このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む

転職の思考法

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出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2018年06月20日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「さて、君はどうするんだ? わたしと契約するのか、しないのか」。そう迫られて、もともと焦りを感じていた“僕”は、気づいたら「やります」と頷いていた――本書は、凄腕経営コンサルタントである黒岩が、転職に踏み切れないまま30歳になってしまった“僕”に「転職の思考法」を授ける物語である。

本書は発売からたった2カ月で10万部を突破した、これまでにない“キャリア本”だ。ビジネスパーソンは、今のままではいけないと頭ではわかっていても、なかなか転職には踏み切れないものだ。本書はそんなビジネスパーソンに究極の「転職の思考法」を伝授する、小説仕立てのビジネス書となっている。

おすすめのポイントを2つ挙げよう。1つ目は、小説として非常に読みやすく、おもしろいということ。2つ目は、小説を読み進めるうちに、転職するときに意識しなければならないことは何か? どうやって自分に合った転職先を見つけていけばよいか? などの「転職の思考法」が自然と身につくようなつくりになっていることだ。転職の本ではあるが、これから社会に出る学生にもおすすめしたい。きっと就職活動のヒントが見つかるだろう。

本書は、日本でタブー視される“転職”のイメージをプラスに変えることで、この国を変革する契機にしようとする試みでもある。転職が当たり前になれば、ビジネスパーソンはより自由になり、会社もより魅力的なものになるに違いないと期待が持てた。

著者

北野 唯我(きたの ゆいが)
兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。その後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ハイクラス層を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画、サイトの編集長としてコラム執筆や対談、企業現場の取材を行う。テレビ番組のほか、日本経済新聞、プレジデントなどのビジネス誌で「職業人生の設計」の専門家としてコメントを寄せる。

本書の要点

  • 要点
    1
    転職するときは自分のマーケットバリューを測ろう。マーケットバリューは、「技術資産×人的資産×業界の生産性」で決まる。技術資産も人的資産も乏しいなら、業界の生産性が高い業界を選べ。
  • 要点
    2
    いいベンチャーを見極めるために確認すべきは、「競合はどこか? 競合『も』伸びているか?」「現場のメンバーは優秀か?」「同業他社からの評判は悪くないか?」だ。
  • 要点
    3
    代替不可能な存在になるためには、自分の好きなこと、苦にならないことを「ラベル」にして、それを強化する仕事を選択するのがよい。

要約

本書のあらすじ

主人公とコンサルタント・黒岩の出会い
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本書では、物語形式で「転職の思考法」が指南される。物語のあらすじを紹介しよう。

主人公である青野は、新卒入社した会社で働き続け、気づけば30歳になっていた。特別な才能や専門性はないし、大きな組織を率いた経験もない。このまま会社にいつづけても将来はないと頭ではわかっている。だが、どうしても転職する勇気が出ない。

そんな青野は、ひょんなことから凄腕の経営コンサルタント・黒岩に出会う。黒岩によれば、転職に恐怖を感じるのは当然のことだという。転職は多くの人にとって「初めての意思決定」だからだ。意思決定すれば、必ず何かを捨てなければならない。

躊躇する青野に、黒岩は質問を突き付ける。「このままで本当にいいのか?」。さらに50万円で「転職の思考法」をレクチャーしてあげようと言ってきた。もう後がないと思った青野は、黒岩のコンサルティングを受けることになった――。

物語は、青野が黒岩のコンサルティングを受ける形で進んでいく。要約では、黒岩によるコンサルティングの内容をいくつかのポイントに絞って取り上げる。

【必読ポイント!】伸びる市場に身を晒せ

自分のマーケットバリューを測る

会社が潰れても食べていける人と食べていけない人の違いは、その人のマーケットバリュー、つまり市場価値にある。マーケットバリューとは、世の中から見た自分の値段のことを指す。マーケットバリューがある人間は、好きなときに会社を辞められるし、好きなところで働ける。マーケットバリューは、次の3つで決まる。

1つ目は、技術資産だ。他の会社でも発揮できる技術をどれくらい持っているかであり、専門性×経験で構成される。専門性は「営業」「マーケティング」など、職種に近いもの。経験は、「事業部長の経験」「子会社の経営」など、職種に紐づかない技術だ。20代で専門性を磨き、30代で経験を積むのがよい。

2つ目は、人的資産だ。いわゆる人脈である。年をとるにつれ重要度が増す。

3つ目は、業界の生産性である。その業界の人間が一人当たりどのくらいの価値を生み出しているかを指す。たとえば、金融業界の人間が20代で2000万円稼ぐ一方、ウエディング業界では30代後半でも年収200万円でも働いている。これは、業界によって1人あたりの生産性が異なっているからだ。もともと生産性が高い業界か、業界全体が伸びているかで判断する。技術資産も人的資産もない人は、衰退産業を選んではいけない。

伸びる市場を見つける
marchmeena29/gettyimages

伸びる産業を見つける方法は2つある。1つが、複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目することだ。「○○業界 ベンチャー」などと検索し、出てきた企業を片っ端から調べていこう。新しい会社がたくさんあり、投資も集まっているようであれば、伸びているマーケットに人と金が集まっている証拠だといえるだろう。

2つ目が、

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要約公開日 2019.01.05
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