お金は寝かせて増やしなさい

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ジャンル
出版社
フォレスト出版

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出版日
2017年12月18日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

とある下町の商店街。すれ違ったサラリーマンの男が、400万円だった財産を15年かけて増やし、今では車を何台も買えるくらいの利益をあげている人物だと、まさかあなたは気づかないだろう。その人物とは、投資歴15年の個人投資家、水瀬ケンイチ氏。

本書は、世界のスタンダードな投資法である「インデックス投資」について、日本では数少ない長期実践者としての著者の経験に基づき、サラリーマン投資家向けに分かりやすくまとめた投資本である。

インデックス投資とは、世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する投資法のこと。水瀬氏は、投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』によりインデックス投資に目覚め、その日本版というべきものを編み出した。著者のブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」は、いまやインデックス投資実践者のバイブル的存在にまでなっている。

彼のすすめる投資方法は、自分に合ったインデックスファンドを選び、毎月定額積み立てるという、ごくシンプルなものである。あとはタイトルのとおり、お金を寝かせておくだけ。本書を通読することで、具体的な実践方法から、お金が増える理屈、出口戦略まで、一気に理解が進むだろう。各章の導入部分に、親しみの湧く漫画が挿入されている構成も、スムーズに読み進める一助となってくれる。

著者は、インデックス投資が「人の欲望をエンジンとした資本主義経済の長期的発展に賭ける投資法」だと総括する。読後には、あなたもインデックス投資をはじめたくなるに違いない。

著者

水瀬 ケンイチ
みなせ けんいち
1973年、東京都生まれ。都内IT企業会社員にして下町の個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆、現在ではインデックス投資家のバイブル的ブログに。日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。著書『全面改訂 ほったらかし投資術』(朝日新書・山崎元との共著)。

公式ブログ
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー
http://randomwalker.blog19.fc2/com

本書の要点

  • 要点
    1
    インデックス投資とは、世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する投資法である。一度、銘柄と金額を設定すれば、あとは寝かせておくだけでよい。そのため、空いた時間で人生をより豊かにすることができる。
  • 要点
    2
    インデックス投資は長期的に見れば、着実に資産形成できる。ただし、年に一度、運用していく中で崩れてきた資産配分を、所定の比率に戻す「リバランス」が必要となる。
  • 要点
    3
    インデックス投資は、今後何十年も継続して初めて効果が現れる。

要約

インデックス投資の基本

インデックスファンドはアクティブファンドに勝る

著者がすすめるのは、世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有するという、インデックス投資である。インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった、各種指数(インデックス)に連動する運用成果をめざす投資信託のことだ。これに対して、アクティブファンドは、専門家が投資先や売買のタイミングを判断して運用を行う投資信託を指す。

一見、プロが運用するアクティブファンドの方が、インデックスファンドよりも運用成績がよいと思うかもしれない。しかし、実際にはインデックスファンドの方がアクティブファンドよりも圧倒的によい運用成果を上げているという驚きの結果が、世界的に出ているというのだ。

ひたすら「積み立て投資」で長期的に儲ける
Christian Horz/iStock/Thinkstock

インデックス投資の基本は、市場規模が大きな株式と債券を中心に分散投資することである。だが、結局のところ、市場の動向を完璧に予測することは誰にもできない。そこで、どんな状況でも有利な投資方法などないと割り切り、定期的に一定金額で同一のインデックスファンドを購入するとよい。たとえば、証券会社の投信積み立てサービスを利用して、毎月3万円ずつ積み立てる、という形だ。

一度、銘柄と金額を設定すれば、あとはほとんど手間がかからない。購入時のポイントは二つだ。運用管理費用(信託報酬)ができるだけ低い投資信託を選ぶこと。そして、長期的に保有して初めて儲かると心得ることである。

資産運用とは資産を「持っていること」

資産運用というと、資産を売り買いすることだと思いがちである。しかし、資産運用とは基本的に資産をただ「持っていること」だという。積み立て投資(ドルコスト平均法)は、投信の価格の変動に関係なく定期的に同額の投信を購入する。そのため、価格が高いときには自動的に少ない口数が積み立てられる。逆に価格が安いときには多くの口数が積み立てられることになる。

著者は、15年の間にリーマンショックなどの世界的な市場の大暴落を幾度となく経験している。しかし、その苦難を耐え、インデックス投資を続けたことで、2~3年でV字回復を果たした。

このようにインデックス投資は、すぐには儲からないし、一時的に損失が生じることもある。しかし、長期的に見れば、時間をかけてゆっくりと、そして着実に資産形成ができる。これこそが世界標準の投資法なのだ。

【必読ポイント!】 誰でもできるインデックス投資実践法

失敗しないインデックス投資の手順
eternalcreative/iStock/Thinkstock

ではインデックス投資を始めるにはどうしたらいいのか。著者が実践するインデックス投資の手順は以下のとおりだ。

(1)家計の状態を把握する:ざっくりとした1か月の生活費を把握する。まずは、給料の残高がプラスになっていればよい。

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要約公開日 2018.03.07
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