小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て

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小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て
出版社
マガジンハウス

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定価
1,430円(税込)
出版日
2018年09月06日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

著者の高橋孝雄氏は小児科医であり、子育ての専門家ではないと語る。どうして子育ての本を書こうと思ったのだろうか。それは、毎日子育てに追われ、プレッシャーや不安に押しつぶされそうになっている保護者たちと、日々接してきたからだという。生まれてきてくれたわが子の底力を信じて、成長していく姿を楽しみに見守る気持ちを取り戻してほしい。そんな思いが著者を本書の執筆に駆り立てたのだ。

医療に携わるなかで様々な「奇跡」を目の当たりにし、「遺伝子が書いたシナリオ」を実感してきた著者。子どもには秘めた力がある。親がその力を信じることができれば、もっとゆったりと、おおらかな気持ちで子育てに取り組めるのではないだろうか。

子どもの個性や能力は、どれくらい親から受け継いだものなのか、それを生かして子どもが幸せに育っていくために、親はどんな関わりをしていけばいいのか。そうしたことが、非常にわかりやすい言葉で、まるで著者が語りかけているかのように、綴られている。子どもたちに長年、愛情を持って接してきたことが察せられる。そんな著者の主張には、子育てに関わる多くの人にとって、参考になる点や共感できる点が多く見つかることだろう。

子育てが理想通りにいかない。子どもの気持ちがわからない。周囲からのプレッシャーに押しつぶされそう。そんな気持ちになっている親世代の読者に、ぜひとも手にとっていただきたい一冊だ。

ライター画像
池田明季哉

著者

高橋 孝雄(たかはし たかお)
慶應義塾大学医学部小児科教授。医学博士。専門は小児科一般と小児神経。日本小児科学会会長。1957年8月生まれ。1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務、ハーバード大学医学部の神経学講師も務める。1994年帰国し、慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍している。趣味はランニング。マラソンのベスト記録は2016年の東京マラソンで3時間7分。別名“日本一足の速い小児科教授”。

本書の要点

  • 要点
    1
    子どもの個性の大部分は、親から受け継がれた遺伝子の組み合わせと、その「振れ幅」の範囲に収まるものである。親は子どもの好きなものを一緒に探す態度で接することが望ましい。
  • 要点
    2
    様々な情報に振り回される必要はない。親は自分の心の平穏、子どもとの幸せな時間を大切にして、子どもの才能や個性の開花を見守るようにしたい。
  • 要点
    3
    子どもにとって大事なのは、「自己肯定感」「意思決定力」「共感力」という3つの力を身につけることである。

要約

【必読ポイント!】 子どもの個性と能力は親から受け継がれる

トンビがタカを産むことはない
SeventyFour/gettyimages

子どもの個性、能力、才能は、両親から受け継いだ遺伝子によって約束されている。「トンビがタカを産む」ということわざがあるが、それは遺伝的にはありえない。「トンビ」に見える両親も、環境さえ整えば、子どもと同じ才能を開花させていた可能性が高い。つまり、遺伝子情報がもともともっている、正常な「振れ幅」に収まる程度の差でしかない。教育の効果とは、親から受け継いだ遺伝子の特徴を、上手に生かせるようにすることにほかならない。

たとえば、子どもの身長は、ある程度遺伝子で決まっている。両親の身長を、ある数式にあてはめれば、生まれてきた子どもの最終身長を予測することも可能だ。ただし、その身長にはだいたい8~9センチ前後のゆとりがある。

子どもの成長度合いが気になる場合でも、このゆとりの範囲に入っていれば、過度な期待や余計な心配をしなくてすむことが多いといえるだろう。

遺伝子の力で決まる本人の特性

人の特性のなかには、遺伝子の影響が大きいものもある。たとえば、飲酒に関しては、親の特性がシンプルに伝わる。その人が飲んで気持ちよく酔える量は、親から受け継いだ一対の遺伝子で決まっているからだ。もちろん、お酒に強いかどうかは、ある程度は飲酒習慣の影響を受ける。だが、どんなに鍛えてもお酒に強くならない人もいるのは、そのためだ。お酒が飲めない、体質的に合わないのは、遺伝子が決めた個性である。

また、運動が苦手なのも遺伝的な要素が大きい。「それならば早めに対策を」と思うのが親心かもしれない。だが、無理に子どもを体操教室などに通わせる必要はない。苦手なことを無理やりさせても、結局身につかないことが多く、子どもに劣等感を感じさせることが多いからだ。子ども側からやりたいといい出してからでも遅くはない。

遺伝子の力を発露させる環境や努力

「遺伝子が決めていることなら、努力は無駄」というわけではない。運動嫌いや勉強嫌いであっても、それが遺伝子の決めた個性だと認めたうえで、さまざまな角度からその子にあったやり方を探ることが重要だ。標準的なやり方を強制しないようにしたい。

トップアスリートでも、彼らの遺伝子がとびきり優秀とは限らない。オリンピックで活躍したフィギュアスケートの羽生結弦選手を例にとろう。たしかに、彼の運動神経やリズム感、手足の長さなどは、遺伝子の恩恵ともいえる。

しかし、羽生選手に、スケート選手になるための特別な遺伝子が組み込まれているというわけではない。あくまで正常な範囲に収まる遺伝子の「振れ幅」と、スケートを早くから習い始め、コーチに恵まれたといった環境要因の組み合わせの結果なのだ。大事なのは、その子が得意なことを一緒に見つけようという姿勢で、子育てをすることである。

情報に振り回されず、子育ての時間を楽しむ

心穏やかに過ごすことが大事
gradyreese/gettyimages

妊娠中は、幸せホルモンが多量に分泌される素晴らしい時期だ。そんなときに、おせっかいな人やインターネット上の情報に振り回されて、不安な気持ちになってしまうのはもったいない。不安になるくらいなら、情報に触れない方がよい。

小児科医の著者から見れば、妊娠中にした方がよいこと、摂った方がよい栄養などの情報には、根拠がないものや偏ったものが多いのだという。妊娠中の食生活はもちろん重要だ。しかし、食事に神経質になるより、おいしいものを食べて、穏やかに幸せにすごす方がずっとよい。

理想と現実の差が生む、子育ての悩み

母乳の素晴らしさを周囲に説かれて、「なにがなんでも母乳で育てなくては!」と自分を追い込んでしまう。そんな母親が著者のもとに来院することもある。著者は「母乳が出ないならミルクでよい」と答えている。

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