モビリティー進化論
自動運転と交通サービス、変えるのは誰か

未 読
モビリティー進化論
ジャンル
著者
アーサー・ディ・リトル・ジャパン
出版社
定価
1,944円
出版日
2018年01月17日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.5
応用性
3.5
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モビリティー進化論
モビリティー進化論
自動運転と交通サービス、変えるのは誰か
著者
アーサー・ディ・リトル・ジャパン
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定価
1,944円
出版日
2018年01月17日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.5
応用性
3.5
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レビュー

自動車業界は現在、100年に1度の大変革期にあるといわれている。この変革は、単にクルマの技術的変化にとどまらず、周辺産業も巻き込んだバリューチェーン構造の再編につながるとされる。

特に注目すべき変化は次のようなものだ。第一に、自動車が車外の情報ネットワークに接続されることでさまざまなサービスが付加できるコネクティッド化や、自動運転技術の進化など、人・社会との「インターフェイス」の変化。第二に、自動車の価値が所有から使用へとシフトする「使い方」の変化だ。これはカーシェアリングやライドシェアリングなど、新しいタイプのモビリティーサービスの勃興によるものである。

これらの変化は、クルマを開発・生産することで利益を得るという、自動車メーカーの既存のビジネスモデルを、根本から覆す可能性を秘めている。もちろん、自動車産業に直接従事する人のみに関係するものではない。社会の交通システムの全体最適化という観点からすると、行政・ディベロッパー・モビリティーサービス事業者はもちろん、一般市民を含む、多くのステークホルダーが理解しておくべき事柄といえる。

本書は、アーサー・ディ・リトルの組織能力をフルに活用し、日本のみならず、米国、欧州、中国、インドなど、各国での「自動運転」と次世代型「モビリティーサービス」の普及シナリオを詳細に描き出す。同時に、既存のビジネスへの影響を評価して、その対応策を提案している。その分析は実によく整理されている。一読すれば、人・社会とモビリティーの未来について多くの示唆を得られるに違いない。

弘末 春彦

著者

鈴木 裕人(アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー)
アーサー・ディ・リトル・ジャパンにおける自動車・製造業プラクティスのリーダーとして、自動車、産業機械、エレクトロニクス、化学などの製造業企業における事業戦略/技術戦略の策定支援、経営・業務改革の支援を担当。近年は、自動車業界にとどまらず、モビリティー領域に関する事業構想支援、アライアンス支援、技術変化に備えたトランスフォーメーションなどを多く手がける。

立川 浩幹(元アーサー・ディ・リトル・ジャパン コンサルタント)
アーサー・ディ・リトル・ジャパンでは自動車、機械・FA、エレクトロニクスなどの製造業企業における事業戦略/技術戦略の策定支援、経営・業務改革の支援およびオペレーション戦略策定および実行支援、知的財産マネジメントなどを担当。特に自動車・モビリティー産業を中心に電動化・自動化・サービス化などの変曲点を踏まえ、企業・組織変革を多面的に支援してきた。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン
アーサー・ディ・リトル(ADL)は1886年、マサチューセッツ工科大学のアーサー・D・リトル博士により、世界初の経営コンサルティングファームとして設立された。アーサー・ディ・リトル・ジャパン(ADLジャパン)は、その日本法人として1978年の設立以来、四半世紀一貫して“企業における経営と技術のありかた”を考え続けてきた。
経済が右肩上がりの計画性を失い、他にならう経営判断がもはや安全策ですらない今、市場はあらためて各企業に“自社ならではの経営のありかた”を問うているように思える。自社“らしさ”に基づく全体の変革を見据えた視点と、戦略・プロセス・組織風土、あるいは事業・技術・知財をまたぐ本質的革新の追求。
ADLは“イノベーションの実現”を軸に蓄積した知見を基に、高度化・複雑化が進む経営課題に正面から対峙していく。

本書の要点

  • 要点
    1
    深刻な高齢化や過疎化の問題を抱える日本では、社会的課題の解決のために、自動運転や新型モビリティーサービス導入の必然性が高い。
  • 要点
    2
    カーシェアリングとライドシェアリングという新型モビリティーサービスが、各国で勃興している。
  • 要点
    3
    自動運転の実現には、ソフト・ハード両面の技術的課題に加え、事故の際の補償制度の整備も課題となる。
  • 要点
    4
    自動運転と新型モビリティーサービスの普及により、日本では、数十万台規模の新車需要の減少が予想される。

要約

交通システムで解決すべき社会的課題・ニーズ

求められる交通システムの変革
Petmal/iStock/Thinkstock

自動運転と、カーシェアリングやライドシェアリングなどの新型モビリティーサービスは、今後どう普及していくのか。まずは、前提となる観点を整理しよう。

第一の観点は、「交通システムで解決すべき社会的課題・ニーズ」と、その「国ごとの違い」だ。自動運転や新型モビリティーサービスによる交通システム変革が求められる理由は何か。まずは、個人の利便性や個別事業者の生産性向上といった、ミクロレベルのニーズがあるからだ。同時に、よりマクロな社会的課題の解決への貢献が期待されている。

自動運転や新型モビリティーサービスの普及には、法整備やインフラ整備などの点で、各国政府や地方自治体の関与が欠かせない。そうした公共部門が積極的に関与するためにも、社会的課題の解決に貢献するという大義が必要になる。

自動運転に期待されているのは、直接的には「交通事故の削減」や「交通渋滞の減少」だ。渋滞を減らした結果として、新興国で深刻化している「大気汚染の軽減」や「CO2排出量の削減」も期待できる。つづいて運輸・物流業界では、「不足する労働者(=運転者)の代替」という効果が見込める。

他方で、新型モビリティーサービスへの期待としては、「高齢化・過疎化に伴う交通弱者対策」が挙げられる。欧米などの一部先進国では、「貧困に伴う交通弱者対策」になるだろう。

また、こうした自動運転や新型モビリティーサービスが、他の政策手段よりもコスト的に優位ならば、「財政負担の軽減」にもつながり得る。

各国で異なる重要度

こうした社会的課題のうち、どれがどのくらい深刻なのかは、国により状況が異なる。「高齢化」やそれに伴う「労働力不足」は、先進国や将来的には中国などの新興国にも共通の課題だ。特に日本では、欧州諸国より約10年、米国より約20年、中国より約30年先行して、問題が顕在化しつつある。

また、「過疎化」が社会問題化しているのは、先進国の中でも日本だけである。もちろん「交通事故の削減」は、各国共通の課題だ。だが、先進国ではシートベルトの着用義務化やエアバッグなどの安全装備の普及により、事故数は減少傾向にある。最近では自動緊急ブレーキなどの普及が、より即効性のある解決策になっている。

このように見ると、自動運転や新型モビリティーサービス導入の必然性が相対的に高いのは、実は日本なのである。よって日本では、これらの変革を社会政策の一部として進める意義がかなり大きい。

勃興する新たなモビリティーサービス

カーシェアとライドシェア
Tero Vesalainen/iStock/Thinkstock

新型モビリティーサービスの市場は拡大しつつある。新型モビリティーサービスは、利用者が自分で運転する車を借りるカーシェアリングと、運転者付きの車に乗客として乗るライドシェアリングとに大別できる。

カーシェアリングには、借りた場所に返す「ステーションベース型」(日本で主流)と、決められた場所に乗り捨てできる「フリーフローティング型」(欧州で主流)とがある。これらは事業者が保有する車両を貸し出すサービスだ。今では、自家用車が空いている時間に個人間で貸し借りをする「PtoP型」のサービスも徐々に登場している。

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