確率思考
不確かな未来から利益を生みだす

未 読
確率思考
ジャンル
著者
アニー・デューク 長尾莉紗(訳)
出版社
定価
2,052円
出版日
2018年09月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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不確かな未来から利益を生みだす
著者
アニー・デューク 長尾莉紗(訳)
未 読
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出版社
定価
2,052円
出版日
2018年09月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

本書の原題は“Thinking in Bets: Making Smarter Decisions When You Don't Have All the Facts”だ。このサブタイトルが示すように、「私たちはどのようにしたら、“より質の高い意思決定(Smarter Decisions)”ができるか」が本書の中心的なテーマとなる。

ここで注意してほしいのが、メインタイトルにも使われている“Bets”という言葉だ。Betsは通常「賭け」と訳され、本書でもその訳語が与えられているが、「賭け」という言葉からはギャンブルや賭博、「一か八かの賭け」といった、ポジティブではないニュアンスを受け取る方も少なくないかと思う。

しかし本書における「賭け」とは、「きわめて意識的におこなわれる高度な意思決定」という意味をも含んでいる。そうした高度な意思決定の仕方を、著者はポーカーというゲームから学んだという。そしてすぐれたプロのプレーヤーとして名を馳せたのち、いまはそこで得た知見を社会に還元するべく活動を続けている。本書の執筆もその活動の一環といえるだろう。

私たちの人生はあらゆる意思決定の連続だ。にもかかわらず私たちはしばしばその場の感情に左右されてしまい、あまりにも無自覚に意思決定をしている。

意思決定の質を高めることが、ビジネスや私生活において、どれほど重要かつ有用なことか。本書をひもとくことで、その事実をあらためて確認できるであろう。

しいたに

著者

アニー・デューク (Annie Duke)
ワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)やNBCナショナル・ヘッズアップ・チャンピオンシップなど世界最高峰の大会で優勝した経験を持つ、数少ない女性ポーカープレーヤー。現役引退後は、ポーカーの競技経験と大学・大学院で学んだ心理学の知見を活かして、意思決定のコンサルタントとして活躍。非営利団体「How I Decide」を主宰し、青少年の考える技術を向上させる慈善事業にも従事している。コロンビア大学で英文学と心理学専攻、ペンシルベニア大学で認知心理学の修士号を取得。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちは「良い結果」につながったものを「良い意思決定」と見なしがちだ。しかし意思決定の内容と結果はつねに相関するわけではない。
  • 要点
    2
    どんなに「良い意思決定」をしたとしても、その時点では把握できていない情報や運が結果を左右することもある。しかも私たちの意思決定は、さまざまな心理的バイアスの影響を受けてしまう。
  • 要点
    3
    意思決定の質を向上させることは、あくまでも良い結果をもたらす「可能性を高める」手段であって、良い結果を「保証する」わけではない。しかし意思決定の質を向上させるべく努力しつづければ、いずれ人生やビジネスに大きな影響をもたらすだろう。

要約

「正しい」と「間違い」を定義しなおす

不確実な現実を無視した白黒思考
wildpixel/gettyimages

2016年の米国の大統領選挙は、多くの人にとってまだ記憶に新しい。事前の世論調査の結果から、多くの調査会社はヒラリー・クリントンの当選を予想しており、その確率は60~70%と見積もられていた。

だからドナルド・トランプが当選すると、マスコミや世間はいっせいに調査会社をなじった。「調査会社はミスをした」「ブックメーカーは間違いだった」というわけだ。しかしそれは30~40%というトランプ勝利の可能性が実現しただけにすぎない。それにもかかわらずメディアは、誰かがクリントンの勝利を事前に100%保証し、そしてその予測が誤ったかのように報じたのである。

私たちは結果を見たあとだと、事前に「どちらの可能性もある」と言われていたことを忘れてしまう。これは典型的な「後知恵バイアス」であり、不確実な現実を無視したオール・オア・ナッシング、すなわち「白黒思考」に他ならない。事前予想では0%から100%までさまざまな可能性が考えられたのに、結果が出るとそれを無視してしまうのだ。

「間違い」にはグラデーションがある

この選挙結果のように、30%~40%という確率の出来事が実現するのは決して珍しいことではない。私たちは経験上、そのことを知っているはずである。にもかかわらずその事実は無視されてしまうことが多い。

私たちは結果だけを見て、その判断が100%正解だったか、それともまったく間違っていたのかを評価しがちだ。しかし「確率」という観点では、正解と間違いのあいだには大きな幅がある。「意思決定には正解と誤りしかない」という考えを捨てたとき、両極のあいだを行き来できる自由が手に入れる。より良い意志決定について考えることは、白か黒かで判断するのをやめ、あいだのグレーに色調の目盛りをつけることなのだ。

「意思決定は未来に対する賭け」だと考えよう。そうすれば一度の結果の良し悪しで、それが「正しかった」か「間違っていた」かと判断することはなくなる。なぜなら意志決定そのものが正しくても、運や情報の不完全性が結果に影響すると考えられるようになるからだ。

「苦痛」を手放すために「快感」を手放す

物事を確率論的に考えられるようになれば、たとえ結果が悪かったとしても、そこから感じるあらゆる苦痛から解放されるだろう。結果が悪かったからといって自分が間違っていたわけではないし、結果が良かったからといって自分が正しかったわけでもないのである。

たしかに「自分は正しい」「こうなると思っていた」「ほら、言っただろう」と言うのは気持ちがいいことだ。しかし「間違う」ことの苦痛から解放されるためには、こうした「正しい」ことへの快感も手放さなければならない。そしてこの快感を手放すということは、私たちの判断を曇らせる、さまざまなバイアスから解放されるということでもある。

【必読ポイント!】 なぜ私たちの判断は歪むのか

意図的な理由づけ
francescoch/gettyimages

質の高い意思決定をするためには、物事や状況をできるだけ客観的に見なければならない。しかし往々にして、私たちのもつ主観がその妨げとなる。

私たちの主観を形成するメカニズムは、じつのところかなり単純だ。最初に得られた情報を真実と判断するのが私たちの初期設定である。そして新しい情報が入ると、それに合わせて主観を変えるのではなく、最初に形成された主観に合うように情報をねじ曲げて解釈してしまう。自分の主観に真っ向から対立する事実があったとしても、私たちはその事実を簡単には受け入れない。とにかく自分を肯定し、すぐれた自己イメージを保ちたいからだ。自分が「間違っている」ことは、その自己イメージにそぐわないのである。

ここでもオール・オア・ナッシングの思考が垣間見える。

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アニー・デューク 長尾莉紗(訳)
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2018年09月17日
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