強みを活かす

未 読
強みを活かす
ジャンル
著者
曽山哲人
出版社
PHP研究所
定価
940円
出版日
2017年07月19日
評点(5点満点)
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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レビュー

苦手を克服し、満遍なくこなせることが大事という信仰、平均や標準を重視する横並び意識。こうしたものが根強く残る日本において、「私の強みはこれ」と明確に答えられる人は、数少ないのではないだろうか。しかし、ずば抜けた個性を発揮し躍進する企業のニュースを見るにつけ、組織やチームを率いる人たちは気づき始めているはずだ。各人の強みを活かすことが、個人の総和以上の組織力を生み出し、真に生産性を向上させる原動力であることを。

著者は、サイバーエージェントの人事責任者として同社の躍進を支え、社内外の「成果を出し続ける人」をつぶさに観察してきた。一人ひとりが自分の強みに気づき、各人の強みをかけあわせて、より成果の出る組織をつくるにはどうすればいいのか。この課題と向き合い続けてきた著者ならではの、才能開花を促す仕組みづくりやコミュニケーションの極意、才能を解き放つためのマネジメントのポイントが本書に凝縮されている。

なお本書は、クラウドファンディングを活用したサイバーエージェントとPHP研究所の共同プロジェクトにより誕生した。支援金額は232万円となり、目標金額を大幅に超えた。この事実からも、「強みを活かす」というメッセージへの強い共感が見てとれるだろう。

「弱みつぶし」の人材育成は、その人らしいリーダーシップの発揮という観点においてはマイナスに働く。むしろ、隠そうにも隠しきれない「その人らしい」才能開花の支援や投資をすることが、人事の役割だという。人を育てることの本質を知りたいのならば、手に取るべきは本書である。

松尾 美里

著者

曽山 哲人(そやま てつひと)
株式会社サイバーエージェント取締役 人事統括 上智大学文学部英文学科卒。
株式会社伊勢丹(現・株式会社三越伊勢丹ホ ールディングス)に入社し、紳士服の販売とECサイト立ち上げに従事 したのち、1999年株式会社サイバーエージェント に入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。現在は取締役として採用・育成・活性化・適材適所の取り組みに加えて、『最強のNo.2』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『クリエイティブ人事』(光文社)など複数の著作出版やブログ「デキタン」をはじめとしてソーシャルメディアでの発信なども行っている。

本書の要点

  • 要点
    1
    これからは、個々人の才能を見極め、それが最大限発揮されるような支援や投資を惜しまない会社だけが、永続的に成長できる。人事の役割は、その人ならではの強みを見つけて伸ばし、活かすことである。
  • 要点
    2
    強みを知るうえで有効なのは、自分の大事にしている価値観に向き合うことだ。
  • 要点
    3
    情報発信を続けていると、自分の強みを発揮するチャンスが多く舞い込んでくる。
  • 要点
    4
    自発的に新しい挑戦に踏み出した人を支援し、失敗した人にもセカンドチャンスを与えることで、チャレンジしやすい風土が生まれる。

要約

なぜ強みを活かすのか

人事の役割はメンバーの「才能開花」

個々の才能を開花させる、つまり、一人ひとりの力を引き出すことで、その組織やチームを、現状よりもはるかに強くすることができる。これは生産性を向上させるうえでも重要な考え方だ。これからは企業間で「才能開花競争」が始まる。労働人口が減ることで、企業は、より少ない人数で大きな成果を出すことをめざさなければならない。すると、本人の可能性を見極め、それが最大限発揮されるような支援や投資を惜しまない会社だけが、永続的に成長できるようになる。

人事の役割は、個々の才能、つまりその人ならではの強みを見つけて伸ばし、活かすことである。具体的には、大きな仕事を任せたり、対話によって背中を押してあげたりするなど、本人が自分の強みを発揮しやすい環境をつくるとよいだろう。

人は「強みの押し付け」をする傾向にある。中でも、過去に成功体験を積んだリーダーは、チームのメンバーに「自分と同じ仕事のやり方で成果を出してほしい」と無意識に感じてしまいがちだ。しかし本来なら、才能は誰しも異なっているため、自分とは違うという前提で、才能の活かし方も変えていかなければならない。

弱みを見せると強みが活きる
g-stockstudio/iStock/Thinkstock

自分の弱みを認めて、それを周囲に伝える。すると、弱みを認める余裕ができ、強みを活かすことに力を注げるようになる。不得意な分野を認めるかわりに、自分ががんばることをきちんと周囲に表明することが大事だ。

弱みを直すことに多くの時間を費やすと、その分、自分の強みを発揮する時間が減ってしまう。仮に「強みを発揮しているチーム」と、「弱みを直しているチーム」があったとしよう。どちらがより永続的に大きな業績をあげられるかというと、前者である。なぜなら、強みを活かしたほうが本人も楽しいし、前向きに仕事に取り組めるからだ。すると、一人ひとりに粘りが出て、成果が上がりやすい。成果を早く確実に出したいのなら、弱みを直すより、強みを伸ばすことに尽きる。

適材適所を実現するには、その仕事をおこなったときに「一番成果を出す人に任せる」とよい。リーダーには、メンバーにそれぞれの強みを発揮してほしいと、期待をかけていることを伝える役割がある。メンバー自身が「私はこれを期待されている」と明確にいえる状態になれば、強みが発揮されやすくなり、チームとしてより大きな成果を出せるにちがいない。

強みを知る

強みの源泉は自分の大事にしている価値観
RomoloTavani/iStock/Thinkstock

強みを知るうえで有効なのは、自分の大事にしている価値観に向き合うことである。価値観を可視化するために、著者は、面談やチームビルディングの研修などで「価値観ナインブロック」というシートをよく使っている。3×3の9つのマスをノートなどに書き出し、真ん中のマスに自分の名前を入れる。次に、残りの8つのマスに、「これまで大切にしてきた考え」、「家族からよく言われてきたこと」、「自分の信条」を、3分程度で書き出していく。

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強みを活かす
未 読
強みを活かす
ジャンル
リーダーシップ・マネジメント 人事
著者
曽山哲人
出版社
PHP研究所
定価
940円
出版日
2017年07月19日
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