物語でわかる ベンチャーファイナンス入門

未 読
物語でわかる ベンチャーファイナンス入門
ジャンル
著者
中井透
出版社
中央経済社
定価
2,420円(税込)
出版日
2013年03月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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物語でわかる ベンチャーファイナンス入門
物語でわかる ベンチャーファイナンス入門
著者
中井透
未 読
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ジャンル
出版社
中央経済社
定価
2,420円(税込)
出版日
2013年03月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
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レビュー

著者は、大学で経営戦略論、ベンチャー企業論及び財務管理論等の講義を20年以上担当し、ファイナンスに関する経営コンサルタントや研修の講師を25年以上担当している。本書は、そうした著者が、経営戦略論やベンチャー企業論に比して、財務管理論(ファイナンス)が「分かったつもりになりにくい」学問で、「腑に落ちにくい」のではないか、との問題意識から生まれた本である。

本書は、社会人10年目の船出君が脱サラして起業し、起業から資金調達、利益創出、株式公開(結果として売却を選択)までの一連の動きを、ファイナンスが専門のゼミの教授に相談しながら進めて行く、というストーリー仕立てになっている。そして、各ストーリーの後に、そのストーリーで触れられた考え方が説明されている。

本書の特長は、とにかく「わかりやすさ」に尽きる。これまで20年以上に渡って講義を行ってきた著者だからこそだと考えるが、ストーリー仕立てになっていることはもとより、ストーリーの後の説明も、明瞭な言葉でもって説明されており、概念が非常に伝わりやすい。また、本書は「ベンチャーファイナンス入門」であるが、キャッシュフローの考え方、利益や費用の管理方法、設備投資の考え方など、企業を運営するに当たっての一連の財務活動について説明がなされており、応用性が高い。本要約では、第13話の中から、ベンチャーファイナンスに関連する箇所を中心に取り上げた。ただし、その他箇所も参考になる部分が多いので、興味を持たれた方は、是非一度手に取ってみて頂きたい。

著者

中井 透
京都産業大学経営学部教授。博士(マネジメント)。1959年大阪市生まれ。甲南中学校、甲南高等学校を経て甲南大学理学部経営理学科卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。広島大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。岡山商科大学(財務管理論、経営戦略論)、広島大学大学院(ベンチャー企業論)、放送大学(経営戦略)などでの教育・研究活動を経て現在に至る。学会活動として、日本経営財務研究学会評議員、日本財務管理学会理事など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

本書の要点

  • 要点
    1
    日本のベンチャー・ビジネスは、その名の通りの「危険な事業」であり、ファイナンスを学ぶことは、ベンチャー・ビジネスに潜むリスクを少しでも軽減する上で非常に重要である。
  • 要点
    2
    資金は調達元により色々な特性を持つものであり、その特徴を理解した上で、自社の状況と照らし合わせて調達することが大切である。
  • 要点
    3
    ベンチャー企業の成長ステージによって、調達する資金の種類や額、調達方法などが異なる。複数の選択肢を有しておくことが望ましい。

要約

ベンチャーという冒険

vitanovski/iStock/Thinkstock
ベンチャーにこそ求められるファイナンス

当パラグラフにおいて、筆者がポイントとして挙げている点は以下3点である。

・日本のベンチャー事業は、その名の通りの「冒険的事業」である。

・ファイナンスを学ぶことは、ベンチャー・ビジネスに潜む危険(リスク)を少しでも軽減する上で、非常に重要である。

・多くの先輩ベンチャー企業家が、ファイナンスの重要性を認識している。

日本において、ベンチャー企業それ自体、あるいは彼らの事業を総称して、「ベンチャー・ビジネス」と呼ばれているが、実はこの言葉は和製英語である。アメリカにおいては、日本でいうベンチャー・ビジネスに相当する英語は「スタートアップ」あるいは「スモールビジネス」であり、代わりに、ベンチャー・キャピタルという業態が存在する。つまり、アメリカにおいては、回収不能になるかもしれないリスクがある事業についても、その後の展望が見える企業に対して、リスクを取って投資するベンチャー・キャピタルの受け皿が整っており、それゆえに、「ベンチャー(冒険)」という言葉がベンチャー・キャピタルに対して使われている。

一方、日本においては、和製英語が示すとおり、まさにベンチャー企業は「ベンチャー」であると考えられる。つまり、起業にあたって、そして成長していく過程で、必要なお金のほとんどは自分で手当てしなければならないからである。また、わが国では進歩しているとは言え、創業時支援や創業後の経営管理について専門家を派遣するなどといった支援体制が必ずしも十分であるとは言えず、その結果、仕事を進めていく中でもリスクが生じていく可能性がある。

一般に言われる経営資源の3大要素として、「ヒト・モノ・カネ」が挙げられる。現状、これらの知識やノウハウの中で、モノ作りやヒトの育成に関する重要性はそれなりに認識されていると考えられる一方、カネに関わる経営知識やノウハウの重要性はあまり認識されていないように思われる。日本において、仮にベンチャー企業がリスクを少しでも抑えるために、ファイナンスを学ぶことは非常に重要であると言える。

事業計画とファイナンスの役割

SidharthThakur/iStock/Thinkstock
事業計画の重要性と、広義及び狭義のファイナンスの目的

当パラグラフにおいて、筆者がポイントとして挙げている点は以下3点である。

・ビジネスプランの中でも最も重要であり資金提供者が注目するのが財務計画である。ビジネスプランの巧拙は財務計画の内容で決まるといっても過言ではない。

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