会社を潰すな!

崖っぷち社員たちの企業再生ドラマ
未読
日本語
会社を潰すな!
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日本語
会社を潰すな!
出版社
定価
880円(税込)
出版日
2019年10月14日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ピンチをチャンスに変える」――よく聞く言葉である。しかし、実際にピンチが自分の目の前に立ちはだかったら、ピンチはピンチにしか見えないというのが、正直なところではないだろうか。

本書は、小説の形をとっているが、著者の実体験に基づいた内容となっている。著者は、経営不振が続いていた明屋書店の代表取締役に就任してから、たった2年で業績を改善。『週刊ダイヤモンド』誌の2016年「地方『元気』企業ランキング」で全国中小企業300万社の中から第1位に導いたという経験を持っている。そんな著者の経験や手法が随所に盛り込まれているのだ。

もしかしたら、「ビジネスの知識をつけたところで、業績が改善するはずがない」と思う人がいるかもしれない。本書でも、「知識を身につけるべき」という主人公に対し、「現場をわかっていない」と猛反発するスタッフの姿が描かれている。そんな疑問を持っている人に、本書は答えをくれるだろう。そして、その知識が生かせるようになった時、「ピンチをチャンスに変える」方法も見えてくるかもしれない。

舞台は書店だが、本書では、どんな業種にも通用するビジネスの基本を学ぶことができる。これからビジネスの世界に足を踏み入れようとしている新入社員から、自分のビジネス知識に不安を持っている人、また、今置かれている環境に不満を感じている人にもおすすめの一冊である。

ライター画像
中山寒稀

著者

小島 俊一(こじま しゅんいち)
コンサルタント/講演会講師/研修講師
1957年福岡県生まれ、明治大学政治経済学部卒。トーハン入社。
執行役員近畿支社長、同九州支社長を経て、2013年に四国・松山の明屋書店代表取締役就任。経営不振の同書店チェーンを「従業員を大切にする」などの手法で、業績を2年でV字回復させ『週刊ダイヤモンド』誌の2016年「地方『元気』企業ランキング」で全国中小企業300万社の中から第1位に導く。
現在は、経営経験のあるコンサルタント、経営理論を実践した経営者として、地方中小企業の活性化をライフワークに、中小企業向けコンサルタントの他に全国で講演会活動や企業研修を精力的に行っている。
元気ファクトリー株式会社代表取締役・中小企業診断士・産業カウンセラー

本書の要点

  • 要点
    1
    銀行員だった主人公は、「破綻懸念先」に区分されているクイーンズブックスへの出向を命じられた。彼がなすべき役割は、リストラや店舗閉鎖を伴う徹底した債権回収か経営再建かという、2つに1つであった。
  • 要点
    2
    着任した主人公は、決算書を経理や税理士に任せきりにしている社長に、財務諸表を教えることからはじめた。
  • 要点
    3
    主人公は、店舗のひとつをコンビニと共同出店にすることを提案した。売上の低下を懸念する社長に猛反対されたが、現状を打破するために必要だと説得し、一歩を踏み出すこととなった。

要約

明るいとは言えない未来

破綻懸念先への出向
smolaw11/gettyimages

3月のある日、鏑木健一(以下、鏑木)が出勤すると、すぐに上司の片山部長に呼ばれた。朝一番の呼び出しがいい話だったためしがない。鏑木が最後に支店長を勤めた金沢銀行桜町支店は今年の1月に成績不振で閉店していた。出向の辞令を待つ身であった鏑木には、話の内容の察しがついていたのだ。

予想通り、言い渡された辞令は、専務としてクイーンズブックスという書店に出向するという内容だった。創業者が病気で急逝し、その妻が継いだ、5期連続赤字の書店である。

片山部長は、鏑木が金沢銀行の業績改善に貢献する方法として、2つの選択肢を提示した。まず、クイーンズブックスへの過剰貸付の回収だ。店舗の閉鎖、人員の大幅削減、資産の処分などを行い、貸付金を返済させる。

もうひとつは、経営の抜本的な改革だ。金沢銀行では、クイーンズブックスを貸付先として「破綻懸念先」で区分している。貸付金は「貸し倒れ引当金」として、既に経費として計上されている。売上も収益も伸ばせるようになれば、「破綻懸念先」から「正常先」に区分が変わり、「貸し倒れ引当金」の経費計上が不要になる。もちろん片山部長は、「強引に一気に行う資産の処分の方が、いろいろあっても簡単だよ」と付け加えるのを忘れなかった。

クイーンズブックスの決算書は、目を覆うばかりの内容だった。経費がコントロールされていない上に、借入金が多く、債務超過寸前だ。売上増のための新たな取り組みもない。「破綻懸念先」に区分されて当然だった。

しかも出版不況の今、書店の未来が明るいとは言い難い。「私はこの本屋と、どう向き合ってゆくことになるのだろうか……?」。鏑木の頭によぎるのは、不安ばかりである。

気まずい歓迎懇親会

初出勤の鏑木を、黒木社長が出迎えた。経理部の坂出部長や事務員たちは、歓迎どころか、明らかに警戒の色を示している。

初出勤の夜、鏑木の歓迎懇親会が開かれた。鏑木はそこに集まった全6店舗の店長たちに、『社会人の基礎知識』という小冊子を配布した。企業会計やマーケティングに関する基本知識をまとめた、オリジナルのものだ。

「一つずつ、一緒に勉強していきましょう。この知識は、経営再建には必要な知識だと思っています」と語りかける鏑木専務に、本店の西田店長は「書類を読んで売上がよくなるんだったら、みんなとっくにやってますよ」「私たちには書類でお勉強している暇なんかないんですから!」と猛反発する。鏑木も負けじと言い返し、歓迎会の場は凍り付いた。

自分は、経営陣どころか、店長たちにも歓迎されていない。大リストラで一気に債権回収したほうが楽なのかもしれない――そんな思いが、鏑木の頭をよぎるのだった。

【必読ポイント!】 鏑木のレクチャー

車の運転と財務諸表
MangoStar_Studio/gettyimages

鏑木は黒木社長に、決算書に基づいた会社の現状の説明を求めた。しかし黒木社長は、悪びれることなく、決算書のことは分からない、坂出部長と税理士に任せていると答えた。そんな黒木社長に対し、鏑木は「決算書が分からなくて、会社の経営をしてはいけません」と説くのだった。

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