ」という授業』(英治出版)、『預けたお金が問題だった。』(ダイヤモンド社)、『「銀行マン」のいない銀行が4年連続顧客満足度1位になる理由』(幻冬舎)など。インタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)、『外資系トップの仕事力』シリーズ(ダイヤモンド社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    リブセンスの事業モデルは、アルバイト情報サイトという一見目新しさのない事業領域でありながら、「成功報酬型」「採用祝い金」の2点において、常識を覆したものである。
  • 要点
    2
    創業後約一年間、困難な時期を歩むが、「成功報酬型」「採用祝い金」を確立した上で、全国展開に乗り出したタイミングで大きな飛躍を迎える。
  • 要点
    3
    自己犠牲的であることは、尽くしても評価されない場合に卑屈になる可能性をはらむ。人を幸せにして自分が幸せになるのは、自分のためであり、自己犠牲的ではなく自己実現的な思考をしなければいけない。

要約

人をしあわせにするビジネスモデル

iStockphoto/Thinkstock
「これで儲かるんですか?」といわれるアルバイト情報サイト

二〇一一年一二月七日、リブセンスは東証マザーズに上場した。恒例となっている新規上場会社による「鐘つき」のセレモニーでは、社長の村上太一がいつものニコニコ顔で力強く鐘をたたき、その様子は夜の経済ニュース番組等で放送された。

そして年が明けた二〇一二年一月五日、村上は夜9時から放送のNHKニュース番組に生出演し、新潟県津南町議にトップ当選した東京大学大学院生の桑原悠と「二五歳対談」を行ったのである。

対談でNHKの男性アナウンサーがポツリと漏らした素朴な疑問が、リブセンスという会社を象徴していた。

「これで儲かるんですか?」

村上はいつものニコニコ顔のまま「ハイ」と答えた。二〇一一年十二月期の決算では、売上高が十一億三四五〇万円、営業利益が五億一八七六万円である。利益率はなんと四割を超えている。

リブセンスが主力としているのは、アルバイト情報サイト「ジョブセンス」である。アルバイトを採用したい企業は、ジョブセンスのサイトに、「無料」で募集広告を出すことができる。その広告を見て応募してきた人を採用したときに、初めて企業はお金を払う、いわゆる「成功報酬型」である。更に、応募者は採用が決まると、リブセンスから最大2万円の「採用祝い金」がもらえるのだ。

iStockphoto/Thinkstock
常識を覆すビジネスモデル

募集広告を無料で掲載し、採用が決まった利用者には祝い金を出す。これでは男性アナウンサーが「儲かるんですか?」と思わず聞いてしまうのも無理はない。学生だった彼らが営業に行った先で、「そんなビジネスモデル、本当に成り立つの?学生が考えそうな浅はかなアイディアだよね」と言われたこともある。

では、この画期的なビジネスモデルは、どのようにして生まれたのか。村上はインタビューでこう語っている。

「とにかく、お客さまが満足するものを作りたいと思ったんです。広告を出稿する企業も、アルバイトに応募する利用者も、きちんと満足するようなサービスが、これまで本当にあったのかな、と感じていたからです」

アルバイトを探している人が満足するためには、掲載されている求人の数が多いほどよく、そのために企業が求人広告を出すことに対してお金がかからない「成功報酬型」が優れているのである。広告の出稿に費用がかからないのであれば、これまで掲載を差し控えてきた企業も募集情報を出してくれるかもしれない。掲載されるアルバイト情報が増えれば、サイトの利用者も増え、良い循環が生まれる。

100社以上の競合に真似されても負けない理由

リブセンスが急成長すると、業界ではその名が知れ渡った。と同時に、「成功報酬型」、「採用祝い金」を真似た競合も現れた。その数、一〇〇社以上。なかには、巨大資本を持つ企業が子会社を作って参入したケースもある。

だが、リブセンスはライバルに負けなかった。順調に売り上げと利益を伸ばしていったのである。その理由を訊ねたところ、村上は「ノウハウの蓄積」と「先行者利益」を挙げていた。

そのカギとなっているのが、検索結果で上位になるための「検索エンジン対策(SEO)」である。リブセンスは自社でSEOに取り組みそのノウハウを蓄積した。

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