the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

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出版社
東洋経済新報社

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出版日
2018年08月09日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。これらの企業とまったく関わりをもたずに生活している人は、おそらくほとんどいないだろう。この20年ほどでテクノロジー界の「四騎士」は大躍進し、世界のあり方を大きく変えた。

本書は「四騎士の時代」のいまとこれからを考えるものである。四騎士の出自や戦略を分析することは、デジタル時代のビジネスへの理解に直結すると著者は主張する。四騎士はテクノロジーを駆使し、人間の本能を利用し、法の抜け道をくぐって成功してきた。四騎士の事業である検索、ブランド、ソーシャルネットワーク、小売りのあり方を考えることは、現代のビジネスそのものを考えることだといっても過言ではない。

本書では四騎士それぞれのビジネスについて詳細に考察されているほか、「第五の騎士」になり得る企業の検討、四騎士以後の世界で生き延びるために必要なスキルなども紹介されており、読み応えたっぷりである。

輝かしい成功の裏で、情報管理の問題や技術の盗用、さまざまな責任逃れや脱税など、多くの負の側面を抱えている四騎士。彼らの登場によって便利な生活を手に入れた一方で、わたしたちは何を手放してきたのだろうか。

日々変化するデジタル時代を生きる、ビジネスパーソン必読の一冊だ。

ライター画像
池田明季哉

著者

スコット・ギャロウェイ (Scott Galloway)
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としてL2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業。ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピュータなどの役員も歴任。
2012年、クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』著者)、リンダ・グラットン(『ライフ・シフト』著者)らとともに「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出。
YouTubeで毎週公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇るほか、TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions(アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」は200万回以上閲覧された。

本書の要点

  • 要点
    1
    グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの「四騎士」は世界のあり方を大きく変えた。その影響を避けることはできない。テクノロジーに興味がなくとも、「四騎士」を理解することは、デジタル時代の今後を生き抜くために不可欠である。
  • 要点
    2
    四騎士は、差別化した製品、大きなビジョン、高い好感度、膨大なデータとそれを活用するAIという点で、大きな成功を収めている。
  • 要点
    3
    グローバル化した四騎士以後の世界では、超優秀な人材のチャンスが増える一方で、「凡人」は苦戦を強いられることになる。

要約

世界を創り変えた四騎士

GAFAが変えた世界
Antiv3D/iStock/Thinkstock

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンはテクノロジー業界の四強だ。これらの巨大企業は、この20年ほどで世界のあり方を大きく変えてきた。

アマゾンはネットショッピングと宅配によって買い物の手間を減らし、小売業の市場を独占。顧客がつけるレビューによって宣伝のコストを減らして流通に専念し、「地球上最大の店舗」になろうとしている。

アップルは宗教のように熱狂的なファンをもち、低コストの製品をプレミアム価格で売ることに成功した。スティーブ・ジョブズはもはやキリストのような存在であり、アップル製品をもっているというだけで「イノベーティブな人」になれるというイメージを確立している。

フェイスブックは、普及率と使用率でいえば人類史上もっとも成功している企業だ。世界人口75億人のうち、12億人が毎日フェイスブックとの関わりをもっている。個人が発信している膨大な情報を、フェイスブックは所有しているわけである。

グーグルは現代人の知識の源だ。世界中の人々からもっとも多くの質問をされている、全知全能の神である。グーグルは使われるほどに価値を増す。毎日20億人がグーグルを使うことで、日々検索の精度は向上している。

これらの企業は人類に幸せをもたらすのだろうか。それとも地上の人間を殺す権威を与えられた、ヨハネの黙示録の「四騎士」となるのだろうか。

いずれにせよ四騎士は世界に多大な影響を与えており、その存在を無視することはできない。これからの世界を生き延びるためには、彼らを理解することが絶対条件だ。

四騎士はペテン師から成り上がった

「盗み」によって新たな価値を創り出す

猛烈なスピードで価値を生み出して発展した大企業は、ルール違反をしていることが多い。政府をだまして助成金を引き出したり、知的財産を盗用したりしているケースが目立つ。これは四騎士も例外ではない。とくに技術の盗用は、企業の発展に大きな役割を果たす。

アップルはゼロックスのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使って、「普通の人々のためのコンピューター」を生み出した。これはゼロックスの技術を使っているが、ゼロックスにはできなかったことだ。他にもシナプティクスのタッチスクリーン、P.A.Semiの省電力チップなど、アップルの技術の多くは、買ったりライセンスを受けたりしたものである。

若い企業は技術を盗んで大きくなる。それは単に盗用するというだけでない。他の人には見えない価値をその技術に見出し、他の人には引き出せない価値を引き出している。四騎士は必要とあらば、どんな手を使ってでもそれをやり遂げてきたのだ。

イノベーションは法律では止まらない
FreedomMaster/iStock/Thinkstock

配車サービスであるウーバーは、明らかに法律違反をしており、アメリカのさまざまな地域で業務停止命令が出されている。これまでタクシーに適用されていた規則を免れているだけでなく、労働法の規定も免れている。しかしそれでも利用者は増える一方だ。単純にサービスがすぐれているからである。便利なサービスがあれば、消費者はそれをどうにかして使おうとする。そして最終的には、法律のほうが変わることになるのだ。

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要約公開日 2018.09.26
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