運の技術

AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器
未読
運の技術
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AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器
未読
運の技術
出版社
出版日
2018年06月17日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたのまわりにこんな人はいないだろうか。念願の仕事を任されるなど、チャンスが次々に舞い込み、それを必ずモノにする。その評判に人が引き寄せられ、さらに大きな仕事がやってくる――。そんなポジティブ・スパイラルに入った、「向かうところ敵なし」の強運の持ち主になるには、どうすればいいのか?

その開運のヒントが語り尽くされたのが本書だ。「開運」と聞くと、スピリチュアル系ではないかと疑わしく思う人もいるかもしれない。しかし、本書の「はじめに」を読むと、それがまったくの誤解だと気づき、「運がいい人の共通項」や開運テクニックにグイグイ引き込まれる。

なぜここまでロジカルに、ウィットに富んだ文章なのだろう? 何を隠そう、著者は『さんまのSUPERからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数々の人気番組を世に送り出してきた、名バラエティプロデューサーの角田陽一郎さん。明石家さんまさんや西野亮廣さんなど、「運がつきまくっている」人たちと接する中で、その秘訣を体系化してきたという。開運エピソードの数々に、何度も頷きまくる読者もいれば、神からの啓示のごとく新たな気づきを得る読者もいるだろう。いずれにせよ、知的興奮がとまらないのは確かだ。

AIに色々な作業を任せて、人間は本当に好きなことにコミットしていく。角田さんのメッセージは、そんな将来を見据えた、次世代の「引き寄せの法則」ともいえよう。本書を読んで、好きなことで生きていける人生をめざしてみてはいかがだろうか。

ライター画像
松尾美里

著者

角田 陽一郎(かくた よういちろう)
1970年、千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。1994年、TBSテレビ入社。『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』『オトナの!』などの番組を担当した名ディレクターとして高い評価を受ける。現在は、TBSテレビを退社。バラエティプロデューサーとして独立し、キングコング西野亮廣さん、コルク代表の佐渡島庸平さんなどのトップクリエイターとともに、テレビの枠に収まらない様々なフィールドで時代に求められる新たなライフ&ビジネススタイルの創造に挑戦し続けている。また、明石家さんまさんをはじめ、いとうせいこうさん、水道橋博士さん、堀江貴文さんなど、成功をつかんできた数多くの芸能人、著名人との親交も深く、その中で見て、感じた成功者の運のつかみ方が本書にはまとめられている。
著書にベストセラーとなった『「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史』『「好きなことだけやって生きていく」という提案』(ともにアスコム)や『13の未来地図 フレームなき時代の羅針盤』(ぴあ)、『成功の神はネガティブな狩人に降臨する~バラエティ的企画術~』(朝日新聞出版)、『究極の人間関係分析学 カテゴライズド』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    開運の仕組みは論理的に説明できる。運とは、他人や外部環境を利用しながら、自ら切り開くものだからだ。
  • 要点
    2
    「運を上げる」とは「自分の名前で勝負すること」であり、何事も「自分ごと化」することと同義である。
  • 要点
    3
    運を高めるには、外界に対して常にオープンで、一見無価値に見えるものも広い心でとり込んでいく「渦巻き思考」を身につけることが重要だ。
  • 要点
    4
    バッファ、遊びがあるからこそ、面白くなる要素が後から入り込みやすくなる。

要約

開運の仕組みは論理的に説明できる

神社に「お願いする」のではなく「プレゼンする」
44kawa/iStock/Thinkstock

占いの目的の大半は、開運である。開運と聞いて「うさんくさい」と思う人もいるだろう。しかし、開運の仕組みは論理的に説明できる。運とは、完全な他力本願や神頼みで手に入れるものではなく、他人や外部環境を利用しながら、自ら切り開くものだからだ。

角田さんは、自分の希望を叶えてくださいと神社にお願いするのではなく、プレゼンすることで運が開くという。「願いを叶えていただいたら、世のため人のため、そして自分のために、こんないいことが起こります!」と伝えるのだ。

現に彼は、箱根の芦ノ湖畔にある九頭龍(くずりゅう)神社に、毎月13日の「月次祭(つきなみまつり)」という神事のタイミングで参拝し、これまで様々な願いを叶えてきたという。月次祭の祝詞が奏上されている数十分間、頭を垂れたまま、これからすべきことや具体的なビジョンを脳内にイメージする。つまり、神様へのプレゼンの最中に、行動指針を反すうすることで、脳が目的達成のための仕様に徹底的にチューニングされていくわけだ。また、わざわざ、その場にその時間に行くことで、自分の中の覚悟が決まる。さらには、その面倒なことにコミットしたという事実が脳内を活性化させ、結果として願いが叶う。まさに願いを叶えるテクニックといっていいだろう。

これと同じように、角田さんが接してきた「運がつきまくっている」芸能人や文化人の言動や思想にも、運を引き寄せる仕組みが内包されている。この開運のテクニックを記したのが「運の技術」というわけだ。

【必読ポイント!】 運は「自分で開く」もの

「運を上げる」とは「自分ごと化する」こと

角田さんと25年来の付き合いになる明石家さんまさんは、「めちゃくちゃいい人だけど、めちゃくちゃ恐い」人だという。なぜ恐いのか。それは、自分の名前で番組を背負って勝負しているからだ。さんまさんがMCを務めていた『さんまのSUPERからくりTV』がつまらないと評価されれば、たちまち自分自身もつまらないことになってしまう。そのため、番組への理解力もコミット力も半端なく、番組作りに厳しくなり、それが運を上げることにつながっているという。

「運を上げる」とは「自分の名前で勝負すること」であり、何事も「自分ごと化」するのと同義である。たとえば、仕事上で相手に無理をお願いするときに、「すみません、こっちも仕事なんで」「一応、そういう決まりでして」という人は、責任を負っていない。自分の名前で仕事をしていれば、「僕の顔に免じて許してください」という言葉が出るはずだ。運を上げたいのなら、所属組織に甘えず、自分の名前で勝負できる人でありたい。

チャーミングであれ!
ASIFE/iStock/Thinkstock

世の中には同じことをいっても、許される人とそうでない人がいる。めざすべきは「いっても許される、チャーミングなキャラ」だ。人懐っこさを身につければ、チャーミングさが増し、人が寄ってきて、チャンスを運んでくる。

また、「なんでも口に入れてみる気質」も、チャーミングさを押し上げてくれる。とにかく流行に首を突っ込んでみる、誘いには可能な限り乗ってみるとよい。開運のためには、チャーミングであれ。

不運とうまくつき合うことに力を注ぐ

不運が降りかかるのを避けたいと思う人は多い。とはいえ、「厄払い」すればいい、というわけでもない。芸能人の中にはあえて厄払いしない人が多い。それは厄を捨てると、運も一緒に捨てることになると考えているためだ。著者がトーク番組『オトナの!』(現在は『オトナに!』)を一緒にやっている、クリエイターいとうせいこうさんは「厄という犬を飼い慣らす」という表現を用いる。彼によると、厄と同居したまま、それをどう飼いならすかが大事だという。

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要約公開日 2018.07.24
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