家でできる「自信が持てる子」の育て方

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家でできる「自信が持てる子」の育て方
出版社
出版日
2018年11月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

子育ての大変さは、家事や仕事との両立ももちろんだが、何よりも子どもの心と向き合うことの難しさにあるのではないだろうか。ほとんどの親御さんは、これから先の変化の激しい時代にあっても、我が子には自信を持って生きてほしいと考えているはずだ。一方で、大人が重要だと考えるものだけ「やらせてしまう」のでは、結局我が子の自主性や自己肯定感は育たない。そんな子育てのジレンマを抱える親御さんのために、現役教師である著者が子どものやる気をあの手この手で引き出すコツを紹介するのが、本書である。

本書のキーワードは「楽しさ」だ。著者は「ダンシング掃除」「勝手に観光大使」など、テレビや雑誌で次々に取り上げられる斬新な教育法を生み出してきた。楽しくなければやる気にならず、やる気がなければ継続にも自信にもつながらないと著者はいう。確かに当たり前のことだが、子育てに追われる私たち大人が忘れがちなことでもある。楽しさを重要視し、勉強すら楽しくしてしまう著者のメソッドは必見である。

また、子どもが目標をやり抜く力をつけるための、大人の姿勢や振る舞いについても紹介されている。子どもは必ず大人の背中を見て育つ。多くの大人にとって耳の痛い指摘が満載だ。

子育て中の親御さんはもちろん、新人や若手の研修を行う立場にある方にも一読をお勧めしたい。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

沼田 晶弘(ぬまた あきひろ)
国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭
学校図書「生活科」教科書著者
ハハトコのグリーンパワー教室講師
1975年東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。スポーツ経営学の修士を修了後、同大学職員などを経て、2006年から東京学芸大学附属世田谷小学校へ。
児童の自主性・自立性を引き出す、斬新でユニークな授業はアクティブ・ラーニングの先駆けといわれ、数多くのテレビや新聞、雑誌などに取り上げられている。
教育関係のイベントはもちろんのこと、企業向けの講演も精力的に行っている。
著書多数。
Twitter ぬまっち(沼田 晶弘)@小学校教諭/@88834

本書の要点

  • 要点
    1
    子どもは、楽しくないことはやりたがらないものだ。「楽しくない」勉強を「楽しい」に変え、子どもをワクワクさせよう。
  • 要点
    2
    子どもを褒めるときに知っておきたいポイントが5つある。まず子どもを見ること、次に子どものやっていることや考えていることに気づくこと、そして子どもが何かを達成した事実を認めること。それができたらシンプルでよいので褒め言葉をかけること、最後に心から喜んでみせることだ。
  • 要点
    3
    子どもにとって、石ころにつまずいて転ぶ経験や、転んで怪我をしたら痛いと知る経験も必要だ。転んだときに立ち上がれるように、小さな石で転び方を練習させよう。

要約

勉強を楽しくする方法

楽しく学ばせるために工夫を凝らす
imtmphoto/gettyimages

勉強は必ず役に立つから、やっておいたほうがいい。大人はそれをわかっている。だが子どもはまだそのことに気づいていないから、勉強をやりたがらない。楽しいことなら言われなくてもやるが、目的のない勉強は楽しくないものだ。だから著者は、「楽しくない」勉強を「楽しい」に変える方法をいつも考えている。

著者はある日、子どもたちが都道府県の「勝手に観光大使」に就任したことを発表する。子どもたちは「何か勉強させられるようだ」ということを予感しつつ、楽しいことができそうだと身を乗り出してきた。「勝手に」や「観光大使」などと言った予想外のフレーズを使うことで、「どんなおもしろいことをさせてくれるの?」と期待が膨らんでいるようだった。

著者が行ったのは、子どもたち一人ひとりに1つの都道府県を担当させ、パワポで資料を作らせることだ。このプロジェクトのポイントは、担当する都道府県を自分で選ばせたこと、そして彼らにとって「大人が使うもの」であったパワポに挑戦させたことだ。彼らは誰よりもカッコいい資料を作りたいと、自ら調べたり、子ども同士でテクニックを教え合ったりしてパワポのスキルを高めていった。

大人が何かを提案したとき、子どもたちがしぶしぶ応じるようでは不十分だ。それよりも、魅力的な提案をしたり、子どもたちにとって気になる情報を提供したりすることによって「やりたい! やってみたい!」と自分からいってくれるようなしかけを作ろう。

【必読ポイント!】子どもを夢中にさせるコツ

自分で宣言させる

どうすれば子どもの「やりたくない」を「やりたい」に変えられるか。それは、「やりたくないけど、仕方ない」という状況をつくることだ。そうすれば、しぶしぶでもやってくれるだろう。

宿題をやらせるときには、「早くやりなさい!」というのではなく、「何時から宿題やるの?」と問いかけてみよう。「19時からやる」という答えがかえってきたら、それ以上はうるさく言わない。そして決めた時間がきたら「19時だよ」と声をかける。約束を守らないのはみっともないので、子どもは「仕方ないな」と重い腰を上げるはずだ。もしそれでもやらなければ、「自分でいったことは、きちんとやりなさい」ともうひと押しする。いずれにせよ、「どうやる?」「いつやる?」などと問いかけることで、子ども自身に宣言させるのがよい。

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要約公開日 2018.12.22
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