申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

未 読
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
ジャンル
著者
カレン・フェラン 神崎朗子(訳)
出版社
大和書房
定価
1,728円
出版日
2014年03月24日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

コンサルタントを雇い多額のフィーを払った経験のある人、そしてコンサルタントを経験したことがある人は、本書のカバーのタイトルに見事に釣られて、思わず手に取ってしまうことだろう。そして私は、本書がその両者にとって大いにメリットがあるので、釣られたまま購買することを推奨したい。

かつて経営コンサルタントだった私は、書店で本書の平積みを見たとき、「なるほど、きっとこれはコンサル批判本だろう!話のタネに買ってみよう」と思いそのままレジへ向かった。しかし、本書の内容はいい意味でその期待を裏切るものであった。ただの批判本であったら、私も悲しくなって途中で読むのを止めてしまっていただろうが、その本質は全くの別物であり、あっという間に読破してしまった。

本書で著者が提唱しているのは、コンサルティング業務の正しいあり方であり、クライアントとコンサルタントの正しい付き合い方である。「コンサルティングにおいて重要なのは、方法論やツールではなく対話である」「クライアント企業は経営をコンサルタントに任せず、自分たちでもっとちゃんと考えるべきだ」というのが本書の主たる主張である。

中期経営計画をまとめたパワーポイントが役に立たないこと、業績を数値目標化し管理すると新しいものが生まれてこないこと、これらはコンサルタントもクライアントも今や十分に認識していることだろう。コンサルタントだって成果の出ない怪しい商材を売りたくはないに違いない。

コンサルタント側もクライアント側も本書を読むことで、実際に成果の上がる議論に集中できるだろう。非常に建設的な論点を記した一冊であると感じた。

著者

フェラン・カレン
マサチューセッツ工科大学(MIT)および同大学院を卒業後、デロイト・ハスキンズ&セルズ(現デロイト・トウシュ・トーマツ)、ジェミニ・コンサルティング等の大手コンサルティングファームで戦略、オペレーション、組織開発、IT分野の経営コンサルタントとして活躍。その後、製薬大手ファイザーに転職して研修部門を立ち上げたのち、コンシューマービジネス部門のアジア太平洋地域のIT担当マネージャーを、続いてジョンソン・エンド・ジョンソンではコンシューマービジネス部門のオンラインマーケティング担当マネージャーを務めた。オペレーティング・プリンシパルズの共同設立者、経営コンサルタント。

本書の要点

  • 要点
    1
    コンサルタントの武器である「戦略計画」、「最適化プロセス」、「数値目標」、「業績管理システム」、「マネジメントモデル」、「人材開発プログラム」、「リーダーシップ開発」、「ベストプラクティス」は役に立たない。
  • 要点
    2
    コンサルティング案件の成功は、クライアントとコンサルタントの良好なパートナーシップのたまものであり、双方の協力が不可欠である。

要約

【必読ポイント!】「戦略計画」は何の役にも立たない

Michael Blann/Digital Vision/Thinkstock
マイケル・ポーターが「武器」を生む

本書は全8章構成で、それぞれの章でコンサルタントが頻繁に用いる「商売道具」がいかに無力であるか、もっと言えば、いかに現場を混乱させるものなのかを赤裸々に語っている。その一つ目が、「戦略計画」である。

1980年、ハーバード大学教授でコンサルティングファーム、モニターグループの創設者のひとり、マイケル・ポーターが「競争の戦略」を出版すると、戦略コンサルタントの時代が幕を開け、80年代、90年代に全盛期を迎えた。それ以前、事業戦略の策定はどれもあやしげな手法ばかりであったのが、本書の誕生により一転したのである。企業人の頭には、ポーターが提唱した「5つの競争要因」と「3つの基本戦略」が強烈に植えつけられたのである。

何はともあれ、このポーターのモデルやチェックリストのおかげで、コンサルタントはメソッドと解決策を手に入れた。いずれも、大学を出たふつうの頭の良い人なら、パッケージ化して実践できる。こうしてチェックリストや選択式オプションの登場により、戦略策定の魔術めいたイメージは消え失せ、誰もが利用できるようになったのだ。

著者も例外なく、ポーターの理論に従った経営コンサルティングをいくつも経験したという例が、本章には数多く描かれている。

ダメな戦略を生む「5つのステップ」
Fuse/Thinkstock

ここで戦略策定の典型的なプロセスを見てみよう。

まず、当然ながら、企業の成功はリーダーが会社の将来のビジョンを描くこと、すなわち将来を予測することを前提としている。将来のビジョンを構築するために、コンサルタントを雇い、コンサルタントが業界とその動向について十分なリサーチを行ったうえで、報告書を作成する。次に、コンサルタントはクライアントの経営幹部を集め、全体的なビジョンと戦略目標についてのブレインストーミングを実施する。ビジョンが完成したら、リーダーは組織の全員にそれを信じ込ませる。さらに経営陣は、全社がビジョンの実現につながる活動に邁進するように導く。端的に要約すると次のようになる。

1.将来を予測する。

2.予測に基づき、大胆なストレッチ目標を設定する。

3.周囲の人々を説得する。その目標には特に関係のない、単なる月給取りである一般の従業員らも、同じ目標へ向かって努力するように。

4.目標達成に向けて邁進する。

5.成功を祝う!

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ジャンル
経営戦略
著者
カレン・フェラン 神崎朗子(訳)
出版社
大和書房
定価
1,728円
出版日
2014年03月24日
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