ミライを変えるモノづくりベンチャーのはじめ方

未 読
ミライを変えるモノづくりベンチャーのはじめ方
ジャンル
著者
丸幸弘
出版社
実務教育出版 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年09月25日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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ミライを変えるモノづくりベンチャーのはじめ方
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丸幸弘
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定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年09月25日
評点
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4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
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レビュー

ミドリムシで上場したバイオベンチャー「ユーグレナ」。著者の丸幸弘氏(リバネスCEO)は、その立ち上げ時から技術顧問として同社を支えてきた人物だ。これまでベンチャー支援の中で、起業・創業の成功と失敗の事例を数多く見てきた。うまくいっているベンチャーの共通項は何か? それは、世の中の課題をしっかりとつかめているかだ。課題が明確なら、解決のためのルートや、自分が果たすべき役割が見えてくるからである。

本書の魅力は、なんといっても「モノづくりベンチャー」のはじめ方に特化しているという点だ。一般的に、ベンチャーの起業で成功確率が高いのは、IT分野だといわれる。すでに大きな市場が形成されており、成功するビジネスモデルがあるからだ。資金も少なくて済むし、成否も早めに出る。それに比べて、モノづくりベンチャーは研究や設備投資などにお金がかかるし、結果が出るまでの期間も長い。だが、これだけハードルが高くとも、モノづくりベンチャーだからこそ解決できる課題は多い。社会をよくするために欠かせない存在、それがモノづくりベンチャーだ。

台風発電の「チャレナジー」、分身ロボットで孤独を解消する「オリィ研究所」、そして、腸内デザインで病気ゼロをめざす「メタジェン」。本書には、リバネスが支援してきた、独自技術をもつ数々の有望なベンチャーが登場する。その成長ノウハウが、「ここまで明かしていいのか」と思うほど、惜しみなく公開されている。モノづくりベンチャーを志す人にとって、確固たる行動指針を得られる必読の一冊だ。

松尾美里

著者

丸 幸弘(まる ゆきひろ)
1978年横浜市生まれ。幼少期の4年間をシンガポールで過ごす。06年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。02年に理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立し、日本で初めて「最先端科学の出前実験教室」をビジネス化。世界から研究者の知を集めるインフラ「知識プラットフォーム」を通じて、200以上のプロジェクトを進行させる。立ち上げからユーグレナの技術顧問を務め、30社以上のベンチャーの立ち上げに携わる。経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から認定を受けているリアルテックファンドの共同代表も務める。著書に『世界を変えるビジネスは、たった1人の「熱」から生まれる。』(日本実業出版社)『「勘違いする力」が世界を変える。』(リバネス出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    モノづくりベンチャーが研究やビジネスのタネを探す際は、「これをなし遂げたい」という「熱い目的・課題」を見つけることが重要となる。
  • 要点
    2
    丸氏がベンチャーを支援するうえで重視するのは、どれだけスケールの大きな夢を明確に語れるか、そしてその「夢」に対してどれだけ泥臭い第一歩を踏み出せるかである。
  • 要点
    3
    ベンチャーに向いている人は、達成したい目標にたどり着くまでの方法をたくさん考えられる、「諦めの悪い人」だ。

要約

【必読ポイント!】 「解」は転がってはいない、だから一緒に考える

道を切り拓くのは創業者の「熱い想い」

モノづくりベンチャーが研究やビジネスのタネを探す際、どこに目をつければいいのか。

まずは、バイオベンチャー、ユーグレナの事例を紹介する。丸氏の大学時代の友人、出雲充氏は、世界で初めてミドリムシの食用屋外大量培養に成功した。そして、ユーグレナ社の一部上場までこぎ着けた。

出雲氏はミドリムシにこだわっていたわけではない。そもそも当初は、ミドリムシの存在すら知らなかった。起爆剤になったのは、自身のバングラデシュでの経験から生まれた、「人類を飢えから救いたい」という強い想いだった。

手持ちの技術・知識(シーズ)ありきで事業を進めても、まずうまくいかない。また、単なるニーズに応えるだけでも不十分だ。大事なのは、「これをなし遂げたい」という「熱い目的・課題」を見つけることである。

課題を解決できる人を全国から探し出せ
oatawa/iStock/Thinkstock

「リバネス」が手掛ける事業の柱の1つは、世界の課題解決ができる人を探し当てることだ。丸氏が重視するのは「QPMIサイクル」である。個人に、クエスチョン(Q=課題)とパッション(P=熱)がない限り、メンバー(M)とミッション(M)は集まらない。これらがすべてそろうと、イノベーション(I)が生まれやすくなる。

ユーグレナの場合は、出雲氏が大きな課題と情熱をもっていた。そこに、事業化をめざす人と研究者をつなげる役割の丸氏と、藻類を使った培養の専門家である鈴木健吾氏が引き寄せられた。これが発端となり、日本の3人の最先端研究者が、解決すべきテーマについて一緒に考えてくれるようになったのだ。

起業と創業、どちらをめざすのか?

ベンチャーをはじめるにあたり、起業と創業、いずれをめざすのかは区別したほうがよい。起業の場合は、すでにビジネスモデルが確立されている。例えば、飲食店の経営をする、IT系ベンチャーを旗揚げするといったことだ。将来、そのビジネスを売却してお金にしてもいいと考えるのなら、丸氏は断然「起業」をすすめる。また、本来やりたい事業があって、そのための資金を確保したい場合にも、起業が適しているという。

一方、「創業」は「新たな業を創る」ことを指す。モノづくり系ベンチャーでは、「創業」タイプが多くなる。一例として、丸氏が投資をした、孤独の解消ロボット「OriHime」を開発するオリィ研究所を挙げよう。このロボットは手を動かすだけで、足もない。そのため人間に運んでもらわないといけない。物ももてず、愛嬌もなく、何らかの実用的機能もない。おまけにレンタル料は月2、3万円。しかし、利用者は涙を流して喜び、ロボットの注文がひっきりなしにくるという。これこそ、誰も試したことのない、新たなロボット事業の「創業」といえる。

「最強軍団」を集める

ビジョンを語り、泥臭い一歩を踏み出せるか
nd3000/iStock/Thinkstock

ベンチャーをはじめるなら、中核を担う創業メンバーを3人以上集めることが必要だ。これをクリアしたら、そのベンチャーが取り組む課題、熱をチームで明らかにし、長期的なミッションを掲げる。最初にゴールが明確に描けていればいるほど、達成までの長い道のりも苦ではなくなる。

丸氏がベンチャーを支援するうえで重視するのは、次の2点だ。1つ目は、どれだけスケールの大きな夢を明確に語れるか。そして2つ目は、その「夢」に対してどれだけ泥臭い第一歩を踏み出せるかである。

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