天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生

未 読
天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生
ジャンル
著者
加藤一二三
出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
1,300円 (税抜)
出版日
2017年11月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生
著者
加藤一二三
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定価
1,300円 (税抜)
出版日
2017年11月20日
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4.0
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レビュー

「ひふみん」の愛称で知られている加藤一二三は、元祖天才中学生棋士だ。14歳でプロになり、将棋の世界では最高である順位戦リーグA級八段に、最年少の18歳3カ月で昇段した。「神武以来(じんむこのかた)の天才」と呼ばれたが、これは、初代の天皇である神武天皇の世以来、最高の天才という誉め言葉だ。加藤は、2017年6月20日に引退。わずか150名程度しかいない将棋のプロの世界で、63年間の現役生活を続けたことを振り返り、挑戦の歴史であったと言う。「天才」と「挑戦」をテーマとして書かれたのが本書だ。

本書では、プロ棋士として最後の挑戦となった対局をはじめ、棋士人生の中でも思い出深い対局や、対戦した棋士の印象についても、率直に語られている。大山康晴棋士、羽生善治棋士、さらに藤井聡太棋士らについての考察は、将棋ファンなら垂涎の内容である。また、長い現役生活を送ってきた加藤ならではの、天職についての考え方や将棋に向かい合ってきた姿勢は、多くの方々の心に響くことだろう。

キリスト教徒である加藤は、聖書から学んだ教えも本書の随所に盛り込んでいる。そうした箇所を読むと、生き方や人生への挑戦について考えさせられる。将棋に詳しくない人も十分に楽しめるように配慮されており、困難にぶつかった局面での考え方や思考法を学べる一冊である。

河原 レイカ

著者

加藤 一二三(かとう ひふみ)
1940年1月1日福岡県嘉麻市生まれ。将棋棋士。九段。第40期名人。仙台白百合女子大学客員教授。
2017年6月20日、77歳で引退した現役最年長棋士(当時)。現役期間は最長不倒の63年。1954年、14歳で当時史上最年少の中学生プロ棋士となる。
この記録は藤井四段に破られるまでは62年間ずっと破られていなかった。元祖天才中学生棋士。「神武以来(じんむこのかた)の天才」と呼ばれる。居飛車の本格派として妥協のない棋風に特徴がある。1958年、史上最速でプロ棋士最高峰のA級八段に昇段。1982年、名人位に就く。タイトル獲得は名人1期、棋王2期など通算8期、棋戦優勝23回。公式戦対局数は2505局で歴代1位。勝ち数は大山康晴十五世名人、羽生善治二冠(2017年9月現在)に続いて1324勝で3位、負け数は1180敗で歴代1位(残り1局は持将棋=引き分け)。
敬虔なキリスト教信者(カトリック)としても知られ、1986年、ローマ法王から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を受章。2000年、紫綬褒章を受章。バラエティ番組にも出演し、「ひふみん」の愛称でお茶の間の人気者になっている。2017年9月、アーティスト名大天才ひふみんとして「ひふみんアイ」で歌手デビューを果たした。

本書の要点

  • 要点
    1
    「天才」と呼ばれた加藤一二三は、これまでの棋士人生を「挑戦の歴史」と位置づけている。加藤は昭和57年に名人位に就き、引退まで63年間戦いつづけた。
  • 要点
    2
    キリスト教徒である加藤は、旧約聖書の言葉に、将棋に通じる心構えを見つけた。「勇気を持って戦うこと」「相手の面前で弱気を出さないこと」「あわてないこと」「落ち着くこと」という4つの心構えを支えに戦った。
  • 要点
    3
    加藤が棋士を自分の天職だと確信したのは、自身も感動するような対局を経験し、その名局で人々に感動を与えられるのではと思うようになったときだ。

要約

最後まで挑戦し続けた棋士人生

「天才」棋士の条件

「天才」と呼ばれた加藤一二三自身が、「天才」と認める棋士がいる。一人はすでに他界している故・大山康晴十五世名人。もう一人は現役の羽生善治二冠(2017年9月時点)だ。

「天才」棋士には3つの条件があるという。1つ目は、未知の局面でも瞬時に100点の手を思いつき、早指しをものともしない。同時に、長考を経てさらに良い手を見出すことができる。無から有を生み出し、後輩たちが続いていく道をつくり出す力があることである。2つ目は、長期間活躍し、驚異的な勝利数や新記録を次々と作り出すこと。3つ目は、挫折や劣等感がほとんどない、もしくは周りからは感じられないことを挙げている。

最終対局

加藤自身も、まさしく前述の条件を満たす「天才」棋士であったが、長い現役生活の末に引退の日はやってきた。負ければ引退が決まる対局は、2017年6月20日に予定されていた。事前にマスコミ各社に、この日の対局では記者会見をしないことを伝えた。63年間の棋士人生の中で、加藤は一度も負けた場合のことを考えたことがない。そのため、この日についても、負けた場合の対応は全く考えないと決めていた。

しかし、対局が始まり、やがて必至(必ず負けてしまう状況)になった。報道陣は詰めかけていたが、まずは長年苦楽を共にした妻に感謝すべく、加藤は報道陣を避けて自宅に帰宅した。

引退が決まった対局の翌日、加藤は棋聖戦で飯島栄治七段と対局して勝利し、最高齢勝利記録を達成した。引退は将棋界の制度によるが、それがなければずっと戦い続けていただろうと加藤は語る。スポーツの一流選手は「体力の限界を感じて引退します」などという人が多いが、加藤は「制度によって引退しました」と言っている。

戦い続けた記録

将棋界には名人を決める、総当たりの順位戦がある。全棋士はA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の各リーグに所属し、戦績によって昇降級する。A級優勝者が名人位に挑戦することになる。そして、C級2組に所属する者は、リーグの勝敗次第で引退する決まりになっている。

加藤は昭和57年に名人位に就いた。その後、A級からC級2組に降りてくるまでに50数年かかっている。それを、自ら「一歩一歩着実に挑戦を続けながら降りてきた」と述べる。B級1組からA級に上がったことが5回あり、最初の昇段を除くと4回の復帰を果たしたことになる。14歳から77歳まで、全棋士中1位の対局数となる、2505局もの対局を戦った。A級在位は36期で、これは大山康晴棋士に続く、2番目の記録である。

【必読ポイント!】勝負の心構え

旧約聖書の言葉
pamela_d_mcadams/iStock/Thinkstock

名人戦の決戦前夜、キリスト教の信者である加藤は、枕元で旧約聖書をパラパラとめくっていた。そのとき、「戦うときは勇気をもって戦え、敵の面前で弱気を出してはいけない、あわてないで落ち着いてことを進めろ」という言葉を見つけた。

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