東大から刑務所へ

未 読
東大から刑務所へ
ジャンル
著者
堀江貴文 井川意高
出版社
定価
820円 (税抜)
出版日
2017年09月30日
評点
総合
3.2
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.0
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東大から刑務所へ
東大から刑務所へ
著者
堀江貴文 井川意高
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定価
820円 (税抜)
出版日
2017年09月30日
評点
総合
3.2
明瞭性
3.5
革新性
3.0
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レビュー

これはかつて世の中を騒がせた2人の本だ。

1人はメディアの寵児になった起業家、もう1人は大手製紙会社の御曹司で社長・会長を務めた人物。いずれも東京地検特捜部に逮捕・起訴され、刑務所に服役している。その経験を紹介する異色の一冊である。みずからが暮らした刑務所での生活や、その前後の様子を対談形式で詳しくつづっている。

いつの時代でも犯罪は起こる。罪を償うために、刑務所に入る人は少なくない。だが塀の中の様子はおおっぴらに語られない。ゆえに彼らの証言は、強烈なリアリティをもっている。獄中での生活、そこで出会った人々、塀の外で支えてくれる人など。人間模様が赤裸々に見えてくるのと同時に、刑務所という特殊な環境の実態も明らかになる。

聴取や逮捕にいたるまでのプロセスや、当人たちのさまざまな思いは、ひとつのストーリーとして非常におもしろいし、印象に残る部分も多い。ただしつけ加えておこう。自分たちがなぜ刑務所で服役せざるをえなかったのか、その部分への言及や反省は、本書ではあまり見られない。

当事者にしてみれば、捜査機関に逮捕され、すでに大きな社会的な制裁を受けているという考えなのだろう。それ自体は理解できることだ。とはいえ一連の行ないで迷惑を被った人々もいるはずである。そうした人たちに対する気配りがもう少しあってもいいのではないか。そう思わずにはいられない。

いずれにせよ、この本でしか描けないリアルがあるのもたしかだ。人生の表と裏、清と濁。そのどちらも体験した2人の声に耳を傾けてみてほしい。

毬谷実宏

著者

堀江 貴文 (ほりえ たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。SNS media & consulting 株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュース、予防医療普及協会の活動など幅広い活躍をみせる。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」の読者は1万数千人の規模に。2014年8月には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」(http://salon.horiemon.com/)をスタートした。近著に『すべての教育は「洗脳」である』『むだ死にしない技術』など。
Twitter アカウント:@takapon_jp
その他、詳細はHORIEMON.COMへ。

井川 意高 (いかわ もとたか)
1964年、京都府生まれ。87年、大王製紙入社。2007年、大王製紙取締役社長になる。同会長を務めていた10年から11年にかけ、カジノでの使用目的で子会社から総額106億8000万円もの資金を借り入れた事実が判明。会長職を辞任した後の11年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。13年6月、最高裁にて上告が棄却され、懲役4年の実刑判決が確定した。3年2カ月服役し、16年12月14日に仮出所した。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間の嫉妬ほど怖いものはない。「成り上がり」は真っ先につぶされてしまう。
  • 要点
    2
    検察からにらまれたら、どんな小さなホコリでも探し出され、かならず罪人にされてしまう。逮捕されるかどうかなんて、実際は紙一重である。
  • 要点
    3
    刑務所にも社会はある。おかしな人間ともうまくやるしかない。
  • 要点
    4
    東大から刑務所に墜ちたことは不運だった。しかし再度立ち上がるべく、いま動きだしているところだ。

要約

悲劇はいつも突然訪れる

強引な東京地検の捜査
Pincio/iStock/Thinkstock

ライブドアに東京地検特捜部が強制捜査に入ったのは、2006年1月16日の午後6時過ぎから7時ごろ。外は暗くなっていた。堀江貴文(以下、堀江)氏としては、いきなりガサ入れが入った意味がわからなかったし、手の打ちようもなかった。

NHKが午後4時過ぎごろ、「ライブドアに強制捜査」と速報。しかしこれは番記者が間違えてフライングしたのだろう。NHKが先走ったせいで、あわてて検察が動いたとしか思えないほど、不可解なタイミングだった。

ライブドアは上場企業だ。特捜部が動けば、株価にものすごい影響がある。だからガサ入れをするにしても、普通は金曜日のはずだ。まさか特捜部が強制捜査にやってくるなんて、堀江氏はまったく考えてなかった。罪の意識もなかったので、NHKの速報が出ても、証拠隠滅に走ることはなかった。

検察官が捜索令状をチラ見せし、いきなりオフィスに入ろうとした。「その令状をちゃんと見せろ」といって凝視したところ、「証券取引法違反」などと書いてある。プロの法律家を入れてチェックしていたから、実行した取引に違法性なんてあるわけがない。堀江氏には「絶対合法だ」という自信があった。だから令状を見た瞬間、「いやいや、これはないでしょ」と反発した。

特捜部が強制捜査したら絶対逮捕される

ライブドアの顧問弁護士に「一番いい弁護士を連れてきてくれ」と頼み、弁護団を結成した。でもこの時点で堀江氏ともう一人の役員以外は、みんな白旗をあげていた。「戦おう。絶対大丈夫だから」と説得したが、話にならなかった。

弁護士は「特捜が強制捜査にやってきたら、100%逮捕される。逮捕されて起訴されるまでは間違いないから、あとは起訴後に裁判で無罪が勝ち取れるか、それとも実刑になるかの瀬戸際で頑張るか、あるいは有罪になることを前提に、最初から執行猶予付き判決を狙いにいくかどっちかだ」といった。

いまから考えると、ライブドアつぶしの予兆はあった。あのころはやりたい仕事がいっぱいありすぎた。毎日ニュースやワイドショーに堀江氏の名前が出ていた。しかし若いヤツが一代で成り上がってイノベーションを起こすのを、旧世代の連中はよしとしない。成り上がりを嫌い、寄ってたかってつぶす。日本にはこういうくだらない風潮がある。

慎重になった検察
Ryan McVay/iStock/Thinkstock

一方で井川意高(以下、井川)氏が経験した大王製紙事件の際は、打って変わったように慎重だった。

2009年に厚生労働省の女性官僚が逮捕されたあと、特捜検察は日本中から大顰蹙を買った。だから井川氏の事件捜査は任意捜査から始まった。移動にあたっても、記者に直撃取材されないよう、動線を緻密に計算してくれた。「鬼の特捜」といわれるが、井川のときは本当にやさしかった。逮捕も会社のゴルフ大会に配慮し、日程をずらしてくれた。

特捜は調べの段階で、大物政治家への贈収賄を疑っていた。大王製紙の子会社から毎週のように、個人口座へ億単位のカネが入っていたからだ。でも井川氏としては、贈収賄なんてやる動機がなかった。政治家とまったく関係のない商売をやっているわけだから当然だ。実際ホントに何もないことがわかると、検事は心底がっかりしていた。

刑務所の実態はこれだ

メシの味はそれぞれ違う

刑務所には他に何の楽しみもないから、受刑者はみんなメニューを見て「今日のメシは何だろう」と気にする。しかし刑務所のメシには当たりハズレがある。

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