CIA極秘分析マニュアル「HEAD」
武器としてのインテリジェンス

未 読
CIA極秘分析マニュアル「HEAD」
ジャンル
著者
フィリップ・マッド 池田美紀(訳)
出版社
定価
1,728円
出版日
2017年06月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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CIA極秘分析マニュアル「HEAD」
CIA極秘分析マニュアル「HEAD」
武器としてのインテリジェンス
著者
フィリップ・マッド 池田美紀(訳)
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出版社
定価
1,728円
出版日
2017年06月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
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レビュー

購入する住宅や投資先を選定するとき。限られたリソースをもとに、不確実性の高いビジネスの課題解決に挑むとき。誰しも重大な意思決定を迫られるときがある。その決定がもたらすインパクトが大きければ大きいほど、私たちは膨大な情報やデータの中から役立ちそうなものを、できるだけ多く集めようとしがちだ。しかし、手元のデータが多いことはむしろ、仕分けるべき情報が増えるという弊害をもたらしかねない。

重大な決断をする際には、データの山を築くのではなく、効率的な分析に基づく意思決定が必要となる。その意思決定術、HEAD(High Efficiency Analytic Decision-making)の全貌を明らかにしたのが本書だ。

著者はCIAやFBIに四半世紀勤め、テロ対策の分野で活躍してきた敏腕アナリストである。そんな情報のプロが編み出してきた分析・意思決定の極意が、複雑な情報任務における数々の成功例・失敗例とともに紹介されている。テロ対策というと難しそうで身構えるかもしれないが、スリリングなエピソードに助けられ、「このようなロジックで分析すれば、より正しい決断に近づけるのか」と、目が開かれるだろう。

HEADの真髄は、到達したい最終目的地について考え、データを見ずに適切な問いを立て、データに向かって「逆に進む」こと。このテクニックは一朝一夕では身につかない。忍耐強く鍛錬する必要がある。しかし、ひとたびこのテクニックをものにすれば、大事な意思決定の際、致命傷を負わずに済むにちがいない。分析の本質を知り、合理的な結論を導くための入門書として、本書をフルに活用していただきたい。

松尾 美里

著者

フィリップ・マッド (Philip Mudd)
米中央情報庁(CIA)の元情報分析官(インテリジェンス・アナリスト)。1985年に入庁し、2001年の米同時多発テロ後にテロ対策センター(CTC)副部長を務めた。長官賞、大統領賞など受賞歴多数。その他、連邦捜査局(FBI)の国家保安部副部長、ホワイトハウ ス国家安全保障会議(NSC)のアナリストを歴任するなど、政府の情報関連部門で20年以上のキャリアを持つ。現在は、CNNをはじめ、FOXニュース、NPRなどにコメンテーターとして出演するほか、複雑な分析的問題を理解するための方法論をフォーチュン500社や政府機関などで講じ、《ニューズウィーク》や《ウォール・ストリート・ジャーナル》、《フォーリン・ポリシー》、《ワシントン・ポスト》などに寄稿している。著書に、アルカイダを追いつめた諜報活動の詳細な記録Takedownがある。
公式サイト:[link:http://www.philmudd.com/ 

http://www.philmudd.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    効率的な分析に基づく意思決定「HEAD」の中核をなすのは、逆から考えることである。
  • 要点
    2
    アナリストの目標は、意思決定者がよりよい決定をできるようにすることだ。そのためには、ゆっくりとした思考を中心に据え、簡潔かつ包括的な、正しい問いを立てる必要がある。
  • 要点
    3
    問いを立てた後は、問いを分解して、ドライバーというバスケットに仕分けることが求められる。これにより複雑さを減らすことができる。ドライバーは6~10個に絞るのが望ましい。

要約

【必読ポイント!】 逆から考える技術

意思決定における利点をつくり出す

効率的な分析に基づく意思決定「HEAD」の中核をなすのは、思考の安心領域(コンフォート・ゾーン)から飛び出し、逆から考えることである。それはまるで、横書きの文章を左から右へ読むのが自然なのに、あえて右から左へ目を走らせるようなものだ。

本書の目標は、複雑な問題をより処理しやすくし、分析結果をもとによりよい意思決定ができるようにすることである。アナリストの目標は、膨大なデータを専門的にまとめ上げることではなく、意思決定者がよりよい意思決定をできるようデータを加工することだ。となると、手持ちのデータや情報から考えるのではなく、意思決定者である自分や顧客、上司が「何を知る必要があるか」という問いから始めなければならない。

アナリストが犯しがちな誤り
BrianAJackson/iStock/Thinkstock

著者がこの重要性を痛感したのは2003年、CIAのテロ対策センターに舞い込む脅威レポートの評価に関わっていたときのことである。著者は当時のCIA長官から、大統領へのブリーフィングを任じられた。それは、アメリカが直面する国家安全保障上の最重要課題について極秘で説明する場だ。そこで、懸案事項リストのトップに躍り出た脅威に関するレポートについて話すこととなったのだ。著者は、この脅威についての情報をどう入手し、なぜ信じるに至ったかを詳しく伝えるべきだと考えた。

しかし、ブリーフィング当日、脅威の詳細を手短にわかりやすく報告したのち、それが見当違いだったと気づいた。大統領は著者にこう尋ねた。「それを受けてわれわれは何をすればいいのか?」つまり、大統領にとって問題だったのは、脅威の流入を詳しく理解することではなく、その脅威にどう対応するかを決めることだった。著者はすぐに、過去の重大な脅威と比べて今回の脅威をどう捉えるべきかという文脈を添えることで、大統領の決断に役立つよう、説明を修正できた。

アナリストが犯しがちな誤りは、情報を正確かつわかりやすく伝えれば、受け手はそれをもとに、どう行動すべきかを判断できると思うことである。今回のケースでは、大統領が脅威への対策についてよい決断を下すにあたり、何が役に立つかという、正しい問いを立てることがアナリストに求められていたといえる。このように、意思決定における利点をもたらせるかどうかが分析のキーとなる。

忍耐強く、ゆっくり考えることの重要性

自分の専門分野について問われたとき、人は即答したがる傾向にある。しかし、それでは言いそびれたことや、もう少し熟考してから発言すればはるかに有益な回答ができたことに、後から気づくのは避けられない。HEADプロセスでは、ゆっくりした思考を中心に据え、最初に時間をたっぷりとってカギとなる問いを考え抜く。即答という楽な方法をとらずに、流れに逆らうことにより、分析で得られる見返りは大きくなる。

例えば知らない土地に引っ越すとき、まず不動産サイトを調べたくなるかもしれない。しかし、本来大事なのは、新しい町で新生活を迎えるにあたり、どのような生活を経験したいと思っているのか、という問いを立てることだ。

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著者
フィリップ・マッド 池田美紀(訳)
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1,728円
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2017年06月22日
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