すごい準備

誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!
未読
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誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!
著者
未読
すごい準備
著者
出版社
出版日
2019年04月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

料理の世界では「仕込み」「下ごしらえ」。テレビ業界では「事前下見」「下調べ」。このように、仕事で良い成果を出すには準備が大切なことを想起させる言葉は、数多く存在する。ある名店の寿司職人は、「寿司は準備が8割」と語っている。そして、『ぐるナイ』『行列のできる法律相談所』『¥マネーの虎』など、数々の人気番組を手がけてきた敏腕プロデューサーである著者によると、仕事の成功は「準備が9割」という。

本書では、著者が生み出した、相手の心を動かす伝え方や交渉の本質とそのノウハウ、つまり「すごい準備」が一挙公開されている。プロデューサーという仕事は、番組の内容・スケジュール・予算の管理などを行う、いわば「なんでも屋」だ。番組の出演交渉など、具体的エピソードや成功の秘訣を読み進めると、「その手があったか!」と膝を打つこと必至だ。

交渉と聞けば「取引先と価格や納期の交渉をする」「プロジェクトを遂行する上で他部門と交渉する」など、仕事のシーンが思い浮かぶかもしれない。しかし、実際には「好きな相手に想いを伝える」「妻にお小遣いアップをお願いする」など、恋愛や家庭でも交渉力が求められている。

用意周到な準備により相手の心を動かす交渉術は、実生活の幅広い場面で応用できる。大切な交渉が控えている方には、熟読していただきたい一冊である。「すごい準備」という最強の武器を身につければ、より充実した人生を送れるはずだ。

ライター画像
木下隆志

著者

栗原 甚(くりはら じん)
北海道札幌市出身。日本テレビ/演出・プロデューサー
「準備を制する者は、人生を制す」をモットーに、自ら考案した『すごい準備』(準備ノート、RPDサイクル、口説きの戦略図)という人生最強のメソッドを駆使して毎回、独創的かつ常識破りの企画で、視聴者を虜にする有名クリエイター。
本書では、25年のキャリアで培った「ヒットの秘密」や「相手の心を動かす技術」をはじめて明かしている。
これまで『さんま&SMAP美女と野獣スペシャル』をはじめ、『伊東家の食卓』『ぐるナイ』『行列のできる法律相談所』『松本人志中居正広VS日本テレビ』『踊る! さんま御殿』『中居正広のザ・大年表』など、数多くのバラエティー番組を手がける。
特に企画・総合演出・プロデュースした伝説の人気番組『¥マネーの虎』は、日本で放送終了直後、海外へ輸出。現地版を製作する際には自ら世界各国へ出向き、演出・監修指導に携わる。イギリス版の『Dragons'Den』(BBC)を皮切りに、世界35ヵ国以上にフォーマット販売され、現在184の国と地域で放送されている。
アメリカ版の『SHARK TANK』は、【エミー賞CREATIVE ARTS EMMY AWARDS】のリアリティ番組部門で「最優秀作品賞」を2014年から4年連続受賞。
最近では国民的ギャグ漫画『天才バカボン』をそっくりすぎる豪華キャストで実写ドラマ化し、話題を呼んだ。ドラマ、CM、イベント、WEBで人気連載を抱える等テレビの枠に留まらず、メディアを超えてCreativityを発揮している仕掛け人である。
Forbes Japan オフィシャルコラムニスト
Yahoo!ライフマガジンで人気企画コーナーを連載中

本書の要点

  • 要点
    1
    交渉に必要なものはRPDサイクルであり、R=準備、P=計画、D=実行を表す。一冊の「準備ノート」を用意し、RPDサイクルをまわせば、交渉で成功を手にすることができる。
  • 要点
    2
    「準備ノート」に問題点を書き出し、解決策を記入して、優先順位をつければ、交渉の突破口を見つけ出せる。
  • 要点
    3
    「準備ノート」を作成する最大の理由は、交渉相手と自分の「共通点」や「焦点になる言葉」を探すことであり、それが相手の口説きポイントになる。

要約

交渉成功のカギは「RPDサイクル」にあり

大物社長を口説く
tadamichi/gettyimages

プロデューサーの著者が初めて企画から立ち上げまで行った番組は、『¥マネーの虎』である。この番組は、「虎」と呼ばれる5人の社長が、「アカの他人」に身銭を切って投資するという内容だ。実のところ、『¥マネーの虎』以上に、立ち上げで苦労したものはなかったという。

最も苦労したのは、この番組に出演してくれる社長探しである。「お金を投資してほしいが、失敗したらお金が戻らない可能性がある」。こんな企画はテレビ局として前代未聞。投資する社長にとってもハイリスクである。

しかも、土曜の深夜番組であり、高額な出演料を払えるはずもなかった。しかし、著者はこれから紹介する「すごい準備」によって、社長たちを次々と口説くことに成功した。さらには、『¥マネーの虎』は海外に輸出されるほどの人気番組となったのだ。

RPDサイクルとは?

プロジェクトを進める上で、PDCAサイクルを耳にすることは多いだろう。これは計画(P)→実行(D)→評価(C)→改善(A)のサイクルから成る。

このPDCAサイクルは、実は交渉の場面には向いていない。なぜならば、交渉というのは、Pの計画(Plan)以前に、Rという徹底した準備(Ready)を必要とする一発勝負の世界だからだ。そのため交渉に失敗してしまうと、評価(C)や改善(A)のチャンスはないに等しい。

そこで著者が提案するのが、RPDサイクルである。RPDとは、R(準備する)P(計画する)D(実行する)の頭文字をとったものだ。目標に向けてRで徹底的に準備をし、Pで計画を立て、Dでその計画を実行する。このシンプルな3段階を繰り返していく仕組みである。RPDサイクルをまわすことで、自分の思いを相手に伝えられ、最高の結果を得ることが可能となる。

相手の攻略ポイントを「見える化」する

交渉は、熱いプレゼンやクールで理路整然とした解説をすれば必ず成功するというものではない。登山家が登山ルートを探るように、戦略ルートを探す必要がある。

そのとき役立つのが、相手を攻略するための「戦略図」だ。具体的には、今回の交渉における問題点は何か、相手の懸念は何かといった点を見える化する。そうすれば、現状の問題点に気づきやすくなる。

情報を整理して「戦略図」を書くのは、一冊のノートである。著者はこれを「準備ノート」と呼ぶ。ノートの見開きのたった2ページだけで、交渉相手を口説くための交渉の糸口を見出すことができる。

【必読ポイント!】 人生が変わる! 「準備ノート」のつくり方

ステップ1
FabrikaCr/gettyimages

ここからは準備ノートをつくるためのステップを順に紹介していく。まずは1冊のノートを用意しよう。B5やB6など、どの大きさでもかまわない。著者のおすすめは方眼ノートである。

ステップ1では、ノートの真ん中のページを開く。40枚ノートなら20ページ目だ。大事な交渉や成し遂げたいことの実現までの間に、何度もノートを開くことになる。そのため、一番開きやすい真ん中のページを使うのである。

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要約公開日 2019.11.04
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