スター・ウォーズによると世界は

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スター・ウォーズによると世界は
出版社
定価
2,200円(税込)
出版日
2017年11月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

著者によれば、人類は3つに分類できるそうだ。スター・ウォーズが大好きな人、スター・ウォーズが好きな人、そしてスター・ウォーズが大好きでも好きでもない人である。著者自身はというと、本書を書きはじめたばかりの頃は、単にスター・ウォーズが好きなだけだった。だがいまや「好き」のレベルをはるかに超えてしまったという。

スター・ウォーズへの愛を隠さない著者キャス・R・サンスティーンは、ハーバード大学ロースクールの教授だ。法学者であり、憲法学や行政法、環境法に詳しい。また行動経済学の分野でも著名である。かといって象牙の塔のアカデミシャンというわけでもなく、オバマ政権に参画したこともある。

そんな立派な経歴をもつサンスティーン教授の本だから、映画を題材に専門分野の解説をする本と予していた。だが実際のところ、これはスター・ウォーズ愛にあふれた楽しいエッセイだ。憲法学や行動経済学のエッセンスも、きちんと盛りこまれてはいるけれども。

本書の話題は多岐にわたる。スター・ウォーズの意外な起源、予想外の成功、運命と選択の自由、父親と息子、救済、反乱、憲法などなど。本書を読めばスター・ウォーズをより深く知ることができるだけでなく、現実の世界で役に立つような知的刺激も得られるはずだ。

なお本書は「ネタバレ」を多く含んでいる。スター・ウォーズをまだ観てないという方は、ぜひ映画を先に観ていただければと思う。

著者

キャス・R・サンスティーン (Cass R. Sunstein)
1954年アメリカ・マサチューセッツ州生まれ。法学者。1981年からシカゴ大学ロースクールで教鞭をとり、2008年よりハーバード大学ロースクール教授。憲法学、行政法、環境法をおもな専門分野とし、法学に行動経済学的な視点をまじえた研究で知られる。オバマ政権下ではホワイトハウスで情報規制問題局(OIRA)の長を務めた。ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーとの共著でベストセラーとなった『実践行動経済学』をはじめ、『インターネットは民主主義の敵か』『熟議が壊れるとき』『賢い組織は「みんな」で決める』(共著)など多数の著書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    スター・ウォーズには多様な解釈の余地がある。自由、歴史、経済、反乱、人間行動、法律などについて、スター・ウォーズから学べることは多い。
  • 要点
    2
    スター・ウォーズが構想された当初は、いまの私たちが知るような物語ではなかった。紆余曲折の創作プロセスを経て、今日の姿となったのである。
  • 要点
    3
    裁判官は映画の脚本家のように、これまでの「エピソード」による制約を受けながらも、憲法を最高のものとすべく、次の「エピソード」(=判決)を書かなくてはならない。

要約

スター・ウォーズから学ぶ

スター・ウォーズは人を結びつける
monkeybusinessimages/iStock/Thinkstock

2016年初頭の時点で、スター・ウォーズは映画・本・玩具を合わせ、約302億ドルを稼いでいる。これはアイスランドやジャマイカなど、世界90カ国のGDPを上回る数字だ。だがスター・ウォーズがすごいのは、量的な規模だけではない。

スター・ウォーズは政治の世界でも広く親しまれている。たとえばレーガン大統領の戦略防衛イニシアチブは、一般に「スター・ウォーズ」と呼ばれている。その他にもバラク・オバマやヒラリー・クリントン、テッド・クルーズなど、スター・ウォーズに言及する政治家は数知れない。スター・ウォーズは党派を超えるのである。

さらにその人気はアメリカ国内に留まらない。2015以降は中国でも上映が解禁され、人気を博している。また2015当時、米露関係はよくなかった。しかし『エピソードⅦ/フォースの覚醒』が登場すると、ロシアの高官が少年のような笑顔で、ロシア国民のスター・ウォーズ愛を語ってくれた。

文化や世代によって、親しまれるものは異なる。だがスター・ウォーズには文化や世代を超えるポテンシャルがある。幼い子どもと一緒に座り、その子がはじめてスター・ウォーズを観るのにつきあうのと比肩するものはなかなかない。

スター・ウォーズは現代の神話である

『エピソードⅣ/新たなる希望』が最初に公開されたとき、ほとんどの関係者は大コケを予想した。映画会社はまったく評価していなかったし、演じている役者たちは荒唐無稽な映画だと感じていた。ジョージ・ルーカスも「これは大惨事になるのでは」と震え上がっていたという。

ではなぜスター・ウォーズは、かくも驚異的な成功をおさめ、現代の神話となったのか。スター・ウォーズから私たちが学べることはなんだろうか。

スター・ウォーズは詩や小説と同様、多様な解釈の余地をたっぷりと残している。いわば普遍的な物語の現代版だ。

ルーカスが「我がヨーダ」と呼ぶほど影響を受けたジョーゼフ・キャンベルの名著『千の顔をもつ英雄』によれば、無数の古代神話には共通した主題がある。それが「英雄の旅」である。英雄の旅とはイエスの物語であり、ブッダの物語であり、そしてルークの、アナキンの、レイの物語でもある。

また「選択の自由」もスター・ウォーズの重要な主題だ。これにより英雄の旅にひねりが加わる。人々が苦境にあるとき、スター・ウォーズはいつもこう告げる。選ぶのはお前の自由だ、と。

人生がもっとも制約されている時でさえ、選択の自由を強調するのがこの物語の特徴だ。これは「許しと救済」という主題にも大きく関係している。スター・ウォーズによれば、人は常に許されうる。最大の悪役であるダース・ベイダーにすら救われる余地があるのだ。

「私がお前の父親だ」

ダース・ベイダーはもともとチョイ役だった
estherpoon/iStock/Thinkstock

「すぐれたアウトプットは偉大なデザイナーの計画通りに作られる」と思っている人は多い。だが実際のところ、最高のデザイナーというのは即興屋だ。アイデアがあっても、計画と呼べるものはないことのほうが多いのである。彼らはルークやアナキン、レイのように、その場その場で選択を行なう。それが予想外の方向に向かい、キャラクターやストーリーが独自の勢いで動き出しはじめる。

スター・ウォーズの着想について説明する際、ジョージ・ルーカスの発言は時代ごとに変化している。

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