売らずに売る技術
高級ブランドに学ぶ安売りせずに売る秘密

未 読
売らずに売る技術
ジャンル
著者
小山田裕哉
出版社
定価
1,836円
出版日
2016年01月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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売らずに売る技術
高級ブランドに学ぶ安売りせずに売る秘密
著者
小山田裕哉
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定価
1,836円
出版日
2016年01月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
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レビュー

これまで、ラグジュアリーブランドは、ある種閉ざされた「エクスクルーシブな特別感」によってその高級な地位を維持してきた。しかし、スマートフォンやソーシャルメディアの普及によって、その戦略は過去のものとなっている。いくつかのラグジュアリーブランドは、ブランドのDNAである「物語」を指針としながら、そこからブレないように、消費者の価値観に応じて着実に変化を遂げてきた。

企業が広告によって「売ろうとして売る」ことが難しくなった現代では、そんな彼らの戦略から学ぶことが実に多い。今後必要となるのは、消費者のコミュニティの内側に届く「体験」を生み出し、その価値を「デジタル戦略」によって最大化し、絆を強めていくことだ。企業の「売りたい意思」を一方的に押し付けるのではなく、消費者が感動するような体験をデザインすることで、「良い口コミ」の拡散を期待できる。これが「体験の創造が重要」と強調される所以だ。企業は、消費者のコミュニティの一員として、「正直」に接することが求められる。

著者は新しい消費者たちの特徴を分析し、メルセデスやバーバリー、シャネルといった、高級ブランドの戦略を例にとって、アプローチのポイントを解説している。「モノ」から「体験」へと価値が移行しつつある時代において、「売らずに売る技術」、つまり「愛される技術」は、ブランディングに関わる人はもちろん、あらゆるビジネスパーソンにとって押さえておきたい知識だといえる。

池田 明季哉

著者

小山田 裕哉(おやまだ ゆうや)
ライター・編集者。1984生まれ。岩手県出身。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映画業界、イベント業などの職種を経て、フリーランスのライターとして執筆活動を始める。扱うジャンルは幅広く、ビジネス・カルチャー・ファッション・広告・時事問題など、「アイドルからラグジュアリーブランドまで」をテーマに、さまざまな媒体で執筆・編集活動を行っている。本書は初の単著となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    スマートフォンとソーシャルメディアが普及した現代においては、モノを売ろうとして売るのは困難である。
  • 要点
    2
    ソーシャルメディアのコミュニティ内にいる消費者にアプローチするためには、ブランドの「物語」に即した「特別な体験」を提供し、良い口コミとして拡散されることが重要となる。
  • 要点
    3
    「こだわるもの」と「こだわらないもの」との選別が進む現代では、高品質を前提とし、商品固有の物語で訴求するラグジュアリー戦略が欠かせない。

要約

企業が「売ろうとして売る」ことが難しい時代

スマートフォンとソーシャルメディアの普及がもたらすもの

かつて、ファッションショーの最前列席「フロントロウ」は、著名な業界人やセレブ専用の特別な場所だった。しかし、2010年、ファッションショーのフロントロウには、フィリピン出身の人気ファッション・ブロガーが座していただけでなく、コレクションの様子がライブ中継までされた。このことは、長い間「エクスクルーシブ」なイメージを大切にしていたハイファッションの業界ですら、ソーシャルメディアの口コミの重要性を認めざるを得なくなったことを示している。

スマートフォンの普及により、売り場を訪れた人は、手元で商品名を検索すれば、ネット上の評判や店ごとの価格の違いをチェックできる。その結果、評価が悪ければ購入につながらず、もっと安く販売する店に消費者が流れるようになってしまった。さらには、企業が必死にブランドのイメージを高める広告を作り、多額の予算を使ってメディアに掲載しても、ユーザーは広告よりもソーシャルメディアから流れてくる友人の口コミを重視するようになっている。

こうして、企業が能動的に「売ろうとして売る」ことが非常に難しい時代となった。このような状況は、消費者に「モノ」を売りたい企業にとって、最悪といってよい。

今こそ「ブランド」が重要
PongsakornJun/iStock/Thinkstock

スマートフォンとソーシャルメディアを手にした新しい消費者と、正面から向き合っていく上でのカギは何か。それは「ブランドが消費者にとって特別な意味を有する」状態を生み出すことである。そのブランドに絆を感じ、ファンになった人にとっては、その商品は「特別なもの」であり、容易に「他の商品では替えられない価値」を見出すようになる。

現代の消費者は自分たちだけのコミュニティに集い、自分たちだけの価値を共創している。彼らはコミュニティの外にある企業の広告には目を向けない。しかし、そのコミュニティに向けて「魅力的なブランドがある」と伝えることに成功すれば、熱心なファンになってくれやすい。

そのためには、厳しい判断基準を持った消費者の監視に耐え得る、確固としたDNAをブランド側が築かなければならない。表面上「良いこと」を訴えても、それが実体を伴っていないことが公になれば、即座に信用を失ってしまう。だからソーシャルメディアが普及した時代において、ブレない、確固としたブランドを持ち、それをマネジメントしていくことは非常に重要となる。

物語はブランドのDNA
Michail_Petrov-96/iStock/Thinkstock

デジタル戦略を考える上では、体験の創造が重要である。人々は広告にはなかなか「いいね!」を押さない。一方、友人が「好きなアーティストのコンサートに行った」と体験を語る投稿には「いいね!」を押し、その感動を共有したい、自分も体験したいという欲求に駆られる。

そこで、企業は消費者のコミュニティに入り込み、彼らが感動するような体験をデザインすることが求められる。それは商品やブランドにまつわる「良い口コミ」となって、爆発的に広まる可能性を持つ。

もちろん、そこで提供する体験は、

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経営戦略 マーケティング 産業・業界
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小山田裕哉
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1,836円
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2016年01月30日
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