OODA LOOP(ウーダループ)
次世代の最強組織に進化する意思決定スキル

未 読
OODA LOOP(ウーダループ)
ジャンル
著者
チェット・リチャーズ 原田勉(訳)
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
2,376円
出版日
2019年03月07日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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次世代の最強組織に進化する意思決定スキル
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チェット・リチャーズ 原田勉(訳)
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2,376円
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2019年03月07日
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革新性
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レビュー

「PDCAサイクル」に代わる、新たな意思決定のフレームワークとして期待されている「OODA(ウーダ)ループ」。米海兵隊で採用され、現代戦において数多くの勝利に貢献したこの理論が、急激な環境の変化にさらされているビジネス界からいま注目を浴びている。

OODAループを提唱したのは、いまは亡き軍事戦略家ジョン・R・ボイドだ。「40秒のボイド」と呼ばれるほど凄腕のパイロットだったボイドは、空中戦闘において電光石火の勝利を重ねてきた経験をもとに、わずかな時間で意思決定を行う戦闘哲学を著した。そのひとつが本書で取り上げられている「OODAループ」というわけである。

まったく新しい理論のように思える「OODAループ」だが、日本のビジネスパーソンにとっては非常になじみ深いものかもしれない。その理由は、ボイドがこの理論の着想を得たヒントにある。東西冷戦の終結後、競争や対立の性質を明らかにするために彼が学んだのは、孫子の兵法、日本の剣の達人が記した戦術書、そしてトヨタ生産システムであったのだ。

組織に属するメンバーの相互信頼を醸成し、「暗黙の了解」によって瞬時の情勢判断と行動を可能にするOODAループは、「暗黙知の明文化」を是とする従来のビジネス理論とは真逆をいくものである。あなたがチームにおける意思決定スピードを速め、勝利する組織を育てたいと考えているならば、本書はきっと役に立つだろう。

狩野 詔子

著者

チェット・リチャーズ(Chet Richards)
航空機企業や専門的サービス企業のコンサルタント。OODAループの発案者である元アメリカ空軍大佐、故ジョン・ボイド(John Boyd)に長年師事し、親しい間柄であった。アメリカ空軍大学(US Air Force University)で講義を行い、ケネソー州立大学で教鞭を執っていた。ミシシッピ大学より博士号(数学)取得。

本書の要点

  • 要点
    1
    軍事戦略は「強いストレスと不確実性のなか、組織のメンバーが協調して意思決定を行う」ものであり、この考え方はビジネスにも転用できる。
  • 要点
    2
    数や物量に劣る組織が勝利を収めるためには、スピードを重視する「電撃戦」の考え方が有効だ。環境変化に即座に対応する機動力(アジリティ)が、競争優位の源泉となる。
  • 要点
    3
    OODAループは「観察(Observation)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decision)、行動(Act)」の学習ループで構成される。
  • 要点
    4
    OODAループを高速で回すためには、組織内の「相互信頼」が欠かせない。

要約

軍事戦略はビジネスに役立つのか

戦場で生まれた理論、OODAループ

軍事戦略家ジョン・R・ボイドが編み出した理論のなかでもとくに重要なのが、現実を正確に把握するためのモデル 「OODA(ウーダ)ループ」だ。OODAループは「観察(Observation)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decision)、行動(Act)」の学習ループで構成される。

企業においては、外部情報や情勢判断をもとに、迅速かつスムーズに一連の行動を実行できる体制を整えねばならない。OODAループを活用する企業では、観察(Observation)によって現実を正しく認識し、認識結果に応じた情勢判断(Orient)ができるよう、企業活動を行なっている。

電撃戦――少人数で勝利するために

1940年の第2次世界大戦の西部戦線において、量的・質的に劣っていたドイツ軍は、「電撃戦」によって勝利を収めた。イギリスの軍事史家リデルハートは、この戦いの様子を次のように語っている。「彼ら(敵軍)の行動のスピードはあまりにも遅く、刻々と変化する状況に追いつくことができなかった」

電撃戦理論の創始者の一人であるフラーは、電撃戦とは「機動力を心理的武器として採用すること」であると述べている。ボイドは「少人数で勝つための原則」、すなわち電撃戦の原則がドイツ軍の勝利の基礎を形成したこと、またその本質は組織文化的なものにあるという結論を導き出した。

「敵に先んずる1分が勝利を呼び込む」という言葉に代表されるように、電撃戦の原則はスピードの重視である。不確実性な状況に直面するなかで、敵側が有効な意思決定を行えなくなるような攻撃を実施しつつ、味方側の意思決定能力を向上させるのだ。

スピードが武器となる
pixelparticle/gettyimages

ボイドから学んだ者たちは、ビジネスの世界で「スピードを武器として活用し、競合他社に対抗する」という考え方を実践していった。軍事戦略の前提条件は、強いストレスと不確実性のなかで参加者が協調・協働することだ。優れた戦略は、実際の衝突が始まる前に戦闘の枠組みを望ましい状態にする。このような戦略は戦争だけでなく、ビジネスにも適用できる。

1980年代の「ホンダ・ヤマハ戦争」をビジネスにおける電撃戦とみなすならば、ホンダの決定的な勝因もまたそのスピードにあった。ホンダは意思決定のサイクルタイムを短くすることで市場機会を創り出し、顧客の購買意欲を喚起する製品を投入していったのだ。

目に見える数字だけで判断することは、最悪の結果を招く

何が勝利へと導くのか――「アジリティ(機敏性)」
Eugene_EM/gettyimages

不利な点を克服し、競争優位を得るための「勝利を導く要因」は何なのだろうか。この問いを解決するためには、あまねく戦争や紛争にも適用できる普遍的なパターン、共通の要素を見いだす必要がある。

その答えはアジリティ(機敏性)だ。

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