武器になる哲学
人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

未 読
武器になる哲学
ジャンル
著者
山口周
出版社
定価
1,760円(税込)
出版日
2018年05月18日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
著者
山口周
未 読
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定価
1,760円(税込)
出版日
2018年05月18日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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おすすめポイント

あなたの周りにも、分析や視点が鋭い人がひとりはいるのではないだろうか。同僚や友人のみならず、冷静な論考が特徴のブロガー、テレビでよく見かけるコメンテーター、新聞で連載しているコラムニストなど、きっと思い浮かぶ人がいるだろう。

では、彼らのような鋭い視点は、どうすれば身に付けることができるのだろうか。孔子は『論語』の中で、「述べて作らず、信じて古を好む」と主張している。つまり、自力の創作よりも過去の偉人が残した古典を咀嚼し自分の知識にするほうがよいということだ。孔子ですら、自分よりも古典のほうがすばらしいと認めていたのだ。私たちにとっては言わずもがなであろう。

本書では、知の偉人たちの鋭い指摘が50個紹介されている。本書に際立って特徴的なのは、50個のコンセプトについて、ビジネスシーンや日常生活においてどう活用できるかが明確であることだ。コンサルタント出身の著者・山口周氏は、実際に、哲学を学ぶことで、ビジネスシーンにおいてさまざまなメリットがあったという。クライアントから「よくそんなこと、思いつきましたね」とアイデアを賞賛されたり、「いま、何が起きているのか」という問いに対して答えを導き出すヒントを得られたりしているそうだ。

哲学に挫折した経験がある人も、安心してお読みいただきたい。本書は知的スリリングさに満ちた、先をグイグイ読み進めたくなる稀有な哲学入門書である。

ライター画像
若旦那

著者

山口 周(やまぐち しゅう)
1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。株式会社モバイルファクトリー社外取締役。一橋大学経営管理研究科非常勤講師。『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』(KADOKAWA)、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?――経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)など、著書多数。神奈川県葉山町に在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    哲学者の考察から得るべきは、プロセスからの学びだ。哲学者がどのようにして考え、結論に至ったのかという思考や問いの立て方を学ぶべきだ。
  • 要点
    2
    社会心理学者セルジュ・モスコヴィッシは、差別が生まれるのは、異質性でなく同質性が高いからだと指摘する。格差や差別によって生じる妬みは、社会や組織の同質性が高まれば高まるほど生まれる。
  • 要点
    3
    計算機学者アラン・ケイは、「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」という。「未来はどうなるか」という問いではなく「未来をどうしたいか」という問いが重要だ。

要約

哲学という道具

哲学から何を学ぶべきか
leolintang/iStock/Thinkstock

哲学者の考察は、「問いの種類」と「学びの種類」という2つの軸に沿って整理することができる。問いの種類には、「What」と「How」の2つがある。「What」の問いは「世界はどのように成り立っているのか」を問うもので、「How」の問いは「私たちはどのように生きるべきなのか」を問うものだ。

「学びの種類」にも2種類あり、それは「プロセス」と「アウトプット」である。プロセスとは、その哲学者がどのようにして考え、最終的な結論に至ったかという思考のプロセスや問題の立て方を指す。アウトプットとは、その哲学者が論考の末に最終的に提案した回答や主張を意味する。

古代ギリシアの哲学者たちが導き出した「アウトプット」の1つに、「世界は4つの元素から成り立っている」という指摘がある。今の私たちにとって、このアウトプットから学ぶものはなにもないだろう。

その一方で、彼らがどのように世界を観察し、考えたかというプロセスからは、みずみずしい学びがある。アナクシマンドロスという哲学者は、「大地は水によって支えられている」という当時の定説に疑問を抱いた。大地が水によって支えられているなら、その水もまた何かに支えられている必要があるからだ。結果として彼は、「地球は何物にも支えられておらず、宙に浮いている」という結論に至った。

彼の結論は的外れのものであった。しかし、彼が示した知的態度や思考のプロセスは、現在の私たちにとっても大いに刺激になるだろう。

つまり、現代の私たちが哲学者の論考から学ぶにあたっては、プロセスからの学びこそが「ミソ」である。アウトプットからの学びはむしろ、刺身のツマのようなものだ。

【必読ポイント!】「人」に関するキーコンセプト

ルサンチマン
SIphotography/iStock/Thinkstock

ルサンチマンとは、弱い立場にあるものが強者に対して抱く嫉妬、怨恨、憎悪、劣等感などのおり混ざった感情のことを指す。これは、哲学者フリードリッヒ・ニーチェが提示した概念である。

ルサンチマンを抱えた人は、その状況を改善しようとして次の2つの反応を示す。

(1)ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する:みんなが高級ブランドのバッグを持っているのに自分だけが持っていない場合、自分も同格のブランドバックを購入するといった反応。

(2)ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる:「高級フレンチで食事する人は成功者だ」という価値判断を転倒させるため、「高級フレンチなんて行きたいと思わない、サイゼリヤで十分だ」と発言するといった反応。

ニーチェによると、ルサンチマンを抱えた人は、

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