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世界一シンプルなモノの売り方の表紙

世界一シンプルなモノの売り方


本書の要点

  • セールスパーソンがお客のことだけを考えて、心身ともに今この瞬間に集中させている時、「お役に立ちたい」という純粋な気持ちが生まれるのだ。この集中こそが「ゾーン状態」なのである。

  • セールスパーソンがゾーンに入るタイミングは3つある。面会前に自社商品・サービスの特長について調べる時/面会時にお客の世界に共感し、没入するとき/面会中盤から後半にかけてお客の現在から未来について聞き、自分の商品・サービスが役に立つと確信したときである。

  • 「売れる」とは、「その人のお役に立った」ということの結果だ。

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【必読ポイント!】「売れる」人が従うシンプルなルールとは

純粋な気持ちにのみ突き動かされる状態

takasuu/gettyimages

商品やサービスをうまくお客に売ることができる人は、根本的な、シンプルなルールに従っている。それは、セールスパーソンが「ゾーン」に入ることだ。

著者は、セールスパーソンの経験が12年間に及んだころ、ある商談でふしぎな感覚を味わった。初めて面会した人とのあいだに大きな信頼を感じ、営業らしい話もせずにセールスが完結した。あとには、満ち足りた気持ちが残った。

そのときの出来事を分析してみると、何とか相手の「お役に立ちたい」、という感情が生まれたことが重要なきっかけとなったようだ。その感情が生まれた瞬間に、著者は「純粋な動機」を持ってゾーンに入っていたのだという。

大事なことは、お客のことだけを考えて、心身ともに今この瞬間に集中させることだ。セールスパーソンがそのような心境になっている時、「お役に立ちたい」という気持ちが生まれるのだ。この集中こそが「ゾーン状態」なのである。

モノを売るためのカギは、ゾーン状態をつくることにある。そして、それは手順を踏めば誰にでもできるものなのだ。

「説明中心」「ゾーン状態」の売り方の違い

かつて著者が行なっていたモノの売り方は、「ゾーン状態での売り方」ではなく、「説明中心の売り方」だった。「説明中心の売り方」とは、扱っている商品・サービスの内容にほれ込んで、その良さを伝えようという熱意に任せた売り方だ。一方、「ゾーン状態での売り方」とは、お客のことを理解し、自分の中から「この人のためにお役に立ちたい」という気持ちをわきあがらせて売る方法だ。

「説明中心の売り方」で購入したお客は、セールスパーソンの熱意に押されて「そんなにいいものだったら買ってみよう」と採用する。一方、「ゾーン状態での売り方」の場合は、お客自らが「これは自分に必要なものだから買って使ってみよう」と採用する。後者は、自発的にほしいと思って採用するのだ。

この「購入する動機」の違いが、購入後に大きな違いを生み出すのである。購入後に満足度が高く、追加販売や紹介にもつながるのは、「ゾーン状態での売り方」のほうだ。

イメージできるから「お役に立ちたい」と思える

fizkes/gettyimages

セールスパーソンは、お客の話している事柄のイメージに共感しなければならない。5W1Hで質問を重ねていくと、イメージが具体的になっていくので共感しやすくなる。また、お客の話を促すために、「共感の言葉をしっかり口に出す」ことも大切だ。共感の言葉を発するうちに、セールスパーソンもお客の話に入り込んでいくことができる。これがまさにゾーンの入り口だ。

そして、ゾーン状態でお客の情景を描き切り、心情を理解したときに、「何か自分のできることはないだろうか」「私のできることでお役に立ちたい」という気持ちがわいてくるのだ。

ただし、お客の話をイメージしていくときに間違いやすいのが、以下の2つの点だ。

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要約公開日 2019.12.19
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