AIに負けない子どもを育てる

未 読
AIに負けない子どもを育てる
ジャンル
著者
新井紀子
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年09月19日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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AIに負けない子どもを育てる
AIに負けない子どもを育てる
著者
新井紀子
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東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年09月19日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
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レビュー

「人間の仕事がAIに奪われる」という話を、多くの人が一度は耳にしているだろう。そんな時世にあって、本書の著者・新井紀子氏による著作『AI vs.教科書が読めない子どもたち』は、発行部数30万部を記録するベストセラーとなった。本書はその待望の続編である。

巷間で言われるように、著者もまた、今ある仕事の多くがAIに代替されていくと予想している。一方でAIは、「読解力」に弱点があることがわかっているという。

「読解力」と聞くと、長くて難しい文章を理解する高度なスキルを想起するかもしれない。しかし本書でいう「読解力」は、小中学校の教科書レベル(国語に限らず全教科)を読んで理解するスキルのことだ。苦手な科目はもう見たくないかもしれないが、それでも大人になった今では、「ちゃんと読めば、自分も教科書くらいは読めるはずだ」くらいに思っていないだろうか。

ところが著者の調査によると、大人でも教科書レベルの読解力を備えていない人が多いことが明らかになった。もちろん子どもたちの読解力が十分でないことは言うまでもなく、今の教育を続けている限りその向上は期待できない。AIがより活用されるようになる未来の社会において、読解力が不足したまま大人になった子どもたちは、自分の仕事がAIに奪われていくのを静観するほかないだろう。

ではAI時代を生き抜くのに求められる「読解力」は、どんな教育によって身につくのか。答えは本書をお読みいただきたい。

三浦健一郎

著者

新井 紀子(あらい のりこ)
国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。
一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。
東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。
2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。
主著に『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)、『ロボットは東大に入れるか』(新曜社)などがある。特に、2018年に出版した『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)では、大川出版賞、石橋湛山賞、山本七平賞、日本エッセイスト・クラブ賞、ビジネス書大賞などを受賞した。

本書の要点

  • 要点
    1
    AIの可能性と限界を知る目的で生まれたリーディングスキルテスト(RST)は、大人も子どもも読解が苦手だという事実を明らかにした。
  • 要点
    2
    文章が読めないのは、AIと同じように文章をキーワードの群れで理解しようとするからだ。そんな「AI読み」をしている子どもたちは、教科書をきちんと理解することができない。
  • 要点
    3
    AIに負けない人材になるには、文章を読んで意味を理解する力が必要だ。そのためには、子どもたちのリーディングスキルを向上させるような教育を施さなければならない。

要約

教科書が読めない子どもたち

「東ロボ」の弱点

AIは、東京大学の入試を突破しえるのか。著者らは2011年、これを10年かけて明らかにする「ロボットは東大に入れるか」(通称:東ロボ)というプロジェクトに着手した。

現状での結果をいえば、東大突破は無理であろうことがはっきりしている。その理由として、AIは、国語や英語で半分以上の配点を占める長文読解に対して歯が立たないこと、センター試験によく登場する地図やイラストが理解できないこと、常識を身につけられないことなどが挙げられる。

RSTを開発した理由
maroke/gettyimages

東ロボの目標のひとつに、現状そして近未来のAIにはどのような可能性と限界があるかを広く社会に公開し、AI時代に正しく備えてもらうというものがある。ただその目標を達成するには、実は最初から課題があった。大学入試問題には過去問が少なすぎることだ。

AIが長文読解やイラストによる問題が苦手なのは、自然言語処理が難しいからだ。ところがAIが自然言語処理に最大の威力を発揮するには、「同じ形式の問題」が数千は必要となる。加えてセンター入試の問題は複雑なので、多くの場合、「なぜ解けたのか、なぜ解けなかったのか」を的確に解釈できない。つまり大学入試は、AI技術の限界を測るベンチマークとしては適していないのだ。

ベンチマークにふさわしいのは、大学入試よりも単純で一貫性が担保されており、難易度がより広範囲に分布している問題群である。その理想形として作られたのがリーディングスキルテスト(RST)だ。RSTを人間とAIの両方が解くことで、AIの自然言語処理技術の限界が明らかになる。

RSTでは、「事実について書かれた短文を正確に読むスキル」を6分野に分類して設計されている。係り受け解析(文の基本構造を把握する力)、照応解決(指示代名詞や省略された主語や目的語を把握する力)、同義文判定(2文の意味が同一であるかどうかを判定する力)、推論(小学校までに習う基本的知識などから文の意味を理解する力)、イメージ同定(文章と図やグラフが一致しているかどうかを認識する力)、具体的同定(言葉の定義を読んでそれと合致する具体例を認識する能力)である。

教科書が読めない子どもと大人
Spiderplaygettyimages

RSTを使った研究を進めていく中で、思わぬ誤算があった。RSTは小学生から大人までたくさんの人に受検してもらっているのだが、AIにとって難しい自然言語処理、つまり人間でいう読解は、人間の大人にも難しかったことである。

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