21 Lessons
21世紀の人類のための21の思考

未 読
21 Lessons
ジャンル
著者
ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之(訳)
出版社
河出書房新社 出版社ページへ
定価
2,640円(税込)
出版日
2019年11月20日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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21世紀の人類のための21の思考
著者
ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之(訳)
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出版社
河出書房新社 出版社ページへ
定価
2,640円(税込)
出版日
2019年11月20日
評点
総合
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明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
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レビュー

『サピエンス全史』で人類の「これまで」を、『ホモ・デウス』で人類の「これから」を描いたユヴァル・ノア・ハラリ氏。それぞれ全世界で1200万部、600万部と驚異的な売上を誇ったのは、この大いなる物語なき時代に、ハラリ氏が確かな視点を提示してくれたからだろう。

第3作目となる本書『21 Lessons』では、ついに人類の「いま」が主題となる。大まかな全体の流れとしては、まずテクノロジーの発展が私たちの社会制度やイデオロギーに与える影響についての考察があり、それを踏まえたうえで、今後私たちはどうあるべきなのかが検討される。

本書に登場する21の論点は、「自由」や「平等」のような政治思想から、「雇用」や「ポスト・トゥルース」といった社会問題、「謙虚さ」や「意味」などの哲学的議論まで、じつにさまざまだ。だが「それなりの明確さを提供するように努め」と文中で述べられているとおり、どれも明快かつ興味深い内容となっている。

私たちホモ・サピエンスという生き物は、物語(=虚構)を生み出すところに最大の特徴がある。その能力はこれまでさまざまな希望を生み出すとともに、多くの絶望を撒き散らしてきた。なにが虚構を「真実」のごとく映し出し、私たちを惑わせるのか。そして虚構に飲み込まれないようにするためにはどうするべきなのか。

どの物語も信じられなくなったとき、それでもなお立ち返るべき場所があることを、本書は私たちに思い出させてくれる。21世紀のいまだからこそ読むべき快作である。

石渡翔

著者

ユヴァル・ノア・ハラリ (Yuval Noah Harari)
歴史学者、哲学者。1976年、イスラエル、ハイファ生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して2002年に博士号を取得。現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えるかたわら、2018年のダボス会議での基調講演など、世界中の聴衆に向けて講義や講演も行なう。著書『サピエンス全史』『ホモ・デウス』そして『21 Lessons』は、世界的なベストセラーとなっている。

本書の要点

  • 要点
    1
    IT革命がもたらす変化の大きさは、産業革命の比ではない。テクノロジーだけでなく、社会制度や価値観も劇的に変わる可能性がある。
  • 要点
    2
    21世紀において、安定性は高嶺の花だ。これから最も重要になるのは、変化に対処し、新しいことを学び、馴染みのない状況下でも心の安定を保つ能力である。
  • 要点
    3
    人間は人生を物語のように捉えたがるが、あらゆる物語は間違っている。もしこの世界の意味や自分自身について知りたければ、自分の苦しみに目を向け、その正体を明らかにしたほうがいい。

要約

テクノロジー面の難題

雇用――「一生の仕事」が時代遅れに?
sorbetto/gettyimages

これからの雇用市場がどうなるのか、完全に予測することは不可能だ。しかし機械学習とロボット工学の発展により、ほぼすべての種類の仕事が変化するのは間違いないだろう。そしてその変化の大きさは、かつての産業革命の比ではない。

人間の能力は身体と認知の2つに分けられる。これまで機械は、おもに身体的な面に特化しており、認知的な能力はあくまで人間に任されていた。ところが人工知能(AI)が、認知的な能力においても人間を上回り始めている。もし人間の情動や欲望が生化学的なアルゴリズムにすぎないのであれば、AIがホモ・サピエンスよりはるかにうまくやれても不思議ではない。

もちろん新しい仕事が創出されれば、伝統的な職がなくなったとしても、ある程度の雇用は埋め合わされるだろう。たとえばAIの支援や活用も、新しい仕事として今後増えていくはずだ。だがこうした新しい仕事には、往々にして高度な専門技術や知識が要求されるため、非熟練労働者の失業問題を解決するのは難しい。しかも仮に新しい仕事を創出し、再訓練してその仕事に就かせたとしても、その仕事が10年後も残っている保証など皆無だ。将来的には「終身雇用」という考え方だけでなく、「一生の仕事」という考え方さえ時代遅れになるかもしれない。

こうしたなか、新しいモデルが注目を集めている。それは普遍的な「最低所得保障」と呼ばれている。アルゴリズムとロボットを制御している億万長者と企業に課税し、その税収ですべての人に一定額を定期的に支給、基本的な必要を満たしてもらうという考えだ。普遍的な経済的セーフティネットと強力なコミュニティや有意義な営みがうまく結び付けば、AIの発展は人類にとって恩恵となる可能性はある。

だがたとえそうなったとしても、アルゴリズムに仕事を奪われ、自分の人生を思いどおりにできなくなるほうが、はるかに憂慮すべきなのではないか。人間からアルゴリズムへ権限が移行するとき、自由主義の物語についに終止符が打たれ、デジタル独裁制が台頭するかもしれない。

自由――デジタル独裁制の台頭
Pogonici/gettyimages

自由主義では、人間の自由が最も価値あるものとして扱われる。そして人間の感情は「自由意志」を反映しているという前提に私たちは立っている。

だが今後、こうした「個人の自由」という考えそのものが切り崩される可能性がある。科学的な見解からすると、私たちの感情はどんな類の「自由意志」も反映していないことがすでに示唆されている。むしろ感情は、生存と繁殖の確率を素早く計算するのに用いる生化学的なメカニズムといったほうが適切だ。感情は自由ではなく、計算にもとづいている。

これまでのところ、感情に頼るのは実用的と見なされていた。自分の感情を、自分以上によく理解できる外部システムは存在しなかったからだ。だがバイオテクノロジーと情報テクノロジー(IT)が発展し、人間よりもはるかにうまく人間の感情を理解できるビッグデータアルゴリズムが誕生したとき、権限はおそらく人間からコンピューターへと移る。そしてそのとき、自由意志という幻想も崩れ去るだろう。

しかもそうした変化は、政治システムにも影響を及ぼしかねない。

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