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ミライを変えるモノづくりベンチャーのはじめ方の表紙

ミライを変えるモノづくりベンチャーのはじめ方


本書の要点

  • モノづくりベンチャーが研究やビジネスのタネを探す際は、「これをなし遂げたい」という「熱い目的・課題」を見つけることが重要となる。

  • 丸氏がベンチャーを支援するうえで重視するのは、どれだけスケールの大きな夢を明確に語れるか、そしてその「夢」に対してどれだけ泥臭い第一歩を踏み出せるかである。

  • ベンチャーに向いている人は、達成したい目標にたどり着くまでの方法をたくさん考えられる、「諦めの悪い人」だ。

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【必読ポイント!】 「解」は転がってはいない、だから一緒に考える

道を切り拓くのは創業者の「熱い想い」

モノづくりベンチャーが研究やビジネスのタネを探す際、どこに目をつければいいのか。

まずは、バイオベンチャー、ユーグレナの事例を紹介する。丸氏の大学時代の友人、出雲充氏は、世界で初めてミドリムシの食用屋外大量培養に成功した。そして、ユーグレナ社の一部上場までこぎ着けた。

出雲氏はミドリムシにこだわっていたわけではない。そもそも当初は、ミドリムシの存在すら知らなかった。起爆剤になったのは、自身のバングラデシュでの経験から生まれた、「人類を飢えから救いたい」という強い想いだった。

手持ちの技術・知識(シーズ)ありきで事業を進めても、まずうまくいかない。また、単なるニーズに応えるだけでも不十分だ。大事なのは、「これをなし遂げたい」という「熱い目的・課題」を見つけることである。

課題を解決できる人を全国から探し出せ

oatawa/iStock/Thinkstock

「リバネス」が手掛ける事業の柱の1つは、世界の課題解決ができる人を探し当てることだ。丸氏が重視するのは「QPMIサイクル」である。個人に、クエスチョン(Q=課題)とパッション(P=熱)がない限り、メンバー(M)とミッション(M)は集まらない。これらがすべてそろうと、イノベーション(I)が生まれやすくなる。

ユーグレナの場合は、出雲氏が大きな課題と情熱をもっていた。そこに、事業化をめざす人と研究者をつなげる役割の丸氏と、藻類を使った培養の専門家である鈴木健吾氏が引き寄せられた。これが発端となり、日本の3人の最先端研究者が、解決すべきテーマについて一緒に考えてくれるようになったのだ。

起業と創業、どちらをめざすのか?

ベンチャーをはじめるにあたり、起業と創業、いずれをめざすのかは区別したほうがよい。起業の場合は、すでにビジネスモデルが確立されている。例えば、飲食店の経営をする、IT系ベンチャーを旗揚げするといったことだ。将来、そのビジネスを売却してお金にしてもいいと考えるのなら、丸氏は断然「起業」をすすめる。また、本来やりたい事業があって、そのための資金を確保したい場合にも、起業が適しているという。

一方、「創業」は「新たな業を創る」ことを指す。モノづくり系ベンチャーでは、「創業」タイプが多くなる。一例として、丸氏が投資をした、孤独の解消ロボット「OriHime」を開発するオリィ研究所を挙げよう。このロボットは手を動かすだけで、足もない。そのため人間に運んでもらわないといけない。物ももてず、愛嬌もなく、何らかの実用的機能もない。おまけにレンタル料は月2、3万円。しかし、利用者は涙を流して喜び、ロボットの注文がひっきりなしにくるという。これこそ、誰も試したことのない、新たなロボット事業の「創業」といえる。

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「最強軍団」を集める

ビジョンを語り、泥臭い一歩を踏み出せるか

nd3000/iStock/Thinkstock

ベンチャーをはじめるなら、中核を担う創業メンバーを3人以上集めることが必要だ。これをクリアしたら、そのベンチャーが取り組む課題、熱をチームで明らかにし、長期的なミッションを掲げる。最初にゴールが明確に描けていればいるほど、達成までの長い道のりも苦ではなくなる。

丸氏がベンチャーを支援するうえで重視するのは、次の2点だ。1つ目は、どれだけスケールの大きな夢を明確に語れるか。そして2つ目は、その「夢」に対してどれだけ泥臭い第一歩を踏み出せるかである。

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要約公開日 2018.08.20
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