フューチャー・プレゼンス
仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」

未 読
フューチャー・プレゼンス
ジャンル
著者
ピーター・ルービン 高崎拓哉(訳)
出版社
ハーパーコリンズ・ ジャパン 出版社ページへ
定価
1,800円 (税抜)
出版日
2019年04月10日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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フューチャー・プレゼンス
仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」
著者
ピーター・ルービン 高崎拓哉(訳)
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1,800円 (税抜)
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2019年04月10日
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レビュー

本書を読んだ読者は、きっとVR(ヴァーチャル・リアリティ)の未来にワクワクし、VRヘッドセットの購入を検討するだろう。

いま世界中の大企業が、VRに多額の投資を行なっている。しかしVRの何が凄いのか、よくわからない人も多いのではないだろうか。そんな人にはぜひ本書を読んでみてほしい。世界中の企業が、なぜVRに注目しているかが腑に落ちるはずである。

本書のキーワードとなるのは、VRの持つ“プレゼンス(実体感)”だ。VRがあらゆる産業を大きく成長させると期待されている理由も、まさにこのプレゼンスにある。そこにあるのはフェイクではなく、確かなもうひとつのリアルだ。本書に解説を寄稿しているWIRED日本版編集長・松島倫明氏も指摘するように、VRは「仮想現実」ではなく、「実質現実」なのである。

VRの影響力は凄まじい。技術の進歩と相まって、今後ますますVRは社会を塗り替えていくだろう。そういう意味で、VRにはある種の危うさもある。だが著者の立場は基本的にポジティブであり、VRはむしろ人間同士の親密性を高める方向に左右するのではないかと予想している。どうなるかは神のみぞ知るというところだが、退廃的な未来を予想するだけではあまりに色気がない。著者のようにVRの持つ可能性をポジティブに検討していきたいと考えさせられた。

いずれにせよ本書に私たちの未来が詰まっているのは間違いない。

森本 進也

著者

ピーター・ルービン (Peter Rubin)
WIREDの雑誌・オンライン版シニアエディターとしてカルチャーからデジタルプラットフォームまで幅広いトピックを担当。2014年フェイスブック社に買収されたオキュラスの特集を筆頭に、VR業界について様々な記事を執筆し、テック系のメディアでパネラーとして活躍する。ニューヨーク・タイムズ、GQ、ローリングストーンズといった数多くの媒体にも寄稿している。

本書の要点

  • 要点
    1
    それがVRの中の世界だと理性で認識していても、脳は現実とだまされる。この人間の認識をだます現象を、本書では“プレゼンス”と呼ぶ。
  • 要点
    2
    VRによって、映画の概念は一変するかもしれない。VRで登場キャラクターになりきって彼らと同じように感じられるようになれば、いま以上に大きなインパクトのある体験になるだろう。
  • 要点
    3
    VRで出会い、結婚するカップルが出てきている。今後は出会いから結婚式まで、VRで行う事例も増えてくるかもしれない。
  • 要点
    4
    VRポルノのプレゼンスは強く、まるで本物のように感じられる。通常のポルノ動画より長時間視聴されるのもそのためだ。

要約

プレゼンス/現実を超える現実感

VRとは何か
max-kegfire/gettyimages

世界有数の大企業が、何十億ドルという大金をVR(ヴァーチャル・リアリティ)に投資している。なぜならVRは旅行やエンタメなど、ありとあらゆる産業を成長させる可能性を秘めているからだ。2014年にフェイスブックが、20億ドル以上でオキュラスを買収したのはその象徴的出来事といえるだろう。また2016年末には、5種類ものVRシステムが登場した。VRはより身近な存在になってきている。

だがそもそもVRとは何か。本書ではVRを(1)人工的な環境で、(2)充分なリアリティを持った、(3)本当にその世界にいると感じられるものと定義する。それぞれ詳しく解説していく。

(1)人工的な環境には、写真、ゲーム、映画、さらには自分が座っている部屋の記録映像も含まれる。自分の肉体がある場所以外のどこかという点で共通する。

(2)VRはリアリティを感じさせるため、2つの錯覚を利用している。1つは世界に奥行きがあること。右目と左目にわずかに異なる映像を見せることで、脳は奥行きがあると錯覚する。もう1つは現実と同じように、好きな場所を見渡せること。VR内の玄関口で下を向くと、現実と同じように足元のじゅうたんが見えるし、横を向くと壁やポスターがある。自分が世界の中心になるのだ。

(3)VR映像を観ていると、それがVR世界だと理性で認識していても脳はだまされる。この人間の認識をだます現象を、本書では“プレゼンス(実体感)”と呼ぶ。国際プレゼンス研究社会の説明によると、「人間は自分がテクノロジーを利用していることをしっかり指摘できるが、あるレベルでは、もしくはある程度までは、人間の知覚はその情報を見過ごし、まるでテクノロジーを介した体験ではないように認識することがある」という。

たとえば自宅の居間でVRヘッドセットをつけたとしよう。VR内では超高層ビルの屋上の淵に立っており、何百メートルも下に地上がある状態だ。「さあ、一歩を踏み出してみてください」と言われて、あなたはその一歩を踏み出せるだろうか。もちろんそれがVR世界であることはわかっている。足を踏み出してもじゅうたんに足がつくだけだ。しかしそれでも心臓がどきどきして手に汗がにじみ、一歩を踏み出すのは難しいはずである。なぜなら脳は超高層ビルの高さ、地上までの落差を実際に知覚しているからだ。

VRストーリーテリング

ソーシャルプレゼンス:体験を共有する
ViewApart/gettyimages

2015年に米国ユタ州で開催されたサンダンス映画祭において、オキュラスが制作したVRの短編アニメ『ヘンリー』が発表された。風船を愛するハリネズミのヘンリーを主人公にした12分のコメディだ。ヘンリーが普通の映画と異なるのは、観客もそのアニメの世界の住人となる点である。なかでも重要なのが、ヘンリーと観客の目が会うこと、つまりアイコンタクトがあることだ。まるでヘンリーは観客の存在に気づいているかのように振る舞うのである。

1992年にミシガン州立大学のメディア情報学科教授であるキャリー・ヒーターは、「本当にVR世界のなかにいる」という感覚には3つの側面があると考えた。

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