銀座の雑談手帳

いつ、誰が相手でも必ず盛り上がる
未読
銀座の雑談手帳
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いつ、誰が相手でも必ず盛り上がる
未読
銀座の雑談手帳
出版社
クロスメディア・パブリッシング
出版日
2013年09月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

対人コミュニケーション、特に「雑談力」に関連する書籍は、「雑談力が上がる話し方」(斎藤孝著、ダイヤモンド社)をはじめ、これまでにも様々なタイトルが出版されてきた。実際のビジネスシーンにおいては、自らの考えを論理的に語る必要がある一方で、良好な人間関係を構築するための雑談が欠かせない。そうした経験から、多くのビジネスパーソンは「雑談力」を必須のスキルだと潜在的に感じていることだろう。

ところで、雑談力のプロと言えば一体どういった人が該当するのだろうか。本書の著者である日高利美氏は10年以上にわたって銀座のクラブのオーナーとして活躍している。彼女のような「銀座のママ」も雑談力のプロの一人であるといっていいだろう。銀座の高級クラブともなると、お客様は一流の経営者ばかり。銀座のママには、そのような人々とすぐに打ち解け、リピート客になってもらう技術がある。我々も銀座のママに学べば、ビジネスの決裁者と親交を深めるヒントを得られるかもしれない。

本書は極めて実践的な雑談の手法やネタが記されており、雑談力に関する近年の書籍の中では個人的にはナンバーワンだと思っている。ビジネスシーンで使える、相手を落とすための「必殺」のフレーズは、今から取り入れることができるものばかりだ。

例えば、自分がお勘定を持つときには「今日は私に支払わせてください」ではなく、「次回はご馳走になりますので」と言えば、とてもスマートでセンス良く感じられる。そんなビジネスパーソンになるためにも、本書を手に取って読んでみてはいかがだろうか。

著者

日高 利美
1975年生まれ。18歳で銀座のママになるべく銀座で働き始める。
多くの一流ビジネスマンを接客することで、一般常識とマナー、気配りの大切さを学ぶ。
26歳で銀座のクラブのオーナーとなり、現在は複数の会社を経営する実業家として活躍中。雑誌・ラジオなどメディア掲載実績多数。
ライフワークとして、米国ロサンゼルス、シリコンバレーやシンガポールでの海外講演をはじめとし、国内では企業の経営者や就職活動中の学生に対する講演から、女子力アップセミナーまで幅広い世代へ向けたセミナーの講師を務める。
また、東京に限らず全国各地にあるクラブなどの飲食店やサービス業界への研修やコンサルティングも行っている。
著書に『知性と気配りを身につける銀座の教え』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
ホームページhttp://t-hidaka.co.jp/

本書の要点

  • 要点
    1
    銀座のママは初対面の人との雑談の入り方、雑談中の沈黙に対する対処法、雑談の切り上げ方に関するテクニックを持っており、それらは我々でもすぐに実践することが可能である。
  • 要点
    2
    銀座のママは雑談のネタとコツを豊富に持っており、本書では33個のネタが紹介されている。初級編・中級編は比較的実践しやすいものばかりだ。
  • 要点
    3
    銀座のママは一流の経営者と接する機会が多く、ビジネスパーソンに響くフレーズにも精通している。

要約

雑談のいろは

本書の構成

本書は全6章構成である。1・2章で著者がこれまでの経験で培ってきた雑談のいろはを、3~5章で会話が広がる具体的な雑談のネタを、6章では特にビジネスシーンにおける粋なものの伝え方やフレーズを紹介している。特に6章は著者が経営者や会社役員のお客様へのヒアリングを通して構成したものであり、ビジネスパーソンには必見の内容である。それではまず、1・2章の雑談のいろはから見ていこう。

初対面で距離感を縮めるには
amana images/Thinkstock

飛び込み営業をする際、パーティー等でネットワークを拡充する際、初対面で相手と打ち解けることができれば、それは大きな強みとなるに違いない。銀座のママの初対面における極意とはどのようなものであるか。

本書によれば、それは「相手の名前を言葉にすること」であるという。日本語の性質上、主語がなくても話が通じることが多いが、人は名前を呼ばれると無意識に親近感が湧くものである。

A「きみ、代わりに電話しておいてくれない?」

B「〇〇さん、代わりに電話しておいてくれない?」

AとBのどちらが頼まれて気分がいいかは一目瞭然だろう。著者がその重要性に気が付いたのは、18歳から勤めていたお店を辞め、次のお店に移った20歳のときであったという。次の店にも来てくれたお客様が、自分の名前を覚えていてくれたそうで、そのとき大きな喜びを感じたのだという。

雑談の途中で詰まってしまったら

はじめのうちは雑談が続くけれども、少し時間が経つとどうしても話に詰まってしまうことはないだろうか。著者もお客様の席についている間、ずっと話をしているわけではなく、途中でお互いがふっと数秒話さないということは実際よくあることだという。

著者はそのとき、あえてその「沈黙」を受け入れることをすすめている。もちろん、その時間が数十秒、数分と続くとその場の雰囲気は重たくなってしまうが、数秒から十秒ほどであれば全く問題ない。

話が続かなくなってしまったら、まずは開き直って数秒黙ってみる。そして、一呼吸置き肩の力を抜いた後で「何を話そう」ではなくて「何をたずねてみよう」と思いをめぐらしてみるのがよい。

雑談の上手な切り上げ方
Ryan McVay/Photodisc/Thinkstock

次の予定があるのに雑談が続いてしまい、そのことを伝えられないまま結局遅れてしまった、という経験がある方は多いのではないだろうか。飲み会の席で隣の席の上司にも挨拶をしなければならない、パーティーで他の取引先のお客様とも挨拶しなければならない、そのようなケースは多分にある。

それでは銀座のママはどのように雑談を切り上げるのか。

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要約公開日 2014.01.14
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